【本編完結】瓦解

星の書庫

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聖なる夜を前に(2)

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 翌朝、俺は仮病を使って学校を休んだ。
朝礼の時間の5分前に青山さんからメールが来ていたが、無視して布団を被った。
気分が悪い。体調が悪いとか、そういうわけではないけれど……。
とにかく、今は青山さんのことを考えたくなかった。

 どれくらい寝ていただろうか。目が覚めると、窓の外は日が落ちて暗くなっていた。
「はぁ……」
重い体をなんとか起こして、何か食べようとリビングへ向かう。
途中まで階段を降りて、ふとリビングに明かりがついている事に気がついた。母さんが電気を消し忘れたのだろうか。
「人にはうるさいくせに……」
不満を漏らしながらドアを開けると、そこには母さんと青山さんの姿があった。
「あ、純くん。おはよう」
リビングに入った俺に気づいた青山さんは、気恥ずかしそうに笑う。
「おはよう……じゃなくて、なんでいるの?」
「えっと、それは……」
「せっかく可愛い彼女がお見舞いに来てくれたのに、そんなに邪険にすることないじゃないの」
困り顔の彼女を庇うように、母さんが会話に入ってきた。母さんは青山さんを見て微笑むと、俺の頭をスリッパで叩く。
「いった……乱暴者め」
「さあ、何の事かしら。じゃあ、邪魔者は退散するとしますかね。あとは二人でごゆっくり」
そう言って母さんはキッチンに消えていった。
「……とりあえず、部屋行く?」
「あ、うん……」

「ここが純くんの部屋かぁ……」
「面白いものなんてないよ」
バレないように、机の上にある茉莉との写真を伏せた。
「適当に座っていいよ」
「あ、うん」
ベッドに腰を下ろした青山さんはそわそわして部屋を見回し、彼女ははっと思い直して、話を始めた。
「今日はいきなり押しかけてごめんね、体調悪いのに……」
「大丈夫、仮病だから」
「えっ?」
「今日休んだのは仮病だから、体調は大丈夫。余計な心配かけてごめん」
青山さんは目を丸くしている。驚くのも無理はないだろう。彼女からして見れば、俺が仮病を使ってまで学校を休んだ理由が、全く想像もつかないのだから。
「そっか……何かあったの?」
彼女に悪気はないのだろうが、俺はその言葉に腹が立った。
「……別に」
「そっか……」
会話も続かず、二人の間を沈黙が流れる。気まずい雰囲気に痺れを切らして、俺は昨日見た事の真相を彼女に聞くことにした。
「昨日、輝樹と帰ってたよね」
「えっ……うん。見てたんだ……」
少し長くなった髪をいじりながら、青山さんは俺の様子をうかがっている。俺もなんと言って良いのか分からず、再び何の会話もない時間が過ぎていく。

先に口を開いたのは、青山さんだった。
「実は……昨日は純くんに渡すプレゼントを買いに行ったの!」
「……え?」

まったく予想もしていなかった言葉を聞いて、俺は呆気に取られてしまった。
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