元世界最強の人間と行く地獄のワールドツアー

全ての結末

始まる世界〜ルークの秘密〜 〜後編〜

これは、『エモンVSアーティ』までのネタバレを含みます。



　そこまでの内容を読んでくるもしくは、ネタバレOKという人以外は、『エモンVSアーティ』までの話から読んでくることをお勧めします。



　それでは、『始まる世界～ルークの真実～　～中編～』のお話の始まりです。




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「あれはバルファとの戦いの時だった。僕の父親である、エモン・ヴァン・ヴィクトリアが生きていると連絡があったのは･･････」
「エモン・ヴァン・ヴィクトリア」
「名くらいは、聞いたことはあるだろう。エモン・ヴァン・ヴィクトリアは私の父親だ。さらに、世界から見てもかなりやばい力を保有している人間だ」
「ああ。世界大戦のきっかけになったと聞いている。一度だけではなく、二度も起こしたとね」

　シャークの情報によれば、ヴィクトリア家の起こした戦争は計2回ある。

　1回目の戦争では犠牲者や、巻き込まれたという人が7割以上の世界大戦だったといわれている。またこの戦争でヴィクトリア家の敗北が決まり、それについてきていた国は、ほぼ全て、植民地的な状態となった。その結果、ヴィクトリア家の信頼は地に落ちたといわれている。

　その反面、ラミールフェール家は、伝説と呼ばれた、ヴィクトリア家を打ち破ることに成功した大国と、世界にアピールした。それが、ラミールフェール家だ。

　だがその天下はそう長くはなかった。エモン・ヴァン・ヴィクトリアが、戦後からすぐに戦争の準備をしていたと聞く。

　それを半信半疑で信じなかったのは、ラミールフェール家だ。ラミールフェール家は一枚岩ではなかったと聞く。その結果が招いたのは、戦後最悪の戦争。

『最後の戦争』

　と言われている。この世界大戦は、歴史上最悪の戦争と聞く。しかも、内容がないようなので、ほとんどの戦争参加者は、その戦争について語らない。だから真に真実を知る者はいないとまで言われている。

「よく知ってるね。まあ、あの時の私は、とても弱かった。バルファ・アルファライドを追い詰めて殺すことができたとしても、世界の真相を知らなかった。だから、父親…いや、エモンが目の前に来た。そして、エモンは……目的のためにルークを殺した。あの時の私は理解できなかったな…」
「ルークを、守らなかったのか」
「守ろうとはしたさ……。でも、あの時の私とエモンでは、天と地の程の差があった。簡単に言えば、普通の人間が、神様にでもけんかを売ったところで、相手にしてもらえないだろ。それと同じだったのさ」

　アーティは少し寂しい表情を、浮かべている。

「あの時、ルークを殺した、エモンが憎い。エモンを殺したい。そんな感情になったのさ」
「……一つ聞くがいいか」
「うん？ああ。いいぞ。なんだ」
「エモンはなぜ、ルークを殺した」
「ああ。それはね、ルークには×××を持っていて、さらに厄介なことに××××の×を持っていたことが理由らしい」
「×××だと。それに××××の×っていうのはいったい」
「初めて聞くかい？意外と知られていない古代魔法の一つだからね。まさか、ヴィクトリア家の裏方を、アルファライド家が率いていたとは思わなかったよ。まあ、ルークがこっちにいたことが運がよかったと考えるべきかな」

　アーティは、ゆっくりと立ち上がった。そして窓側の方に、ゆっくりと歩いていき外を眺め始める。

「ルークの秘密も知ることができたし、ではなぜ第2次世界大戦が始まったのかの話をしようか」

　これはただの世界大戦ではない。最悪の世界大戦の話だ。