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新しい出会い(2)
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修学旅行二日目。今日からスキー研修が始まる。
ゲレンデまで移動して、簡単な説明を受けた後は、自由行動らしい。今日は、俺が川嶋に滑り方を教えることになっている。
「すっげぇ、雪だらけだぞ!」
「スキー場だしね」
「この中を滑っていくのか!」
「当たり前じゃん」
川嶋は目を輝かせて、早く教えろと言って俺を急かす。周りにはもう滑っている生徒がいて、待ちきれないようだ。
俺たちは、早速上まで登ってスキー板を履いた。
「じゃあまずは、足でハの字を作ってみて」
「ハの字?」
「つま先を内側に寄せて、カタカナのハを作る感じで」
「こうか?」
「そうそう、いい感じ。その状態を保ちながら、斜面を滑っていくといいよ」
「おう、やってみるわ!」
川嶋は教わった通りにゆっくりと雪の上を滑っていく。運動神経が良いだけあって、飲み込みが早い。あっという間に滑れるようになっていた。
「島崎、教えるの上手いな!」
「ただ基本を言っただけなんだが……」
「分かりやすかったぞ!」
「……ありがとう」
大した事はしていないのに、面と向かってお礼を言われるのは恥ずかしい。
川嶋は特に気にしていない様子で、行こうぜと言って前に進んでいた。
午後からは上級者コースに行きたいとのことで、急斜面のゲレンデに移動することになった。こっちまできている生徒は少ないと思っていたが、結構な数の人がいた。
「なあ島崎」
「ん?」
「意外と急だな、ここ」
「まあ、上級者コースだしね」
「ちょっと、先に滑ってくれね?」
「いいけど、俺もうまく滑れるか分からないよ」
「お前なら行けるって、絶対」
午前中余裕そうだった川嶋は、上級者コースが意外と急なのに驚いているらしい。かく言う俺も、久しぶりのスキーなので上手く滑れるかは分からない。少し怖いが、手本を見せるために先に滑ることになった。
「おっ……意外といける」
不安はあったものの、滑り方が分からなかったわけではないので、簡単だった。少し進んで上を見ると、川嶋が俺を見てガッツポーズをしていた。そして、ゆっくりと俺にいるところまで滑ってくる。
「ここ、意外と難しいな。何回かこけそうになったぜ」
「初めてでそれは凄いと思うよ。やっぱり川嶋は運動神経が良いな」
「そんなに褒めても、何も出ねえぞ!」
「褒めてるつもりないんだけどね」
そのあとは、冗談を言い合いながら、ゆっくり下まで降りた。川嶋は何度かこけたが、回数を重ねるごとにそれも減っていき、一日目の終わる頃には俺と変わらないスピードで滑れるようになっていた。
事件は二日目に起きた。
この日は朝から上級者コースに行こうと話をしながら、ゲレンデまで移動する。
同じことを考える生徒も多く、一日目とは比にならないほど人が増えていた。
「今日は人が多いから、なるべくぶつからないように安全に行こう」
「おう!」
人の間を縫うように、俺たちはゆっくり滑っていく。途中で人とぶつかることはあったが、お互いにこけることはなく、安全に下まで降りることができた。
「この調子なら俺が前を滑っても大丈夫そうだな!」
「あ、おい。あまり行き過ぎると危ないぞ」
川嶋は調子に乗って、どんどん進んでいく。人も多いし、危険な目に合わなければいいが……。
そう思いながら彼の後を滑っていた矢先、川嶋はバランスを崩し、他の生徒を巻き込んで転んでしまった。
「……だから言ったのに。大丈夫か?」
「いてて……。すまんすまん」
「周りには気を付けろよ」
「おう!」
俺は川嶋を起こすと、彼がぶつかった生徒へと近寄る。
「大丈夫ですか……。あっ」
見覚えがある顔だ。目の前で転んでいるのは、俺が昨日ぶつかった女子生徒だった。
「すみません、大丈夫です……。あっ」
相手も俺に気付いた様だ。俺に気付くと、顔を逸らしてしまう。
「一人で立てますか?」
「あ、はい……。いたっ……。すみません、立てそうにないです」
「……下まで送ります。川嶋は、彼女と俺の板を持って、下まで一緒に来てくれ」
「おう!任せとけ!」
彼女は地面に手をついて立とうとしたが、足を捻挫したらしく、また転んでしまう。
俺は、彼女をおぶって、そのまま下に向かうことにした。
「すみません、また助けられてしまって」
「二回とも俺らの不注意が原因ですから。むしろ、謝るのは俺らの方ですよ」
「そうですか……。ありがとう、ございます」
彼女を無事に下まで送り届けると、クラスメイトらしき女子生徒が、彼女を待っていた。途中ではぐれて、ずっと下で待っていたらしい。
二人からお礼を言われた俺達は、その日はもう休もうと話して、部屋まで戻ることにした。
「それにしても、またあの子と会うなんて運命感じるな~」
「そうでも無いと思うけど。……そういうのはもう懲り懲りだ」
