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松川航の劣情
浩介との出勤
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そんな日々を過ごす中、久しぶりに出勤が浩介と重なった。
電車に乗り込む際に、後ろから声をかけられる。
「航さん! おはようございます。お久しぶりですねぇ」
「あ、あぁ、おはようございます。今日はこの時間なんですね。」
「そうなんです、今日は早くって……」
少し眠そうに浩介が答えた。
「何にも見ないで出てきちゃいましたよ。えっと、今日の気温は……」
スマートフォンを取り出して気温を確認する浩介。特に気にもしていなかったが、ふと、スマートフォンが新品のように綺麗な気がしたので聞いてみた。
「もしかしてスマホ、変えました?」
「おお、よく気が付きましたね! 実は変えたんですよ。前のももう5年くらい使ってて、電池持ちが悪くって。」
「5年ですか。結構長いですね。」
「そうなんですよ。まぁでも、まだまだ使えそうではあったんで迷ってたんですがね。」
「最近のスマートフォンって高いですよね。」
「いやほんとに。連絡するだけならもっと安くても良かったんでしょうけど、やっぱりこのメーカーのが使い慣れてて……」
そう言って持っているスマートフォンを指す。新品のカバーが付いているそのスマホには、ストラップのようなものは何も付いていなかった。
前のスマホには梨奈さんとお揃いのパワーストーンのキーホルダーが付いていたような気がしたが……
(まさか、俺たちの関係に勘づいて、不仲になって外した、とか?)
梨奈さんに関係する話題を出すとボロが出そうで怖かったが、それとなく聞いてみることにした。
「前のスマホに付けてたストラップは、外しちゃったんですか?」
「あぁ、あれね。結構古いヤツだったから、どこかで外れちゃったみたいで。無くしちゃったんですよ。あれ、紐のところは好きな糸でミサンガみたいに編んでくれるやつでね、同じやつは無いから梨奈がちょっと拗ねたりしたんですけど。そのうち新しいの買おうって諭したりしたんですよ。」
「あぁ、そうだったんですね。仲が良さそうで羨ましいです。」
「ははは、惚気けるつもりはなかったんですがね。」
どうやら関係はバレていなさそうだった。むしろ仲が良さそうで驚く。
(梨奈さんは興味を持って貰えないと言っていたみたいだが、結局旦那にかまって欲しいってことかな。)
正直言って梨奈さんの見た目は好きだが、身体の付き合いだけで、精神的に深くは想っていない。だからこそ、梨奈さんとのこんな関係を続けている。
梨奈さんが旦那と不仲で、こちらとの関係が本気になってしまうと、少し面倒だ。
なるべく音沙汰なく、都合の良い関係を続けていきたいと、身勝手ながら考えている。
「でも、そんなふうに編んでくれるところがあるんですね。」
「そうなんですよ。俺は紫と黒と金の糸にしてもらって、梨奈は赤とピンクと金、だったかな、色選べて」
「へぇ……」
「値段もそんなに高くなくて……」
こうして会社の最寄り駅まで当たり障りのない会話を続けた。
電車に乗り込む際に、後ろから声をかけられる。
「航さん! おはようございます。お久しぶりですねぇ」
「あ、あぁ、おはようございます。今日はこの時間なんですね。」
「そうなんです、今日は早くって……」
少し眠そうに浩介が答えた。
「何にも見ないで出てきちゃいましたよ。えっと、今日の気温は……」
スマートフォンを取り出して気温を確認する浩介。特に気にもしていなかったが、ふと、スマートフォンが新品のように綺麗な気がしたので聞いてみた。
「もしかしてスマホ、変えました?」
「おお、よく気が付きましたね! 実は変えたんですよ。前のももう5年くらい使ってて、電池持ちが悪くって。」
「5年ですか。結構長いですね。」
「そうなんですよ。まぁでも、まだまだ使えそうではあったんで迷ってたんですがね。」
「最近のスマートフォンって高いですよね。」
「いやほんとに。連絡するだけならもっと安くても良かったんでしょうけど、やっぱりこのメーカーのが使い慣れてて……」
そう言って持っているスマートフォンを指す。新品のカバーが付いているそのスマホには、ストラップのようなものは何も付いていなかった。
前のスマホには梨奈さんとお揃いのパワーストーンのキーホルダーが付いていたような気がしたが……
(まさか、俺たちの関係に勘づいて、不仲になって外した、とか?)
梨奈さんに関係する話題を出すとボロが出そうで怖かったが、それとなく聞いてみることにした。
「前のスマホに付けてたストラップは、外しちゃったんですか?」
「あぁ、あれね。結構古いヤツだったから、どこかで外れちゃったみたいで。無くしちゃったんですよ。あれ、紐のところは好きな糸でミサンガみたいに編んでくれるやつでね、同じやつは無いから梨奈がちょっと拗ねたりしたんですけど。そのうち新しいの買おうって諭したりしたんですよ。」
「あぁ、そうだったんですね。仲が良さそうで羨ましいです。」
「ははは、惚気けるつもりはなかったんですがね。」
どうやら関係はバレていなさそうだった。むしろ仲が良さそうで驚く。
(梨奈さんは興味を持って貰えないと言っていたみたいだが、結局旦那にかまって欲しいってことかな。)
正直言って梨奈さんの見た目は好きだが、身体の付き合いだけで、精神的に深くは想っていない。だからこそ、梨奈さんとのこんな関係を続けている。
梨奈さんが旦那と不仲で、こちらとの関係が本気になってしまうと、少し面倒だ。
なるべく音沙汰なく、都合の良い関係を続けていきたいと、身勝手ながら考えている。
「でも、そんなふうに編んでくれるところがあるんですね。」
「そうなんですよ。俺は紫と黒と金の糸にしてもらって、梨奈は赤とピンクと金、だったかな、色選べて」
「へぇ……」
「値段もそんなに高くなくて……」
こうして会社の最寄り駅まで当たり障りのない会話を続けた。
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