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夏祭り
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俺と茉莉は、晴れて恋人同士となった。
全て見通していたであろう史乃さんの計らいで、俺と茉莉は同じ部屋で寝る事になっていた。
「いくら恋人だからって、変なことしないでよね」
「分かってるよ。流石に付き合って初日でそんなことはしない」
「ならいいのよ」
「何がいいんだよ……」
茉莉と同じ部屋で寝るというだけで緊張でおかしくなりそうなのに、そこから先の事など考えられるはずもない。せめて何か別の話題があればいいんだが……。
「ねえ」
「は、はいっ!」
「明日、どうする?」
「明日?何かあったか?」
明日というと、この付近では何もなかった気もするが。隣の市で夏祭りがあるくらいだが……。もしかして茉莉はそれに行きたいのだろうか。
「……もしかして、夏祭りに行きたい、とか?」
「あんたにしては勘が良いじゃない」
正解のようだ。
「別に、俺は暇だけど」
「私の浴衣姿、見たい?」
「っ……!見たい!」
「そんなにがっつく事?……まあいいわ。じゃあ、一緒に行くって事でいいのね?」
「あぁ、絶対に行きたい」
せっかく恋人の浴衣姿が見れるのだ。行かないわけにはいかない。俺は、二つ返事で了承した。
「じゃあ明日、朝から行くから。今日は早く寝ましょう」
「あぁ、そうだな」
その日は、何もせずに就寝した。
翌日、俺は早くに起きた。小鳥の囀りが聞こえる。どうやら、起きるのが早すぎたようだ。
横では、茉莉がうずくまって寝ていた。
「ぃっ!?」
驚いて飛び退きそうになったが、起こさないように頑張って耐えた。
ゆうべ寝る時は、彼女はベッドの上にいたはずだ。よほど寝相が悪く、俺のところまで転がってきたのだろうか。
そんなことを考えていると、茉莉は俺が動いたのに気づいて、起きてしまった。
「ん……おはよ」
「あ、あぁ。おはよう」
彼女は俺が横にいることになんの疑問も抱いていない様子だ。
「あの、茉莉?」
「なぁに……。もうちょっと寝させてよ……」
眠そうに寝返りを打つ彼女は、誰がなんと言おうと可愛い。たまらなく愛しいが、今はそんな事を考える余裕がない。
「いや、なんで俺の横で寝てるんだ……?」
「んん……?そんなの、昨日私があんたの横で寝たからに決まってるでしょ」
「そんな、当たり前みたいに言われても困るんだが」
「うるさいわね。あと十分くらい静かに寝させてよ……」
茉莉はそのまま寝てしまった。俺は彼女を起こさないように、一階まで降りようとしたがその手によって阻まれてしまった。
「んぅ……。行かないでよ……」
そう言って、茉莉は俺の服をつまむ。
「っ……!」
果たして本当に寝ているのだろうか。その仕草にやられて、俺は彼女が起きるまで待つ事にした。
昼をすぎた頃、神林家では茉莉の絶叫が木霊していた。
「なんで起こさなかったのよ!」
「何度も起こしたよ!その度にあと十分なんて言うから!」
「もっと強く起こしてよ!」
「仕方ないだろ!お生憎様、女子の起こし方なんて心得てないんでね!」
「うるさい!そんな事もういいから、早く準備手伝って!」
茉莉は突然、俺が部屋にいるのに、パジャマを脱ぎ始めた。
「なっ!なんでここで着替える!」
「当たり前でしょ?ここは私の部屋よ」
「そうじゃなくて、俺がまだ部屋にいるだろ!」
「もう付き合ってるんだし、普通じゃないの?」
その言葉に、俺は驚愕した。俺の知る限りでは、付き合って初日の男女は、そこまで発展していないはずだ。
いくら恋愛未経験でも、そこまでズレているものなのだろうか。きっと、史乃さんと旦那さんの影響だろう。
「ばか!そんなわけないだろ!俺は出て行くから、着替えるならその後にしてくれ!」
「わ、分かったわよ」
俺は急いで部屋を出る。流石に恋人の下着姿をガン見するわけにもいかない。
意外と紳士な部分もあるものだと、我ながら思った。
着替えを終え、私服で出てきた彼女と俺は、急かすように家を出た。
ちなみに、俺たちを見送る史乃さんは、かつてないほどニコニコとしていた。
「なんで私服?」
「何が?」
「いや、てっきり浴衣で出てくるのかと……」
茉莉に頬をつねられた。
「いてっ」
「私が一人で着付けなんて、できるわけないでしょ」
「ドヤ顔で言われても……」
だが、一人で掃除も料理もできない茉莉の事だ。なぜか納得してしまった。
「納得するな!」
「でも、だったらどこで浴衣を着るんだ?」
「毎年行ってるお店があるから、そこに行くのよ」
「へぇ、すごいな」
「別に、普通よ」
やっぱり、彼女はどこかズレているのかもしれない。着物なんて、レンタルだけでも相当な額になるらしいし。
そうこうしているうちに、彼女の言う着付け屋についた。
「さ、着いたわよ」
「お、おぉ……」
着いたのは、立派な和風の館だった。外から見るだけで圧倒される雰囲気を醸し出している。
「ついでだし、あんたも一緒に着る?」
「え?」
「えっと、男子って何て言うんだっけ。甚平?多分まだあるはずだから、一人くらい増えても大丈夫よ」
「えぇ……。俺は別に良いが……」
