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第一章 アズリエルとの出会い
9.異世界冒険に出発!
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何故か分からないが、ノベルメイカーの矛盾メーターが3から4に上がっていた。
夜から朝の間に、何かおかしなことが一つあったということなのだろうか。
「ノベル! 早く荷物をまとめてください! チェックアウトより1時間遅れてるんですよ!」
ついに『さん』付けを辞めたか。
アズリエルは天使だから俺よりも何百倍も年上だろうから別に文句は言わないけど。
先程、俺はノベルメイカーにアズリエルの設定を付け足してやった。
その設定とは、服装についてである。
彼女は下着姿でこの世界に召喚された。
よって、服が無いのだ。
下着姿で外に出るわけにも行かないから、俺は彼女に服を新調してやったと言うわけだ。
今の服装は、学制服をモチーフにした!
胸に大きなリボン、薔薇の髪飾り、天使の羽を傷めないような素材をチョイス。
『アズリエルの思うがままに服を着替えられる』と言う設定にしたのである。
これくらいの設定変更は、矛盾メーターに変化は無かった。
「可愛いじゃないか、アズリエル。似合ってんぞ」
「えへへ、そうですか? まぁ、服が可愛いと言うよりか、アズちゃんが可愛すぎるんでしょうね! なははは!」
◆
あれから、色々あってアズリエルは元気を取り戻した。
本当、子供相手のご機嫌とりでこんなに明るくなってくれてよかったよ。
「ノベル! 良い匂いがしますよ! ケーキを焼いている匂いです!」
「はいはい。買ってやるから」
「早くしないとケーキが無くなってしまうではないですか! ノベルはどうしてそんなにグズなんですか!」
ムカっ。
我慢だノベル。
異世界の朝は忙しい。
外からは馬の蹄の音がするし、金槌で金属を叩く音がしたり。
竜人や不思議な格好をした人、なんかよく分からんヒョロ長いバケモノなんかも歩いてる。
そんな異世界に、俺と可愛い堕天使。
これからどんな風に物語が発展していくのだろうか。
ラノベを2万冊以上読んできた俺ですら全く想像がつかない。
――それが、とても素敵でワクワクするんだ。
「どうしたんですか、外を眺めてボーッとして。なんか面白いものでも見つけました?」
「いいや。この景色全てが俺の望んでた世界観なんだなって感動してたところだ。美しいレンガの積まれ方。至る所に吊るされたカンテラ。未知の創造物! それら全てが俺の目の前にある!」
「へぇ。ノベルも案外、詩人なところがあるんですね。いいや、小説家でしたね」
希望に包まれていることを今に自覚した。
決して俺はまだ死んではいない!
俺はここで希望を掴み取り、再び現世に戻って小説を描きまくってやりたい!
この世界の全てを調べ尽くして、この物語をラノベにしてやりたい!
俺は拳を握りしめ、抑えきれないトキメキを声に出してみた!
「やってやるぜ! 最高難易度のハードモードをよぉぉぉぉ!」
「へっ。中二病ですか。やっぱりヲタクじゃないですか」
ぷちっ!
こうして、俺とアズリエルとの異世界生活の2日目が幕を開ける。
これから至る所に困難が立ち開かるだろう。
でも、俺は乗り越えて希望を掴み取ってみせる!
「あだだだだ!ほっへをひっはらないでくらはい!」
「俺はヲタクじゃない、ラノベ『好き』だっつの!」
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