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松川紗希の混沌
試す本心
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浩介さんが航と梨奈さんの不倫の動画を見せてきた日から、1ヶ月半が経とうとしていた。あれから浩介さんは訪れてきていない。私はというと、一人になった休日はどうしてもあの動画を見て自慰をしてしまう日々が続いていた。あのショッキングな映像でなければ、脳が刺激を感じ無くなっているような気がして少し怖くはあるが、辞めることが出来なかった。自慰が終わったあとは決まって自分や航に対しての嫌悪感が襲ってきて、最低の気分になる。日々、航の前で平静を装うのがやっとだった。
そんな時、また航が望田家に飲みに行くとの話になった。浩介さんから誘われたそうだ。梨奈さんと航のことがあるのに、なぜ…?もしかして、梨奈さんが不在、とか…?
不思議でしょうがなかったが、引き留めるのも不自然だったので、航が飲み会に行くことを了承した。
「じゃあ、行ってくるね」
仕事から帰ってきた航は一度シャワーを浴び、いつも家を出るときと変わらない様子で玄関を出ていった。ここ最近何度も見ているあの映像が頭をよぎる。そんなまさか、一時の気の迷いに違いないと思う反面、またあの情事を重ねてしまうのではないかという疑念、それと裏腹の小さな期待が、胸の中に巻き起こっていた。
航が望田さん宅に行ってから3時間ほどしたころだろうか。突然、家のチャイムが鳴った。時刻は午後10時過ぎ。こんな時間に何だろう。航が鍵でも忘れたのだろうか。そうでなければ一体…。
一抹の恐怖を感じながらインターフォンのモニターを確認すると、そこには浩介さんがいた。
航を飲みに誘ったはずの人が、航が帰ってくる前にインターフォンを押しているという状況が理解できず、
「こんばんは、望田です。今、大丈夫ですか?」
「え……っと、航と……飲んでるはず、ですよね……?」
「はい、先ほどまで飲んでました。詳しいことは、中でお話させてください。」
「わ、かりました……今開けます……」
戸惑いながらも、浩介さんを家に上げた。先日と同じように
「すみません、突然。」
「いえ……、少し驚きましたけど。」
「そうですよね、こんな時間じゃ。」
「それもそうですけど…飲み会は、どうなったんですか。」
「ああ、そのことなんですが。今回誘った理由なんですが、本当に二人が二回目の過ちを犯さないか、興味がありましてね。……紗希さんも、興味あるでしょう?」
浩介さんは、先日と同じように、ノートパソコンを用意しながら、私に問いかけてきた。
二人が再び、過ちを犯す……それは、知ってしまった蜜の味を、もう一度欲してしまうということ。知らないから知りたいのではなく、知った上で更に求めようというのは、本人たちがどれだけその行為に積極的なのかということを伺い知ることができる。浩介さんに言われた通り、夫の本心を覗き見る絶好の機会だと思ってしまった。
「酔ったふりをして、抜け出してきました。私と航くんが飲んでいる間、梨奈は別室にいましたが、私が酔ったのを察して出てきて、私を寝室に誘導しました。私は、寝室で寝ていることになっています。そして、現在です。」
状況を説明しながら準備をしたノートパソコンの画面をくるりとこちらに向ける。その画面には、ちょうど膝枕のような体勢になろうとしている航と梨奈さんが映し出されていた。
そんな時、また航が望田家に飲みに行くとの話になった。浩介さんから誘われたそうだ。梨奈さんと航のことがあるのに、なぜ…?もしかして、梨奈さんが不在、とか…?
不思議でしょうがなかったが、引き留めるのも不自然だったので、航が飲み会に行くことを了承した。
「じゃあ、行ってくるね」
仕事から帰ってきた航は一度シャワーを浴び、いつも家を出るときと変わらない様子で玄関を出ていった。ここ最近何度も見ているあの映像が頭をよぎる。そんなまさか、一時の気の迷いに違いないと思う反面、またあの情事を重ねてしまうのではないかという疑念、それと裏腹の小さな期待が、胸の中に巻き起こっていた。
航が望田さん宅に行ってから3時間ほどしたころだろうか。突然、家のチャイムが鳴った。時刻は午後10時過ぎ。こんな時間に何だろう。航が鍵でも忘れたのだろうか。そうでなければ一体…。
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航を飲みに誘ったはずの人が、航が帰ってくる前にインターフォンを押しているという状況が理解できず、
「こんばんは、望田です。今、大丈夫ですか?」
「え……っと、航と……飲んでるはず、ですよね……?」
「はい、先ほどまで飲んでました。詳しいことは、中でお話させてください。」
「わ、かりました……今開けます……」
戸惑いながらも、浩介さんを家に上げた。先日と同じように
「すみません、突然。」
「いえ……、少し驚きましたけど。」
「そうですよね、こんな時間じゃ。」
「それもそうですけど…飲み会は、どうなったんですか。」
「ああ、そのことなんですが。今回誘った理由なんですが、本当に二人が二回目の過ちを犯さないか、興味がありましてね。……紗希さんも、興味あるでしょう?」
浩介さんは、先日と同じように、ノートパソコンを用意しながら、私に問いかけてきた。
二人が再び、過ちを犯す……それは、知ってしまった蜜の味を、もう一度欲してしまうということ。知らないから知りたいのではなく、知った上で更に求めようというのは、本人たちがどれだけその行為に積極的なのかということを伺い知ることができる。浩介さんに言われた通り、夫の本心を覗き見る絶好の機会だと思ってしまった。
「酔ったふりをして、抜け出してきました。私と航くんが飲んでいる間、梨奈は別室にいましたが、私が酔ったのを察して出てきて、私を寝室に誘導しました。私は、寝室で寝ていることになっています。そして、現在です。」
状況を説明しながら準備をしたノートパソコンの画面をくるりとこちらに向ける。その画面には、ちょうど膝枕のような体勢になろうとしている航と梨奈さんが映し出されていた。
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