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新しい生活
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人の目を避けるようにして、俺たちはアパートの中に入った。
「ここが島崎の部屋……」
能海は物珍しそうに部屋の中を物色し始める。
「引っ越してきたばかりだから、何も面白いものはないぞ」
「うん……あ、これ……」
不意に能海の目に留まったのは、机の上に置いてある写真立てだった。
「ん、どうした?」
「これ……彼女?」
その写真立ては、茉莉の写真を飾っていたものだった。今はその上から被せるように、玲と二人で撮った写真が飾られている。
「あぁ、うん」
「そっか……」
これで能海は諦めてくれるだろう。好意を持ってくれていたのは嬉しいが、俺には玲という彼女がいる。能海の想いには、応えられない。
「この子の事、好き?」
「あぁ、好きだ」
「そっか……」
能海は、何も言わずに部屋を出て行った。
大学生になってから、玲と会うことは極端に少なくなった。看護学生は忙しいらしい。
今日は、久しぶりに玲と会う日。待ち合わせは駅前にあるカフェだ。
コーヒーを飲みながら時間を潰していると、玲が店内に入ってきた。しばらく中を見回して俺を見つけると、小走りで駆け寄ってくる。彼女は俺の向かいの席に座ると、俺と同じものを注文した。
「ごめん、待った?」
玲は前髪を直しながらごめんねと笑う。
「結構待ったなぁ」
「えぇ……ごめんね」
「冗談だよ、俺もさっき来たところ」
「……いじわる」
冗談を言ってからかうと、玲は分かりやすく拗ねて頬を膨らませた。
いかにも恋人がしそうな会話が可笑しくて、俺たちは見つめ合って笑う。
話題はお互いの近況へと移る。俺は特に何もしていないので、基本的に玲の話を聞くだけだ。
「やっぱり、看護の学校は忙しい?」
「うん……でも、今の時期はまだ実習がないから楽な方だって、先輩が言っててね……」
玲はついていけるか分からないよと言って笑う。
「これから、あまりこうして会えなくなっちゃうかもね」
「……仕方ないよ」
「うん……」
その日は、一緒に買い物をして帰った。アパートの鍵を無くさないように二人で買ったクマのストラップは、安いながらも心を満たしてくれる、大切なものだ。
大学生になって二年目の春。俺と玲は同棲することになった。少しでも二人の時間を確保するためだ。
朝、俺は玲が学校に行くのを見送る。抱き合ってお互いの温もりを感じるこの時間が、二人にとっての癒しだ。
「……今日も遅いから」
「うん、頑張って」
「うん」
行きたくないよとぐずる彼女の頭を撫でて、額にキスをする。
「ちゃんと夜ご飯作って待ってるから」
「……うん」
玲は名残惜しそうに俺から離れて、玄関のドアを開ける。
「じゃあ、行ってきます」
手を振って彼女を見送った後、俺も大学に行く身支度を済ませる。
「よし……行くか」
夕飯を何にするか考えながら、俺は大学への道をゆっくり歩いた。
「ここが島崎の部屋……」
能海は物珍しそうに部屋の中を物色し始める。
「引っ越してきたばかりだから、何も面白いものはないぞ」
「うん……あ、これ……」
不意に能海の目に留まったのは、机の上に置いてある写真立てだった。
「ん、どうした?」
「これ……彼女?」
その写真立ては、茉莉の写真を飾っていたものだった。今はその上から被せるように、玲と二人で撮った写真が飾られている。
「あぁ、うん」
「そっか……」
これで能海は諦めてくれるだろう。好意を持ってくれていたのは嬉しいが、俺には玲という彼女がいる。能海の想いには、応えられない。
「この子の事、好き?」
「あぁ、好きだ」
「そっか……」
能海は、何も言わずに部屋を出て行った。
大学生になってから、玲と会うことは極端に少なくなった。看護学生は忙しいらしい。
今日は、久しぶりに玲と会う日。待ち合わせは駅前にあるカフェだ。
コーヒーを飲みながら時間を潰していると、玲が店内に入ってきた。しばらく中を見回して俺を見つけると、小走りで駆け寄ってくる。彼女は俺の向かいの席に座ると、俺と同じものを注文した。
「ごめん、待った?」
玲は前髪を直しながらごめんねと笑う。
「結構待ったなぁ」
「えぇ……ごめんね」
「冗談だよ、俺もさっき来たところ」
「……いじわる」
冗談を言ってからかうと、玲は分かりやすく拗ねて頬を膨らませた。
いかにも恋人がしそうな会話が可笑しくて、俺たちは見つめ合って笑う。
話題はお互いの近況へと移る。俺は特に何もしていないので、基本的に玲の話を聞くだけだ。
「やっぱり、看護の学校は忙しい?」
「うん……でも、今の時期はまだ実習がないから楽な方だって、先輩が言っててね……」
玲はついていけるか分からないよと言って笑う。
「これから、あまりこうして会えなくなっちゃうかもね」
「……仕方ないよ」
「うん……」
その日は、一緒に買い物をして帰った。アパートの鍵を無くさないように二人で買ったクマのストラップは、安いながらも心を満たしてくれる、大切なものだ。
大学生になって二年目の春。俺と玲は同棲することになった。少しでも二人の時間を確保するためだ。
朝、俺は玲が学校に行くのを見送る。抱き合ってお互いの温もりを感じるこの時間が、二人にとっての癒しだ。
「……今日も遅いから」
「うん、頑張って」
「うん」
行きたくないよとぐずる彼女の頭を撫でて、額にキスをする。
「ちゃんと夜ご飯作って待ってるから」
「……うん」
玲は名残惜しそうに俺から離れて、玄関のドアを開ける。
「じゃあ、行ってきます」
手を振って彼女を見送った後、俺も大学に行く身支度を済ませる。
「よし……行くか」
夕飯を何にするか考えながら、俺は大学への道をゆっくり歩いた。
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