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ストーカーの正体
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「あ、島崎くん。お帰りなさい」
目の前に小野寺綾乃がいる。そいつは俺の部屋を漁っていて、俺に気付くと悪びれもせずそう言った。
「小野寺、なんでお前がここにいるんだ?」
「なんでって、ここは私たちのの部屋でしょ?」
意味が分からない。ここは俺の家で、小野寺とは何の接点もないはず。まず第一に、こいつはどうやってここに入った?
すると、俺の考えを見越したかのように小野寺は笑う。
「どうやってって、ちゃんと玄関から入ってきたよ?」
「鍵はどうしたんだよ」
「合鍵を持っているから。愛する人の家だもの。当然でしょ?」
彼女は、侵入するときに使ったと思われる銀色の鍵を自信満々に見せつけてくる。もちろん彼女にこんなものを渡した覚えはないし、渡す気などさらさらない。おそらく、小野寺自身が勝手に作ったのだろう。
「愛する人って……。俺はお前のことをよく知らないし、不法侵入だと思うんだが」
「そんな……。私はずっと、島崎くんのことが好きで好きでたまらなかったのに」
「ずっと?」
「そうよ。私は入学した頃から、島崎くんが好きだったの。なのにあの神林茉莉とかいう泥棒猫。私の島崎くんを横取りしやがって……」
小野寺は立ち上がると、茉莉の写真が入った写真立てを手に取った。
「こんなもの、私と島崎くんの愛には邪魔なのよ!」
そのまま大きく振りかぶって、写真立てごと地面に叩きつけた。
「何やってるんだよ!」
「何って、もうこんなものいらないじゃない」
小野寺は壊れた写真立てから写真を抜き取り、それをビリビリに引き裂いた。
「いつまでもこんなもの部屋に置いているから、私と島崎くんの仲が進展しないのよ!」
写真をゴミ箱に捨てた彼女は、高笑いしながら俺に歩み寄ってくる。
「神林茉莉なんて、ただのブスじゃないの。私は島崎くん程ではないけど、勉強もできるし、家事だって完璧にできる。あんなやつより、私の方がいいと思わない?」
そう言って、小野寺は俺に手を回してくる。そんな彼女の手を、払い除けた。
「いいや、思わないね」
「……へ?」
「茉莉はあんたみたいに人を見下さないし、あんたみたいに身も心もブスじゃない。俺にとって、理想の人だったんだよ」
立ち上がると、驚いて声を出せなくなっている小野寺に向かってそう言い放つ。
「あんたが俺のことをどう思っているのかは知らないけど、俺には茉莉しかいないんだよ。彼女を悪く言う奴らはみんな俺の敵だ。金輪際、俺に近づくな。分かったな?」
一息に言い切ると、俺は警察に連絡し、小野寺の身柄を引き渡した。彼女は必死に抵抗したが、三人の屈強な警察官に取り押さえられ、そのまま連れて行かれた。
警察の話によると、小野寺はその日、盗聴器を仕掛けようとしていたらしい。念のため家中を探し回ったところ、問題のものが七個も出てきた。
小野寺は高校にいられなくなり、別の高校に転校したらしい。
こうして、ストーカー事件に終止符が打たれた。
一方俺への損害は大きく、茉莉の写真をはじめとした、彼女に関するものがほとんど壊されていた。
本当は小野寺に復習してやりたいけれど、茉莉はそんな事を望まないだろうし、泣き寝入りするしかなかった。
色々なことがあって、俺の周りに平穏が訪れたのは、十二月を過ぎた頃だった。
もうすぐ、修学旅行が始まる。
目の前に小野寺綾乃がいる。そいつは俺の部屋を漁っていて、俺に気付くと悪びれもせずそう言った。
「小野寺、なんでお前がここにいるんだ?」
「なんでって、ここは私たちのの部屋でしょ?」
意味が分からない。ここは俺の家で、小野寺とは何の接点もないはず。まず第一に、こいつはどうやってここに入った?
すると、俺の考えを見越したかのように小野寺は笑う。
「どうやってって、ちゃんと玄関から入ってきたよ?」
「鍵はどうしたんだよ」
「合鍵を持っているから。愛する人の家だもの。当然でしょ?」
彼女は、侵入するときに使ったと思われる銀色の鍵を自信満々に見せつけてくる。もちろん彼女にこんなものを渡した覚えはないし、渡す気などさらさらない。おそらく、小野寺自身が勝手に作ったのだろう。
「愛する人って……。俺はお前のことをよく知らないし、不法侵入だと思うんだが」
「そんな……。私はずっと、島崎くんのことが好きで好きでたまらなかったのに」
「ずっと?」
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小野寺は立ち上がると、茉莉の写真が入った写真立てを手に取った。
「こんなもの、私と島崎くんの愛には邪魔なのよ!」
そのまま大きく振りかぶって、写真立てごと地面に叩きつけた。
「何やってるんだよ!」
「何って、もうこんなものいらないじゃない」
小野寺は壊れた写真立てから写真を抜き取り、それをビリビリに引き裂いた。
「いつまでもこんなもの部屋に置いているから、私と島崎くんの仲が進展しないのよ!」
写真をゴミ箱に捨てた彼女は、高笑いしながら俺に歩み寄ってくる。
「神林茉莉なんて、ただのブスじゃないの。私は島崎くん程ではないけど、勉強もできるし、家事だって完璧にできる。あんなやつより、私の方がいいと思わない?」
そう言って、小野寺は俺に手を回してくる。そんな彼女の手を、払い除けた。
「いいや、思わないね」
「……へ?」
「茉莉はあんたみたいに人を見下さないし、あんたみたいに身も心もブスじゃない。俺にとって、理想の人だったんだよ」
立ち上がると、驚いて声を出せなくなっている小野寺に向かってそう言い放つ。
「あんたが俺のことをどう思っているのかは知らないけど、俺には茉莉しかいないんだよ。彼女を悪く言う奴らはみんな俺の敵だ。金輪際、俺に近づくな。分かったな?」
一息に言い切ると、俺は警察に連絡し、小野寺の身柄を引き渡した。彼女は必死に抵抗したが、三人の屈強な警察官に取り押さえられ、そのまま連れて行かれた。
警察の話によると、小野寺はその日、盗聴器を仕掛けようとしていたらしい。念のため家中を探し回ったところ、問題のものが七個も出てきた。
小野寺は高校にいられなくなり、別の高校に転校したらしい。
こうして、ストーカー事件に終止符が打たれた。
一方俺への損害は大きく、茉莉の写真をはじめとした、彼女に関するものがほとんど壊されていた。
本当は小野寺に復習してやりたいけれど、茉莉はそんな事を望まないだろうし、泣き寝入りするしかなかった。
色々なことがあって、俺の周りに平穏が訪れたのは、十二月を過ぎた頃だった。
もうすぐ、修学旅行が始まる。
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