少し気分が悪くなった。運命だとか、約束だとか。そんな恋愛はもういらない。
俺は、川嶋を置いて一人で部屋に帰った。
ゲレンデまで移動して、簡単な説明を受けた後は、自由行動らしい。今日は、俺が川嶋に滑り方を教えることになっている。
「すっげぇ、雪だらけだぞ!」
「スキー場だしね」
「この中を滑っていくのか!」
「当たり前じゃん」
川嶋は目を輝かせて、早く教えろと言って俺を急かす。周りにはもう滑っている生徒がいて、待ちきれないようだ。
俺たちは、早速上まで登ってスキー板を履いた。
「じゃあまずは、足でハの字を作ってみて」
「ハの字?」
「つま先を内側に寄せて、カタカナのハを作る感じで」
「こうか?」
「そうそう、いい感じ。その状態を保ちながら、斜面を滑っていくといいよ」
「おう、やってみるわ!」
川嶋は教わった通りにゆっくりと雪の上を滑っていく。運動神経が良いだけあって、飲み込みが早い。あっという間に滑れるようになっていた。
「島崎、教えるの上手いな!」
「ただ基本を言っただけなんだが……」
「分かりやすかったぞ!」
「……ありがとう」
大した事はしていないのに、面と向かってお礼を言われるのは恥ずかしい。
川嶋は特に気にしていない様子で、行こうぜと言って前に進んでいた。
午後からは上級者コースに行きたいとのことで、急斜面のゲレンデに移動することになった。こっちまできている生徒は少ないと思っていたが、結構な数の人がいた。
「なあ島崎」
「ん?」
「意外と急だな、ここ」
「まあ、上級者コースだしね」
「ちょっと、先に滑ってくれね?」
「いいけど、俺もうまく滑れるか分からないよ」
「お前なら行けるって、絶対」
午前中余裕そうだった川嶋は、上級者コースが意外と急なのに驚いているらしい。かく言う俺も、久しぶりのスキーなので上手く滑れるかは分からない。少し怖いが、手本を見せるために先に滑ることになった。
「おっ……意外といける」
不安はあったものの、滑り方が分からなかったわけではないので、簡単だった。少し進んで上を見ると、川嶋が俺を見てガッツポーズをしていた。そして、ゆっくりと俺にいるところまで滑ってくる。
「ここ、意外と難しいな。何回かこけそうになったぜ」
「初めてでそれは凄いと思うよ。やっぱり川嶋は運動神経が良いな」
「そんなに褒めても、何も出ねえぞ!」
「褒めてるつもりないんだけどね」
そのあとは、冗談を言い合いながら、ゆっくり下まで降りた。川嶋は何度かこけたが、回数を重ねるごとにそれも減っていき、一日目の終わる頃には俺と変わらないスピードで滑れるようになっていた。
事件は二日目に起きた。
この日は朝から上級者コースに行こうと話をしながら、ゲレンデまで移動する。
同じことを考える生徒も多く、一日目とは比にならないほど人が増えていた。
「今日は人が多いから、なるべくぶつからないように安全に行こう」
「おう!」
人の間を縫うように、俺たちはゆっくり滑っていく。途中で人とぶつかることはあったが、お互いにこけることはなく、安全に下まで降りることができた。
「この調子なら俺が前を滑っても大丈夫そうだな!」
「あ、おい。あまり行き過ぎると危ないぞ」
川嶋は調子に乗って、どんどん進んでいく。人も多いし、危険な目に合わなければいいが……。
そう思いながら彼の後を滑っていた矢先、川嶋はバランスを崩し、他の生徒を巻き込んで転んでしまった。
「……だから言ったのに。大丈夫か?」
「いてて……。すまんすまん」
「周りには気を付けろよ」
「おう!」
俺は川嶋を起こすと、彼がぶつかった生徒へと近寄る。
「大丈夫ですか……。あっ」
見覚えがある顔だ。目の前で転んでいるのは、俺が昨日ぶつかった女子生徒だった。
「すみません、大丈夫です……。あっ」
相手も俺に気付いた様だ。俺に気付くと、顔を逸らしてしまう。
「一人で立てますか?」
「あ、はい……。いたっ……。すみません、立てそうにないです」
「……下まで送ります。川嶋は、彼女と俺の板を持って、下まで一緒に来てくれ」
「おう!任せとけ!」
彼女は地面に手をついて立とうとしたが、足を捻挫したらしく、また転んでしまう。
俺は、彼女をおぶって、そのまま下に向かうことにした。
「すみません、また助けられてしまって」
「二回とも俺らの不注意が原因ですから。むしろ、謝るのは俺らの方ですよ」
「そうですか……。ありがとう、ございます」
彼女を無事に下まで送り届けると、クラスメイトらしき女子生徒が、彼女を待っていた。途中ではぐれて、ずっと下で待っていたらしい。
二人からお礼を言われた俺達は、その日はもう休もうと話して、部屋まで戻ることにした。
「それにしても、またあの子と会うなんて運命感じるな~」
「そうでも無いと思うけど。……そういうのはもう懲り懲りだ」
少し気分が悪くなった。運命だとか、約束だとか。そんな恋愛はもういらない。
俺は、川嶋を置いて一人で部屋に帰った。
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