上 下
14 / 34
第二章 ~夢と現実の狭間~

#14.はしご酒

しおりを挟む
 

   私だった…

 鏡に映っていたのは
 少女じゃなく大人になった現在の私だった

 そして
 少女じゃなく私が椅子に座っていた


  *:・゚✧*:・゚✧ *:・゚✧*:・゚✧ *:・゚✧*:・゚✧


 うたた寝から目を覚ますと既に夜だった…暗闇の中
 書きかけのレポートが表示されたノートPCの画面が眩しい

 《未来を知っていても記憶が無い》と書いてある

 少女の出したなぞなぞと少しリンク
 している様な気がして複雑な気分になる


 3連休の2日間、寝てた時間の方が多いじゃないか?

 もう占いなんて信じないし!
 明日こそ充実した連休最終日を


 よし明日に備えて寝るか!…って
 寝れるか!!今起きたばっかりだ!!

 ちょっと照れる私。コレが世で言う【一人のりツッコミ】か
 えへへ♪

 …じゃないわ!
 時間が勿体ない!夜とは言え休日は休日!
 眠たくないんだから外出だ!出掛けよう!


 強引に己を納得させるが如く
 私は夜の街にでる…

 そうだ、いっそパ~っと呑みに行こう
 私は反抗期の様に占いに抗い西へ向かった


【一軒目】~居酒屋~

 私は安上がりな女だ。ビール1杯で簡単に顔が赤くなる

 まるで絵に描いた様なサラリーマンがネクタイを鉢巻きにして
『よぉねぇ~ちゃん!なぞなぞ出すぞ正解したら一杯奢ってやる』

 テンションの上がった私は受けて立つ『よ~し来いぃ~!!』

『なぞなぞ!この世の中で一番うまい酒はな~んだ!?』
『タダ酒ぇ~!』即答する私
『正解!!一杯呑んでけぇ~』まさに世の中で一番うまい酒をゲット

 私は格安な女だ。ビール2杯で簡単にホロ酔いになる


【二軒目】~ホストクラブ~

 私は金離れの良い女だ。チヤホヤされるのが嫌いじゃない

『ありがとう御座います!ドンペリ入りま~す』
『金ならあるぞ~!!…何てったって使う暇ないからなぁ!!』
『みな子さん素敵すぎますぅ~!』
『誉めたって何もでないいわよ♪もう一本頼んじゃおうかしら!』

 私は金離れの良い女だ。チヤホヤされるのが大好きだ


【三軒目】~BAR~

 さすがに呑み疲れ…ちょっと静かに落ち着いて呑み直したい

 オーセンティックな雰囲気の少し薄暗い店内
 私は慣れた足取りでカウンターに向う

『いらっしゃいませ。お決まりでしたらどうぞ』
『じゃぁラフロイグをロックで…
   初めて来たけど素敵な店ですね なんか懐かしい感じもするし♪』

 マスターが微笑みながら返した言葉に
 酔いも覚めそうになる

『桜川様、酔ってる様ですね♪懐かしいとは…昨日もいらしたのに』



 まただ…また始まった

  私の知らない時間が


しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

真面目系眼鏡女子は、軽薄騎士の求愛から逃げ出したい。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:2,832pt お気に入り:246

堅物監察官は、転生聖女に振り回される。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,959pt お気に入り:153

海鳴り

BL / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:16

ロリコンな俺の記憶

大衆娯楽 / 連載中 24h.ポイント:5,850pt お気に入り:16

最初に私を蔑ろにしたのは殿下の方でしょう?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:8,534pt お気に入り:1,961

処理中です...