43 / 50
戦いの歴史
絶望の予兆
しおりを挟む
「じゃあ、行こっか!」
三人に連れられて、エイルとエイラは歩き出した。
「……なあ」
「なんだい?」
「聞きたいことがあるんだが」
「それは後にしてくれないか?ここだと、軍の連中が見てる」
「……あぁ」
「ところで、君らの目的は……。復讐と言ったかい?」
「…………話す必要はあるのか?」
「是非とも聞かせてほしい。それが、私らの原動力にもなるからね」
「どういう事だ?」
「私達は皆、フローリアに恨みを持っているんだ。同士の思いは、仲間の士気を高めるんだ」
「……まだ仲間になった覚えはないが」
「いずれ仲間になるんだろう?実際、君は私達の仲間になる他ないんだ。
さ、着いたよ。中に入るといい」
「……あぁ」
いつの間にか、六人はアジトに着いていた。中に入ると、簡素なベッドが三つと、必要最低限の物があるだけだった。
「何にもないけど、入った入ったー!」
「お、押すなって!入るから!」
「エイルお兄ちゃん、待ってよー!」
「エイラちゃんも、早く入ろっか?」
「あ……えっと……」
「シンカーだよー」
「シンカー……さん?」
エイラは、明らかに同い年くらいのシンカーを見て呼称に戸惑う。
「シンカーで良いよー。無理なら、シンカーちゃんでも良いかなー」
「うん!シンカーちゃん!」
「うんうん。よろしくねー」
「エイラちゃん、私もよろしくお願いします。ヘルンです」
落ち着いた雰囲気のヘルンを見て、エイラは素直に敬語を使った。
「はい!よろしくお願いします!ヘルンさん!」
「エイラちゃん、僕だけ仲間はずれは嫌だなぁ。このキーラとも仲良くしておくれよ?」
「うん!キーラちゃん!」
「うぐぅ……。シンカーよりも年上なのに……」
「え?ちっちゃいから年下だと思ったけど……」
「ぐふぅ……っ。まぁいいさ。年下……。年下かぁ…………」
「はぁ……。お遊びもそこまでにして、話をしようか?」
「えぇ、そうね。エイルくん、君が私達に聞きたい事はなんだい?」
ロゼッタが話の本題に入ろうとした時だった。アジトの外で爆発音がした。
「ッ……!何だ⁉︎」
「魔族よ!エイルくん!君は戦えるんだろう⁉︎なら行くよ!エイラちゃんはこの中にいるんだ!」
「えっ⁉︎はい!」
「さあ皆!行くよ!」
エイラを除いた五人は、アジトを飛び出した。
そこで目にしたものは、悲惨なものだった。
「こ、これは……ッ!」
「ひどいわね。この様子だと、軍は全滅ね」
「なっ!全滅⁉︎」
「えぇ。グリセルだは……残念だったね。私達と共に来れば救われたかもしれないのに」
「そんな事より、今は魔族を追い返すぞ!」
「えぇ。そうね……」
エイルと魔族のセカンドコンタクトは、最悪の状況になる予感を孕んでいた。
三人に連れられて、エイルとエイラは歩き出した。
「……なあ」
「なんだい?」
「聞きたいことがあるんだが」
「それは後にしてくれないか?ここだと、軍の連中が見てる」
「……あぁ」
「ところで、君らの目的は……。復讐と言ったかい?」
「…………話す必要はあるのか?」
「是非とも聞かせてほしい。それが、私らの原動力にもなるからね」
「どういう事だ?」
「私達は皆、フローリアに恨みを持っているんだ。同士の思いは、仲間の士気を高めるんだ」
「……まだ仲間になった覚えはないが」
「いずれ仲間になるんだろう?実際、君は私達の仲間になる他ないんだ。
さ、着いたよ。中に入るといい」
「……あぁ」
いつの間にか、六人はアジトに着いていた。中に入ると、簡素なベッドが三つと、必要最低限の物があるだけだった。
「何にもないけど、入った入ったー!」
「お、押すなって!入るから!」
「エイルお兄ちゃん、待ってよー!」
「エイラちゃんも、早く入ろっか?」
「あ……えっと……」
「シンカーだよー」
「シンカー……さん?」
エイラは、明らかに同い年くらいのシンカーを見て呼称に戸惑う。
「シンカーで良いよー。無理なら、シンカーちゃんでも良いかなー」
「うん!シンカーちゃん!」
「うんうん。よろしくねー」
「エイラちゃん、私もよろしくお願いします。ヘルンです」
落ち着いた雰囲気のヘルンを見て、エイラは素直に敬語を使った。
「はい!よろしくお願いします!ヘルンさん!」
「エイラちゃん、僕だけ仲間はずれは嫌だなぁ。このキーラとも仲良くしておくれよ?」
「うん!キーラちゃん!」
「うぐぅ……。シンカーよりも年上なのに……」
「え?ちっちゃいから年下だと思ったけど……」
「ぐふぅ……っ。まぁいいさ。年下……。年下かぁ…………」
「はぁ……。お遊びもそこまでにして、話をしようか?」
「えぇ、そうね。エイルくん、君が私達に聞きたい事はなんだい?」
ロゼッタが話の本題に入ろうとした時だった。アジトの外で爆発音がした。
「ッ……!何だ⁉︎」
「魔族よ!エイルくん!君は戦えるんだろう⁉︎なら行くよ!エイラちゃんはこの中にいるんだ!」
「えっ⁉︎はい!」
「さあ皆!行くよ!」
エイラを除いた五人は、アジトを飛び出した。
そこで目にしたものは、悲惨なものだった。
「こ、これは……ッ!」
「ひどいわね。この様子だと、軍は全滅ね」
「なっ!全滅⁉︎」
「えぇ。グリセルだは……残念だったね。私達と共に来れば救われたかもしれないのに」
「そんな事より、今は魔族を追い返すぞ!」
「えぇ。そうね……」
エイルと魔族のセカンドコンタクトは、最悪の状況になる予感を孕んでいた。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
魅了の対価
しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。
彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。
ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。
アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。
淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。
【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない
朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。
レイブン領の面倒姫
庭にハニワ
ファンタジー
兄の学院卒業にかこつけて、初めて王都に行きました。
初対面の人に、いきなり婚約破棄されました。
私はまだ婚約などしていないのですが、ね。
あなた方、いったい何なんですか?
初投稿です。
ヨロシクお願い致します~。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌
招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」
毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。
彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。
そして…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる