【完結】ラノベ作家の異世界転生〜ぐーたら美少女天使とのラブコメ×ファンタジー〜

王一歩

文字の大きさ
33 / 78
第四章 新兵・ノベル!

30.待ちに待った異世界剣術!

しおりを挟む

 ◆

 ヒロインは、死ぬ運命にある道具ではない。

 今ではあまり見なくなったが、過去の作品では『感動』を煽るためだけに無意味にヒロインが死ぬことが多かった。
 人が死ぬことは悲しいことであり、もう2度とその人に出会う事はできない。
 それが理由で、『感動させるためなら、ヒロインを殺せばいいじゃん』と安易な作者の空想によってコロコロと人が死んでいくのだ。

 ヒロインとは、主人公に最も近い人物であり、読者からすれば結婚相手や家族と同等の関係なのだ。(男性主人公の場合)

 言っておくけど、ヒロインは感動を誘うための道具じゃないからね?
 ラノベの中だとしても、文字は生きて動いているんだぞ!
 よくもまあそんな簡単に人を殺せるな!
 とりあえず、心が癒されるような絵本を読んだり
 童謡を歌って子供の頃の純粋な気持ちからやり直せ!

 ◆

「おし、構えろノベル! お前はカナヤの傭兵になったんだ! 剣と盾を用いた戦い方くらいは覚えなきゃなぁ!」

「分かってるぜハイライター! 死ぬほど鍛えたこの体、余すことなく使いこなしてやるよっ!」

 ――それから俺は、カナヤの傭兵の中で1番強い人物である、最高騎士長・ハイライターから剣の稽古を受け始めた!
 筋肉は最高調に鍛え上げられたものの、戦闘の基礎である剣士の戦い方や魔法の扱い方などは全く学んでいない。
 それを察したハイライターは、朝の6時から9時頃まで稽古をつけてくれることになった!

「ふぁー。本当、朝早くからよく体を動かせますね。アズちゃんは眠いです」

「お前が起こしてくれって言ったんだろうが!」

「ほら、どこ見てるノベル! 俺様から目を離していいのかなぁ?!」

 ハイライターはぐるりと一回転すると、右腕の剣が俺の盾に向けてくるのが分かった!
 そんな攻撃、俺の盾ですぐに受け止めてやる!

「だろうな! 熟練度がモノを云うのだよノベル!」

 ――瞬間、俺の足が宙に浮き、後ろ向きに倒れる!
 マジか、ハイライトの野郎、足を引っ掛けやがった!
 剣ばかりに目が行って、俺の盾で遮られる足元の部分から攻撃を仕掛けてきた!
 やっぱり、最高騎士長と言うだけあって、戦闘能力と経験値は馬鹿にならない!

「あいたっ!」

 俺はすぐに目を開いて剣を構えようとするが、すでにハイライターの剣先は、俺の頭の上にある。

「どうして立ち上がろうとする? 重厚な鎧を着てるのに、体を起こせるかな?」

「……確かに」

「じゃあ問題だ。ノベルは俺の前に倒れた。次はどうすればいい?」

「そりゃ、剣を避けるのが優先だ! 回転しながら避けるとか?」

「残念。正解は、『パリィ』と言う技術で剣を弾くことだ。ただし、これは剣対剣の条件下でだ。槍などの武器ではまた判断が変わってくる。それに、魔術を駆使するものや、二刀流の敵もいるだろう。その場合は――」


 ハイライターは珍しく、真面目な顔で俺に事細かく説明をしてくれる。
 普段はただのユーモア聞かせたお兄さんって感じだけど、いざ戦いのことになると騎士長という風格を醸し出す。

 ――すげぇじゃねぇか異世界!
 そもそも、最高騎士長から稽古受けられるって、めちゃくちゃラッキーなことなんじゃないか?

「もっと、もっと俺に剣術を教えてくれよハイライター!」

「そのつもりだぜ兄弟? 俺様に剣を教われば、間違いなく最短で全ての技をこなせるだろう。――ただし、甘いことは一切しねぇ。ここで手足が切り落とされたとしても、それは全て手前の実技不良ってだけだ。それに、俺様は1度教えたことは2度と教えねぇ。分かったか新米騎士!」

「あぁ! 全力で俺を殺しに来い!」

「ここは戦場だ! 俺様の独壇場のなぁ!」

 そして、俺はハイライターの剣をパリィする!
 教わったことは全て吸収、スポンジよりも強く吸収する!
 攻撃は最大の防御って言葉は本当なんだって体に染み込ませる!
 怯えるくらいなら、初めから剣術なんて習わないさ!
 俺は最終目的のためにこの時間を生きている!

「うらぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活

仙道
ファンタジー
 ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。  彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。

【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う

こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
 異世界転生の女神様に四億年近くも仕えてきた、名も無きオリ主。  億千の異世界転生を繰り返してきた彼は、女神様に"休暇"と称して『普通の異世界転生がしたい』とお願いする。  彼の願いを聞き入れた女神様は、彼を無難な異世界へと送り出す。  四億年の経験知識と共に異世界へ降り立ったオリ主――『アヤト』は、自由気ままな転生者生活を満喫しようとするのだが、そんなぶっ壊れチートを持ったなろう系オリ主が平穏無事な"普通の異世界転生"など出来るはずもなく……?  道行く美少女ヒロイン達をスパルタ特訓で徹底的に鍛え上げ、邪魔する奴はただのパンチで滅殺抹殺一撃必殺、それも全ては"普通の異世界転生"をするために!  気が付けばヒロインが増え、気が付けば厄介事に巻き込まれる、テメーの頭はハッピーセットな、なろう系最強チーレム無双オリ主の明日はどっちだ!?    ※小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+にも掲載しております。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

処理中です...