【本編完結】瓦解

星の書庫

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最悪の二人

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 入学して一週間が経った。相変わらず俺を敵視しているこの女は、神林茉莉かんばやしまつりと言うらしい。こいつは、やたらと俺に絡んでくる。
「ちょっと島崎純しまさきじゅん。何ジロジロこっち見てるのよ」
「誰がお前なんか見るか。俺が見ているのは景色だ。何度も言うが、フルネームで呼ぶのはやめてくれ。気持ち悪い」
 苗字だけで呼んでほしい旨を伝えると、彼女は不機嫌そうにつぶやいた。
「じゃあなんて呼べばいいのよ」
「苗字でいいだろ」
「今更変えるなんてめんどくさいじゃない。嫌よ」
苗字で呼ぶ方が早いだろうに。俺は彼女の、自分の意思を曲げない所が気に食わない。

 入学して二週間。どうやら俺と彼女は、どうしても馬が合わないようだ。二週間も経てば落ち着くと思ったが、未だに口喧嘩は止まない。
担任も見兼ねたようで、ホームルームの時間に席替えを提案してくれた。
「やっとあんたと離れられるわ」
「そりゃよかった」
茉莉は嬉しそうに、自分が引いた席の番号をちらつかせる。彼女の引いた五の数を見て、俺は嫌な予感がした。
俺の引いた番号は十。両方とも五の倍数なので、同じ最後列なら、席は必然的に隣同士になる。
「……おい」
「な、何よ……」
お互いの番号を見て、落胆した。
「運悪すぎだろ……」
「まったく、なんでまたあんたの横なのよ」
「俺が聞きたいわ」
ショックを受ける俺たちを見たクラスメイトからは、ヤジが飛ぶ。
「こっちはヤジを笑って受け流す余裕もないっての……」
「これだけはあんたに同感ね……」
新しい席に座った俺たちは、これからのことについて話し合う事にした。
「どうするよ」
「どうするって……。何をよ」
「いや、流石にもう、喧嘩続きはダメだなと」
「仕方ないじゃない。嫌いな奴とは仲良くできないんだから」
こんな性格して、社会で生きていけるのかと思ってるのか……。
 このままじゃ埒があかないと思い、俺は和解を提案した。
「……まあ、これも何かの縁だと思って、もう少し仲良くしようぜ」
「絶対に嫌よ。私は無理だから」
茉莉は、頑固として自分の意思を曲げようとしない。彼女のこの態度には辟易する。
そんな彼女に、俺は新しい提案をする事にした。
「まあいいや……。じゃあ、俺に必要以上に絡むのはやめてくれないか」
「……まあいいわ」
彼女は嫌そうにしながらも、渋々了解した。嫌いな奴と関わらなくていいのに、なぜ面倒な方を選ぶのか。
女子の考える事はわからないなと、俺は首をかしげた。
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