現代の意識

山凪慧夢

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第五話 意識の意味

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慧武えむは”普通”の日常を過ごしていた。未夢みゆと付き合う前と同じく、学校に行き、学校では友人と話し、帰路の途中までその友人と帰る。ただ、違うことがあるとすれば、帰路の途中で未夢と会って一緒に帰る...という行為が増えただけだった。なのに慧武は毎日が楽しいのだ。


 未夢は放課後、もっと早くこの気持ちを慧武君に伝えられてたら、今頃どうなっていたんだろう?という疑問を無意識のうちに口に出してしまっていたらしく、「街でキス...するくらいにはなってたんじゃない?」と未夢の友人が言う。「ふぇ...?あれ、口に出ちゃってた?」そう未夢がくと「思いっきり声に出てたよ。それで、その慧武君?とはどのくらいまでいったの?」とその友人が質問を返すと、「私も知りたい!」と他のクラスの女子たちからも質問されてしまう。「えっと...。頬に...キスした...。それとぎゅーってされたよ...。」と未夢は顔を赤らめながら答えると、「そんなんで顔を赤らめてたら、この先、持たないよ...色々な意味で...。」と返された。「え...?それはどういうこと...。」そう言い切る前にその友人は「それは...。慧武君と深め合って...。」と言う。もう一人の友人が「ちょ...。これ以上は学校ではなすことじゃないよ!?」と仲裁に入ると、「じゃ、後でRIMEライムで教えてやるからね。」と言い「帰ろうぜ!」と言って女子たちは帰っていった。
 未夢は内心嵐のような人だったと思いつつ、「私も早く帰る支度をしなくちゃ!」とまたも口にしてしまっていたようで、「そうだねー、なんてったって今の未夢は彼氏がいるもんね。」と友人は言う。「彼氏...。」とささやくように言ったら未夢は顔を赤らめてしまう。「何?この可愛い生きもの!?...まぁまた明日ね。」と彼女のクラスメイトは言って教室を出て行った。未夢はもー、熱くなってきちゃったよ。と思いつつ教室を出て帰路に就くのであった。
 未夢は「待った?」と言って慧武の待つところへ走っていた。慧武は「待ってないよ。」といって、応えた。
「今日、なにかあった?」と歩きながら慧武が訊く。すると未夢が「えーとね...。質問攻めされた...。」と言い、「あー、どうせ未夢のことだからうっかり口を滑らせたんでしょ...。」って言うと「なんで...。解ったの?」と未夢が訊く。「だって、綾那あやなはそもそも未夢とは学校が違うし...。で色々と考えた結果、自分で言った...しか俺と未夢の関係性ってバレようがないんだよ。」と未夢の質問に答える慧武であった。「す、すごい...。好き...。」という未夢。「惚れた?」とからかう慧武。「もう...惚れちゃってるんだからこれ以上ないもん...。」と顔を真っ赤にして答える未夢。「そう言えば、灯鴉とうあ君と綾那は結局どうなったんだっけ?」と訊く未夢。「え...。あ...。友達としてやっていくみたいだぜ。あいつ灯鴉も素直になればいいのに...。」
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