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星の書庫

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クロムウェル

クロムウェルへ

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「さぁ!クロムウェルへ出発よ!」
 若干いつもよりも元気になっていたロクが先頭に立ち、クロムウェルへの旅がはじまった。
「クロムウェルに帰るのは久しぶりだなぁ。」
アインの放った一言に、シーフは疑問を抱いた。
「帰る?アインはクロムウェルの出身なのか…?」
「そうだぞー。もう三千年は帰ってないなぁ……」
「三千!?お前そんなに生きてたのか……!?」
アインの言葉に、シーフは驚愕した。
「ロクの能力のおかげだぞ?でなきゃ四千年前に死んでるからなー」
「そ、そうか……」
笑いながら言うが、傍から見ると驚くべき内容であろう。
いると言われるのは、普通ならば笑って流せる。だが、目の前に八千年を生きるものがいる分現実味を帯びているため、シーフはすんなりと腑に落ちた。それと同時に驚いた。
 ……他の者もそれくらい生きているのだろうか?だとすると、この中でシーフが最年少であろう。
「マジかよ……」
「ちなみに僕も同じくらいの歳ですよ!二~三年アインが早いだけです!」
エモもそれくらい行きていた。
「私は六千年……です」
ヘンリエッタもだった。
「お、おう……。皆長生きだな……」
ロクを除いたら最年長だと思っていた自分が情けなかった。

「ところで、シーフは義賊で何をやっていたんですか?」
エモが急に話題を変えて、シーフの過去を聞いてきた。
「俺か?俺はだな……。簡単に言うと人助けかな。そういうお前らはどうなんだよ?」
「僕は研究しかしてないですよ。当たり前のこと言わせないで下さい」
エモの答えは案の定だった。
「私は魔法学校の生徒……です」
「そ、そうなのか。やっぱり風魔法か?」
「はい……です。それと、失われた時魔法……です」
「時魔法!?」
「えぇ。ヘンリエッタは私の時詠みをコピーしようと、失われた技術ロストテクノロジーを研究していたのよ」
「そ、そうなのか……」
「はい……です」
その研究が成功していたら、ロク達時詠み使いに居場所はなかったかもしれない……。シーフは恐ろしさを感じた。
「余計な心配はいらないわよ、シーフ。最初から失敗は日を見るより明らかだったもの」
そんなシーフの考えを見透かしたように、ロクが言った。
「そ、そうか……。というか、なんでロクはそんなに詳しいんだ……?」
聞くと、ロクは途端に動揺しだした。
「ロクは、時魔法を偽って時詠みを学内で使っていました……です。教授の地位まで上り詰めていました……です」
「なっ!?ヘンリエッタ!!それは言ったらダメだと何度言わせるの!!」
ヘンリエッタが吐いた。ロクは怒り、そして落胆した。
「それより!!シーフの過去を話しなさい!!」
ロクはいきなり話をシーフに振った。四人の視線が突き刺さる。

 隠し通そうと思っていたが、仕方ないのかもしれない。シーフは短く息を吐き、やがてゆっくりと話し始めた。

……自分の暗黒に染まった過去を。

「俺の過去はだな…………」
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