コミュ障OLとお茶挽きホスト

マッチングアプリでの出会い 6

　ドキッとしました。

やっぱり口が上手いです。

その手には乗りません・・・でもちょっと嬉しいかも。

『愛香ちゃんて彼氏とかいないの？』

『いないです。職場とかでも出会いがなくて・・・。だからマッチングアプリに登録しました』

『えー、マジで？　可愛いのにー』

　かっ可愛いとかっ。

これはきっとホストの手段です、常套文句です。

誰にでも言ってるんです。

そうに違いありません。

『可愛いなんて言われたことないです』

『え、本当可愛いよ。素な感じで。変に今時じゃないとことか』

　それは、今時のお化粧や服装が似合わないからで・・・。

『彼氏募集中だったりする？』

　何て返信しようか迷っていると思いもかけない質問がきました。

『一応募集中です』

『本当？　じゃあ俺立候補しようかな』

　・・・!!!!

　頭の中が真っ白になってしまいました。

反対に顔からは火が噴きそうです。

もー、さっきから言われ慣れないことのオンパレードで、喜びたいけど素直に喜べなくて、でも気持ちが浮き立ってそわそわしてしまって・・・。

完全にホストの術中にはまってます。

それにしても、軽いっ。

軽すぎますっ。

やっぱりホスト＝チャラ男(死語？)なんでしょうか。

ここで「嬉しいです」とか返信したらダメです。

絶対ダメ・・・。

『嬉しいです』

　返信しちゃったー!!

　何をやってるんでしょう、私。

『俺も嬉しい。ね、今すぐじゃなくてもいいからさ、愛香ちゃんが会ってもいいって思ったタイミングで会お？　俺めっちゃ愛香ちゃんに会いたい』

『はい。もう少し後でも大丈夫ですか？』

『全然大丈夫。じゃあそれまではお互いのこと知るためにいろいろ質問し合おうか』

『そうですね』

　それから、趣味の話や私の仕事の話など、いろんなことを話しました。

お互い映画観賞が趣味で、好きな映画が一緒だったり興味の方向や価値観が一緒だったり。

ただ単に純さんが私に話を合わせてくださっただけかもしれませんが、自分でも驚くくらい会話が途切れずやりとりがスムーズに進んだんです。