【本編完結】瓦解

星の書庫

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出会い

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 桜が舞う四月の朝。今日は高校の入学式。新しい門出の日だ。
 市内の進学校に進学したかったが、受験に失敗したせいで、頭の悪い私立高校に入学する羽目になってしまった。
 学校の正門をくぐると、見るからに頭の悪そうな集団がたむろしている。髪を赤く染めた不良や、スカートを短く切った女子高生。
「完全に入る高校間違えたな」
滑り止めで選んだこの高校だが、もっと他に良い所が無かったのかと、今更ながらに後悔している。
「……帰ろうかな」
 まだ入学すらしていないのに、この空間にいるのが嫌になってきた。
「何でこんな高校選んだんだろう……」
隣では、同じようなことをつぶやく女の子がいる。この子とは仲良くなれそうだ。
 このまま留まっていても仕方ないので、俺はクラスを確認して教室に向かうことにした。すぐ側に人の歩く気配を感じ、横を向くと、先程の女の子が俺と同じ方向に進んでいた。同じクラスなのだろうか。彼女はそのまま俺と同じクラスに入ってきた。黒板に好きな席に座るようにと書いてあったので、俺は迷わず窓側の最後列に座ろうとする。だが、そんな俺と同じ場所に座ろうとする人が現れた。横を歩いていた彼女だ。
「ちょっと、ここは私が座るからどいてくれない?」
彼女は机の上に置いた俺の荷物をどかすようにして、自分の荷物を置く。
「いや、俺が先だろうが。お前は別の席に座ればいいだろ」
俺がそう言い返すと、彼女は不機嫌そうに顔をしかめた。
「なによ。女子に席を譲るって事を知らないの?いかにもオタクみたいな身なりして。そんなんだから彼女も出来ないんじゃないの?」
五分前に抱いた、目の前の女に対する第一印象が、一気に崩れた。
「お前みたいな気の強い女子を俺は知らない。彼女がいないのは事実だが、オタクだと言われる筋合いはないぞ」
俺が言い返すと、彼女は更に強い口調で捲し立ててくる。
「あなたから溢れ出るオタク臭が、制服を着ても誤魔化せてないのよ。伝染るから近くに来ないで」
「てめえ……!」
 苛立ちを隠せなくなり、拳を握ったところでチャイムが鳴った。はっと我に返り、時計を見ると、時刻は八時半を指していた。どうやら始業時間らしい。先生が入ってきたので、俺は渋々、唯一空いていた例の席の横に着席した。隣では、彼女が勝ち誇った顔で僕にドヤ顔を向けている。
 こんな奴と仲良くなるなんて、天と地がひっくり返っても無いだろうなと、そう思った。

はっきり言って、最悪な出会いだった。
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