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松川紗希の混沌
心の変化とこれからの人生
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そんな日々の中、浩介さんに抱かれてもどこか満たされない心に気付き始めていた。この関係性には、未来がない。浩介さんと一緒に過ごす中で、別に梨奈さんと別れたいような気持ちはなさそうだと感じていた。私は女であるがゆえに、出産をしたいと思うと、この後の2、3年の人生設計を考えざるを得なくなってしまう。
このまま、浩介さんと子供を作ったところで、浩介さんは梨奈さんと別れないだろうし、航と子供に本当の父親を隠して生きていくのは得策ではない。離婚するのも、子供のためではないだろう。道を元に戻すなら、今しかないと思った。
”浩介さん、私たち、しばらく会わないようにしましょう”
”急ですね。どうしました?”
”いろいろ、考えてたんです。航のこと、浩介さんと梨奈さんのこと、そして、子供のこと……。どうするのが一番いいかわからないんですけど、もとの夫婦の形に戻れるのならそれが一番いいのかなって。”
”……なるほど、つまり、航さんとの子供を作るために……?”
”はい。もし子供ができたら、もう二人で会うことは、なくなるかもしれません。”
”わかりました。本来、不貞をしないのが一番ですから。私たちも、梨奈たちもね。”
こうして、私たちはしばらく密会しないことにした。そして、航に子供を作りたいと打ち明ける。
「航、そろそろ子供作りたいな。」
「子供?」
「うん。私達ももう30だし、そろそろ第1子は産んどかないとなって思うの。」
「そうか、まぁ……そうだよな。」
航はもっと渋るかと思っていたが、案外すんなりとこの意見を受け入れてくれた。そうとなれば話は早い。
「それでね、もうすぐ排卵日なの……」
航と身体を合わせるのが久しぶりでどんな風に誘えば違和感がないか考えつつ、少し恥ずかしいが妊娠しやすいことをアピールすることにした。
「じゃあ、今日しよっか。」
「うん……なんか久しぶりで緊張するかも。」
「夫婦なのに緊張って」
「んもう!しょうがないでしょ。裸に自信ないんだから。」
浩介さんとの密会で以前より淫らな体になっていないか、私の裏切りがバレてしまわないか不安に思いながらも、航が私を抱いてくれることに安堵している自分がいた。
その夜から、私たちは可能な限り子作りに励んだ。私たちはまだ、過ちを犯す前に戻れる。そう信じて――――。
子作りを始めて一か月ほど経った頃だろうか。浩介さんから突然メッセージが届いた。それを見た瞬間、航に見られたら大変、とドキッとしたものの、今日は航は仕事に行っているため、その心配がなく安堵した。
”突然すみません。毎日不安じゃないかと思って、すこし良い知らせをお伝えしようと思って連絡しました。航さん、最近梨奈に会ってないみたいですよ。航さんも子供のことを考えてけじめをつけたのかもしれません。”
”そうなんですね。……わざわざ、ありがとうございます。私の勝手で振り回しちゃってるのに。”
”いえ。最初は私の勝手で始まった関係ですから。お互い、より良い関係になれるように祈ってます。”
”はい…ありがとうございます。”
航も、親になるためにいろいろと考えてくれているのかもしれない。正直、航の気持ちが梨奈さんに向いていたとしても、そこに関しては諦めて子供を作ろうと思っていた。しかし、航もこの夫婦関係を大切に想ってくれているのかとこの件で感じることができた。私はやっぱり、航が好きだ。
そうして、子作りを始めて三か月ほど経った頃だろうか。いつも予定通り来ていた月のモノが来ない。薬局で妊娠検査薬を使用したところ、陽性が出た。航にも報告したら、目を潤ませながら喜んでくれた。その後産婦人科を受診し、正式に妊娠しているという診断を受けた。初めての妊娠で不安もあったが、何より航との子供ができたことが嬉しく、健康に育ってくれることを願うばかりだった。
少し気が引けたが、世話になった浩介さんにも妊娠の報告をした。これで、本当に会うことはない。最後には返信不要と付け加え、浩介さんをアプリ内で非表示にした。
このまま、浩介さんと子供を作ったところで、浩介さんは梨奈さんと別れないだろうし、航と子供に本当の父親を隠して生きていくのは得策ではない。離婚するのも、子供のためではないだろう。道を元に戻すなら、今しかないと思った。
”浩介さん、私たち、しばらく会わないようにしましょう”
”急ですね。どうしました?”
