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2章

50 カスト・親族side

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「私たちは、元は神でした。でも、今はただの、一人のエルフです。お父様とお母様の子です。どうか、私たちを捨てないでください・・・」


「僕のせいで、危険な目に合わせて、ごめんなさい。でも、一緒にいてくれると、嬉しい・・・です。」


頭をあげたのに、またそう言って頭を下げたマリアと、マーシャルにこちらがうろたえてしまった。
この子たちは、何を言っているのだろうか。
フラフラと歩いて行き、マリアのところまで行くと、抱き上げる。


「なにを言ってるんだ?私の可愛い可愛い、大好きで、可愛くて、強くて、天才のマリアは、私の子だろ?捨てる?なにを言ってる?捨てるわけないだろ!?離してと言っても離さないぞ!マリアは私のマリアだ。誰にもやらんし、捨てるわけもない!むしろずっと、お父様のとこにいてくれていいんだよ。」

そう言って、ほおずりをする。
可愛いって何回言うんだって?何回言ってもたりないな!


この子たちに聞いたことは、信じられないようなことばかりだった。
以前が神様で、数千年と一緒に過ごしてきて、何百年とマーシャルはマリアを思い続けていた。


でも、神様として、他の人の人生を見ていくうちに、マリアは地上に降りて、人生を過ごしてみたくなった。

マリアは、マーシャルの告白をさらりさらりとかわし、地上へ降りてきてしまった。
マリアのいなくなった天界で、マーシャルは荒れたそうだ。

仕事もやる気がなくなり、今すぐマリアを追いかけよう!と思ったのに、他の神々に止められ、せめて引き継ぎだけは!と説得させられた。

それから数十年かけて、引き継ぎをして地上に降りてきた。
産まれる先も吟味して、結婚できるけどマリアに近い転生先を探したら、兄上夫妻のとこしかなかった。

他の神々は、マリアがいるからいざというときも、きっと大丈夫だと思っていたそうだけど、マーシャルは母体のことまでは考えていなかった。
本当に、申し訳ないとまた謝っていた。


そうか、この子たちは私が知っている時間なんかじゃ現せないくらいの時間ときを過ごしているのか。
時がきたら、覚悟を決めなければいけないのだろうな・・・
でも、それまでは!マリアを独占してもいいだろう。
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