「じゃあ決まりね!行きましょう!」
茉莉は、俺の手を強引に引き、店の中に入っていった。
全て見通していたであろう史乃さんの計らいで、俺と茉莉は同じ部屋で寝る事になっていた。
「いくら恋人だからって、変なことしないでよね」
「分かってるよ。流石に付き合って初日でそんなことはしない」
「ならいいのよ」
「何がいいんだよ……」
茉莉と同じ部屋で寝るというだけで緊張でおかしくなりそうなのに、そこから先の事など考えられるはずもない。せめて何か別の話題があればいいんだが……。
「ねえ」
「は、はいっ!」
「明日、どうする?」
「明日?何かあったか?」
明日というと、この付近では何もなかった気もするが。隣の市で夏祭りがあるくらいだが……。もしかして茉莉はそれに行きたいのだろうか。
「……もしかして、夏祭りに行きたい、とか?」
「あんたにしては勘が良いじゃない」
正解のようだ。
「別に、俺は暇だけど」
「私の浴衣姿、見たい?」
「っ……!見たい!」
「そんなにがっつく事?……まあいいわ。じゃあ、一緒に行くって事でいいのね?」
「あぁ、絶対に行きたい」
せっかく恋人の浴衣姿が見れるのだ。行かないわけにはいかない。俺は、二つ返事で了承した。
「じゃあ明日、朝から行くから。今日は早く寝ましょう」
「あぁ、そうだな」
その日は、何もせずに就寝した。
翌日、俺は早くに起きた。小鳥の囀りが聞こえる。どうやら、起きるのが早すぎたようだ。
横では、茉莉がうずくまって寝ていた。
「ぃっ!?」
驚いて飛び退きそうになったが、起こさないように頑張って耐えた。
ゆうべ寝る時は、彼女はベッドの上にいたはずだ。よほど寝相が悪く、俺のところまで転がってきたのだろうか。
そんなことを考えていると、茉莉は俺が動いたのに気づいて、起きてしまった。
「ん……おはよ」
「あ、あぁ。おはよう」
彼女は俺が横にいることになんの疑問も抱いていない様子だ。
「あの、茉莉?」
「なぁに……。もうちょっと寝させてよ……」
眠そうに寝返りを打つ彼女は、誰がなんと言おうと可愛い。たまらなく愛しいが、今はそんな事を考える余裕がない。
「いや、なんで俺の横で寝てるんだ……?」
「んん……?そんなの、昨日私があんたの横で寝たからに決まってるでしょ」
「そんな、当たり前みたいに言われても困るんだが」
「うるさいわね。あと十分くらい静かに寝させてよ……」
茉莉はそのまま寝てしまった。俺は彼女を起こさないように、一階まで降りようとしたがその手によって阻まれてしまった。
「んぅ……。行かないでよ……」
そう言って、茉莉は俺の服をつまむ。
「っ……!」
果たして本当に寝ているのだろうか。その仕草にやられて、俺は彼女が起きるまで待つ事にした。
昼をすぎた頃、神林家では茉莉の絶叫が木霊していた。
「なんで起こさなかったのよ!」
「何度も起こしたよ!その度にあと十分なんて言うから!」
「もっと強く起こしてよ!」
「仕方ないだろ!お生憎様、女子の起こし方なんて心得てないんでね!」
「うるさい!そんな事もういいから、早く準備手伝って!」
茉莉は突然、俺が部屋にいるのに、パジャマを脱ぎ始めた。
「なっ!なんでここで着替える!」
「当たり前でしょ?ここは私の部屋よ」
「そうじゃなくて、俺がまだ部屋にいるだろ!」
「もう付き合ってるんだし、普通じゃないの?」
その言葉に、俺は驚愕した。俺の知る限りでは、付き合って初日の男女は、そこまで発展していないはずだ。
いくら恋愛未経験でも、そこまでズレているものなのだろうか。きっと、史乃さんと旦那さんの影響だろう。
「ばか!そんなわけないだろ!俺は出て行くから、着替えるならその後にしてくれ!」
「わ、分かったわよ」
俺は急いで部屋を出る。流石に恋人の下着姿をガン見するわけにもいかない。
意外と紳士な部分もあるものだと、我ながら思った。
着替えを終え、私服で出てきた彼女と俺は、急かすように家を出た。
ちなみに、俺たちを見送る史乃さんは、かつてないほどニコニコとしていた。
「なんで私服?」
「何が?」
「いや、てっきり浴衣で出てくるのかと……」
茉莉に頬をつねられた。
「いてっ」
「私が一人で着付けなんて、できるわけないでしょ」
「ドヤ顔で言われても……」
だが、一人で掃除も料理もできない茉莉の事だ。なぜか納得してしまった。
「納得するな!」
「でも、だったらどこで浴衣を着るんだ?」
「毎年行ってるお店があるから、そこに行くのよ」
「へぇ、すごいな」
「別に、普通よ」
やっぱり、彼女はどこかズレているのかもしれない。着物なんて、レンタルだけでも相当な額になるらしいし。
そうこうしているうちに、彼女の言う着付け屋についた。
「さ、着いたわよ」
「お、おぉ……」
着いたのは、立派な和風の館だった。外から見るだけで圧倒される雰囲気を醸し出している。
「ついでだし、あんたも一緒に着る?」
「え?」
「えっと、男子って何て言うんだっけ。甚平?多分まだあるはずだから、一人くらい増えても大丈夫よ」
「えぇ……。俺は別に良いが……」
「じゃあ決まりね!行きましょう!」
茉莉は、俺の手を強引に引き、店の中に入っていった。
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