”いろいろ、考えてたんです。航のこと、浩介さんと梨奈さんのこと、そして、子供のこと……。どうするのが一番いいかわからないんですけど、もとの夫婦の形に戻れるのならそれが一番いいのかなって。”
”……なるほど、つまり、航さんとの子供を作るために……?”
”はい。もし子供ができたら、もう二人で会うことは、なくなるかもしれません。”
”わかりました。本来、不貞をしないのが一番ですから。私たちも、梨奈たちもね。”
こうして、私たちはしばらく密会しないことにした。そして、航に子供を作りたいと打ち明ける。
「航、そろそろ子供作りたいな。」
「子供?」
「うん。私達ももう30だし、そろそろ第1子は産んどかないとなって思うの。」
「そうか、まぁ……そうだよな。」
航はもっと渋るかと思っていたが、案外すんなりとこの意見を受け入れてくれた。そうとなれば話は早い。
「それでね、もうすぐ排卵日なの……」
航と身体を合わせるのが久しぶりでどんな風に誘えば違和感がないか考えつつ、少し恥ずかしいが妊娠しやすいことをアピールすることにした。
「じゃあ、今日しよっか。」
「うん……なんか久しぶりで緊張するかも。」
「夫婦なのに緊張って」
「んもう!しょうがないでしょ。裸に自信ないんだから。」
浩介さんとの密会で以前より淫らな体になっていないか、私の裏切りがバレてしまわないか不安に思いながらも、航が私を抱いてくれることに安堵している自分がいた。
その夜から、私たちは可能な限り子作りに励んだ。私たちはまだ、過ちを犯す前に戻れる。そう信じて――――。
子作りを始めて一か月ほど経った頃だろうか。浩介さんから突然メッセージが届いた。それを見た瞬間、航に見られたら大変、とドキッとしたものの、今日は航は仕事に行っているため、その心配がなく安堵した。
”突然すみません。毎日不安じゃないかと思って、すこし良い知らせをお伝えしようと思って連絡しました。航さん、最近梨奈に会ってないみたいですよ。航さんも子供のことを考えてけじめをつけたのかもしれません。”
”そうなんですね。……わざわざ、ありがとうございます。私の勝手で振り回しちゃってるのに。”
”いえ。最初は私の勝手で始まった関係ですから。お互い、より良い関係になれるように祈ってます。”
”はい…ありがとうございます。”
航も、親になるためにいろいろと考えてくれているのかもしれない。正直、航の気持ちが梨奈さんに向いていたとしても、そこに関しては諦めて子供を作ろうと思っていた。しかし、航もこの夫婦関係を大切に想ってくれているのかとこの件で感じることができた。私はやっぱり、航が好きだ。
そうして、子作りを始めて三か月ほど経った頃だろうか。いつも予定通り来ていた月のモノが来ない。薬局で妊娠検査薬を使用したところ、陽性が出た。航にも報告したら、目を潤ませながら喜んでくれた。その後産婦人科を受診し、正式に妊娠しているという診断を受けた。初めての妊娠で不安もあったが、何より航との子供ができたことが嬉しく、健康に育ってくれることを願うばかりだった。
少し気が引けたが、世話になった浩介さんにも妊娠の報告をした。これで、本当に会うことはない。最後には返信不要と付け加え、浩介さんをアプリ内で非表示にした。
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