51 / 57
第22杯 ③
しおりを挟む
フリーマーケットのお客様が狙い通り、こっちにも流れて来た。
カップルや、友人同士、そしてファミリーだったりで、客層はさまざまだった。
あたしはカウンターでコーヒー豆を炒っては、ミルで豆を挽く。その度に学食内にコーヒー豆の香ばしい薫りが、漂っていた。
「コーヒーのいい薫りがして、いいわね~」
「ここでこんなに本格的なコーヒーが飲めるとは思ってなかったわ」
お客様がそう友人の方に言うのが聞こえてくると、あたしの顔は自然とほころぶのだった。
他のお客様もとても喜んでいる様子が、ここからでも手に取るようにわかった。
特に若い女性には、はちみつの入りのアイスブラックコーヒーの受けがよく、他のお客様の評判が耳に入ったのか、それを聞いて同じものを、と注文される方が多かった。
暑苦しい外から来たお客様は大抵喉が渇いているようで、だいたいがアイスを好まれる。
中でも、男性に受けがよかったのは、コーヒースカッシュだ。
良く冷えた炭酸と喉ごし、それがとてもよかったのか、ものすごく好評だった。
年配の方はその逆でやはり、ホットを好まれる方が多く、コーヒーそのものを味わいたい方が多く、コーヒーの純粋な味を好まれる。
それを懐かしんで飲んでいるの姿が、よく見られた。
陽が沈む頃、ようやくお客様の足も途絶える。
あたしは作業に追われて、真面な休憩を取っていない事に気が付く。そして、腕を上に伸ばし、う~んと背伸びをするのだった。
一日中コーヒーの豆を炒ったり、挽いたりしていたから、その慣れない作業で身体がガチガチになっているのが自分でもわかった。伸びをして、酷使した身体を少しの間、緊張から解放する。
「ふぅ――――――」
あたしがリラックスした瞬間だった、突然藤井くんが姿を現したのは。その姿に、藤井くんが少し笑っている様にも見える。
「大きなため息だね」
「あれ、藤井くん――――――それに洋輔も」
満面の笑顔のあたしが藤井くんの名前を言った後に、いつもの表情に戻った瞬間、洋輔も彼の後ろから顔を見せた。
「なんだよその態度は、慎一とはずいぶん違うくね?」
「たまたまで被害妄想よ。あたしは誰にでも同じだから」
「なら、いいけどな」
少し不服そうな感じだったが、洋輔の事はスルーして、あたしは話を続ける。
「あれ、でもふたり共どうしたの?」
「ちょっと、覗きに来ただけだよ。特に用事があるわけじゃないんだけどね」
「そっか……あっ今日はふたり共ありがとう」
あたしはちゃんとお礼を言っていなかったから、改めてふたりに軽くお辞儀をした。特に洋輔は、こっちに来ないで帰ったから、あたしの感謝の言葉を今初めて聞く事になったはず。
「じゃあ、トウコ、今って客少ないから、俺らにもコーヒーふる舞ってくれよ、それでチャラにしてやるよ」
洋輔は相変わらず、あたしへの態度が一貫してて、ある意味でのハイクォリティー。
「あんたって、ホントに現金」
「まぁな。トウコがどれだけスキルをあれから磨いたか、興味あるしな」
「それじゃ、感謝のしるしにコーヒー淹れるから、空いてる席に座って、ふたり共」
ふたりはあたしの作業が見える、近くのテーブルに腰掛けるのだった。
カップルや、友人同士、そしてファミリーだったりで、客層はさまざまだった。
あたしはカウンターでコーヒー豆を炒っては、ミルで豆を挽く。その度に学食内にコーヒー豆の香ばしい薫りが、漂っていた。
「コーヒーのいい薫りがして、いいわね~」
「ここでこんなに本格的なコーヒーが飲めるとは思ってなかったわ」
お客様がそう友人の方に言うのが聞こえてくると、あたしの顔は自然とほころぶのだった。
他のお客様もとても喜んでいる様子が、ここからでも手に取るようにわかった。
特に若い女性には、はちみつの入りのアイスブラックコーヒーの受けがよく、他のお客様の評判が耳に入ったのか、それを聞いて同じものを、と注文される方が多かった。
暑苦しい外から来たお客様は大抵喉が渇いているようで、だいたいがアイスを好まれる。
中でも、男性に受けがよかったのは、コーヒースカッシュだ。
良く冷えた炭酸と喉ごし、それがとてもよかったのか、ものすごく好評だった。
年配の方はその逆でやはり、ホットを好まれる方が多く、コーヒーそのものを味わいたい方が多く、コーヒーの純粋な味を好まれる。
それを懐かしんで飲んでいるの姿が、よく見られた。
陽が沈む頃、ようやくお客様の足も途絶える。
あたしは作業に追われて、真面な休憩を取っていない事に気が付く。そして、腕を上に伸ばし、う~んと背伸びをするのだった。
一日中コーヒーの豆を炒ったり、挽いたりしていたから、その慣れない作業で身体がガチガチになっているのが自分でもわかった。伸びをして、酷使した身体を少しの間、緊張から解放する。
「ふぅ――――――」
あたしがリラックスした瞬間だった、突然藤井くんが姿を現したのは。その姿に、藤井くんが少し笑っている様にも見える。
「大きなため息だね」
「あれ、藤井くん――――――それに洋輔も」
満面の笑顔のあたしが藤井くんの名前を言った後に、いつもの表情に戻った瞬間、洋輔も彼の後ろから顔を見せた。
「なんだよその態度は、慎一とはずいぶん違うくね?」
「たまたまで被害妄想よ。あたしは誰にでも同じだから」
「なら、いいけどな」
少し不服そうな感じだったが、洋輔の事はスルーして、あたしは話を続ける。
「あれ、でもふたり共どうしたの?」
「ちょっと、覗きに来ただけだよ。特に用事があるわけじゃないんだけどね」
「そっか……あっ今日はふたり共ありがとう」
あたしはちゃんとお礼を言っていなかったから、改めてふたりに軽くお辞儀をした。特に洋輔は、こっちに来ないで帰ったから、あたしの感謝の言葉を今初めて聞く事になったはず。
「じゃあ、トウコ、今って客少ないから、俺らにもコーヒーふる舞ってくれよ、それでチャラにしてやるよ」
洋輔は相変わらず、あたしへの態度が一貫してて、ある意味でのハイクォリティー。
「あんたって、ホントに現金」
「まぁな。トウコがどれだけスキルをあれから磨いたか、興味あるしな」
「それじゃ、感謝のしるしにコーヒー淹れるから、空いてる席に座って、ふたり共」
ふたりはあたしの作業が見える、近くのテーブルに腰掛けるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
俺が宝くじで10億円当選してから、幼馴染の様子がおかしい
沢尻夏芽
恋愛
自他共に認める陰キャ・真城健康(まき・けんこう)は、高校入学前に宝くじで10億円を当てた。
それを知る、陽キャ幼馴染の白駒綾菜(しらこま・あやな)はどうも最近……。
『様子がおかしい』
※誤字脱字、設定上のミス等があれば、ぜひ教えてください。
現時点で1話に繋がる話は全て書き切っています。
他サイトでも掲載中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる