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入店4回目 1 ~痛客~
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純さんに美容院に連れて行っていただいて大幅なイメチェンをしてからというもの、私は俄然自分磨きを始めました。
せっかく変えていただいた髪型をキープするためにスタイリングの雑誌を買い、ヘアアイロンを買い、髪型に合わせたコーディネートを研究するためにファッション雑誌を買い、メイクを学ぶためにメイク動画を見てコスメを買い・・・。
これまでの人生で一切関わって来なかった分野に一気に手を伸ばし始めました。
だからといってすぐに何もかもうまくできるようになるわけではありませんでしたが、幸子さんの助言などもあり、徐々にセンスも磨かれてきたのではないかと思います。
私にとってブルダはとってもキラキラした場所で・・・そこにいらっしゃる純さんたちもとっても輝いていて・・・だから、そのキラキラした場所とキラキラした人たちにふさわしい自分になりたいと心底思いました。
何かのきっかけで、誰かに出会うことでこんなにも自分が変われるんですから本当に不思議なものです。
※ ※ ※
四度目にブルダに行ったのは、もう真夏の暑い盛りでした。
夜の七時になってもまだ日は落ちなくて、新宿の街の中には昼間の熱気がしつこく残ったままです。
土曜日の人通りは当然のように多く、私は雑踏の中を縫うように純さんとの待ち合わせに使ういつものカフェに向かいました。
今までは一人で新宿の街を歩くのは少し怖かったのですが、髪型も服装も変わると何だか自分がこの街にふさわしい人間になったような気がするのですから不思議なものです。
いつも通りオープンと同時にお店へ。
通されたのも同じ席です。
「こんばんは。琳人です」
今日最初にヘルプについてくださったのは初めてお会いする方です。
琳人さんと自己紹介されたその方は、おそらく私と同い年くらい。
なのに、童顔でいらっしゃるせいか年下に見えます。
おまけに可愛いんです。
これはいわゆる“弟キャラ”というやつではないでしょうか。
「こんばんは。愛香です」
「愛香ちゃんかー。可愛いね」
可愛い男性に可愛いと言われてしまいました。
無邪気な笑顔でにこにこと言われると、純さん一筋の私でも思わずハートを撃ち抜かれそうになります。
「そのワンピースもおしゃれ。ね、そう思いません、純さん」
「うん。似合ってるよね」
「あ、ありがとうございます」
今日着てきたのは自分で選んだ紺色の膝丈Aラインワンピースです。
色合い的にパーティドレスっぽくも見えるかもしれません。
半分はお世辞かもしれませんが、自分のセンスを認めていただけた気になってちょっと自信がつきます。
その日はオープン直後から満卓になり、お店の中は活気が溢れてとてもにぎやかでした。
少し大きな声で話さなければお互いの声が聞こえないほどです。
それでも、純さんはお隣にいてくださいますし、琳人さんはお話上手というか相手を乗せるのが上手で、会話も弾みました。
今日はいつも以上に楽しく過ごせそうだなと思っていた矢先・・・。
「ねぇ、ちょっと」
お隣の席からそんな声が聞こえたのに気づきました。
お隣に座ってらしたのは二十代後半くらいの女性だったのですが、その方が通りかかった黒服さんを呼び止められたのです。
せっかく変えていただいた髪型をキープするためにスタイリングの雑誌を買い、ヘアアイロンを買い、髪型に合わせたコーディネートを研究するためにファッション雑誌を買い、メイクを学ぶためにメイク動画を見てコスメを買い・・・。
これまでの人生で一切関わって来なかった分野に一気に手を伸ばし始めました。
だからといってすぐに何もかもうまくできるようになるわけではありませんでしたが、幸子さんの助言などもあり、徐々にセンスも磨かれてきたのではないかと思います。
私にとってブルダはとってもキラキラした場所で・・・そこにいらっしゃる純さんたちもとっても輝いていて・・・だから、そのキラキラした場所とキラキラした人たちにふさわしい自分になりたいと心底思いました。
何かのきっかけで、誰かに出会うことでこんなにも自分が変われるんですから本当に不思議なものです。
※ ※ ※
四度目にブルダに行ったのは、もう真夏の暑い盛りでした。
夜の七時になってもまだ日は落ちなくて、新宿の街の中には昼間の熱気がしつこく残ったままです。
土曜日の人通りは当然のように多く、私は雑踏の中を縫うように純さんとの待ち合わせに使ういつものカフェに向かいました。
今までは一人で新宿の街を歩くのは少し怖かったのですが、髪型も服装も変わると何だか自分がこの街にふさわしい人間になったような気がするのですから不思議なものです。
いつも通りオープンと同時にお店へ。
通されたのも同じ席です。
「こんばんは。琳人です」
今日最初にヘルプについてくださったのは初めてお会いする方です。
琳人さんと自己紹介されたその方は、おそらく私と同い年くらい。
なのに、童顔でいらっしゃるせいか年下に見えます。
おまけに可愛いんです。
これはいわゆる“弟キャラ”というやつではないでしょうか。
「こんばんは。愛香です」
「愛香ちゃんかー。可愛いね」
可愛い男性に可愛いと言われてしまいました。
無邪気な笑顔でにこにこと言われると、純さん一筋の私でも思わずハートを撃ち抜かれそうになります。
「そのワンピースもおしゃれ。ね、そう思いません、純さん」
「うん。似合ってるよね」
「あ、ありがとうございます」
今日着てきたのは自分で選んだ紺色の膝丈Aラインワンピースです。
色合い的にパーティドレスっぽくも見えるかもしれません。
半分はお世辞かもしれませんが、自分のセンスを認めていただけた気になってちょっと自信がつきます。
その日はオープン直後から満卓になり、お店の中は活気が溢れてとてもにぎやかでした。
少し大きな声で話さなければお互いの声が聞こえないほどです。
それでも、純さんはお隣にいてくださいますし、琳人さんはお話上手というか相手を乗せるのが上手で、会話も弾みました。
今日はいつも以上に楽しく過ごせそうだなと思っていた矢先・・・。
「ねぇ、ちょっと」
お隣の席からそんな声が聞こえたのに気づきました。
お隣に座ってらしたのは二十代後半くらいの女性だったのですが、その方が通りかかった黒服さんを呼び止められたのです。
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