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星の書庫

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戦いの歴史

絶望の予兆

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「じゃあ、行こっか!」
三人に連れられて、エイルとエイラは歩き出した。
「……なあ」
「なんだい?」
「聞きたいことがあるんだが」
「それは後にしてくれないか?ここだと、軍の連中が見てる」
「……あぁ」
「ところで、君らの目的は……。復讐と言ったかい?」
「…………話す必要はあるのか?」
「是非とも聞かせてほしい。それが、私らの原動力にもなるからね」
「どういう事だ?」
「私達は皆、フローリアに恨みを持っているんだ。同士の思いは、仲間の士気を高めるんだ」
「……まだ仲間になった覚えはないが」
「いずれ仲間になるんだろう?実際、君は私達の仲間になる他ないんだ。
さ、着いたよ。中に入るといい」
「……あぁ」
    いつの間にか、六人はアジトに着いていた。中に入ると、簡素なベッドが三つと、必要最低限の物があるだけだった。
「何にもないけど、入った入ったー!」
「お、押すなって!入るから!」
「エイルお兄ちゃん、待ってよー!」
「エイラちゃんも、早く入ろっか?」
「あ……えっと……」
「シンカーだよー」
「シンカー……さん?」
エイラは、明らかに同い年くらいのシンカーを見て呼称に戸惑う。
「シンカーで良いよー。無理なら、シンカーちゃんでも良いかなー」
「うん!シンカーちゃん!」
「うんうん。よろしくねー」
「エイラちゃん、私もよろしくお願いします。ヘルンです」
落ち着いた雰囲気のヘルンを見て、エイラは素直に敬語を使った。
「はい!よろしくお願いします!ヘルンさん!」
「エイラちゃん、僕だけ仲間はずれは嫌だなぁ。このキーラとも仲良くしておくれよ?」
「うん!キーラちゃん!」
「うぐぅ……。シンカーよりも年上なのに……」
「え?ちっちゃいから年下だと思ったけど……」
「ぐふぅ……っ。まぁいいさ。年下……。年下かぁ…………」
「はぁ……。お遊びもそこまでにして、話をしようか?」
「えぇ、そうね。エイルくん、君が私達に聞きたい事はなんだい?」
    ロゼッタが話の本題に入ろうとした時だった。アジトの外で爆発音がした。
「ッ……!何だ⁉︎」
「魔族よ!エイルくん!君は戦えるんだろう⁉︎なら行くよ!エイラちゃんはこの中にいるんだ!」
「えっ⁉︎はい!」
「さあ皆!行くよ!」

エイラを除いた五人は、アジトを飛び出した。
そこで目にしたものは、悲惨なものだった。
「こ、これは……ッ!」
「ひどいわね。この様子だと、軍は全滅ね」
「なっ!全滅⁉︎」
「えぇ。グリセルだは……残念だったね。私達と共に来れば救われたかもしれないのに」
「そんな事より、今は魔族を追い返すぞ!」
「えぇ。そうね……」

    エイルと魔族のセカンドコンタクトは、最悪の状況になる予感を孕んでいた。
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