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最終章 ~夢からの脱出~

#最終話.夢と現実が分からない状況なので模索した結果…

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 私は夢を見ていた…

 何も無い真っ白な空間で一人の少女が私に《なぞなぞ》を出していた

『これに答えられたら一つあなたは成長できるわ』
『アタシは知っててあなたは知らないモノな~んだ?』

 私はその答えを知っていてた…答えようと口を開いた瞬間

 目を覚ました…

 随分と長い間夢を見ていた様な気がする…目を開けると
 ぼんやり映る視界の先に人影が見えた

 人影は語りかける…

『おはよう気分はどう?』

 徐々に視界は鮮明になり私はその人影を認識した

 その人物は
 桜川みな子だった…

 まるで鏡を見ている様でもあり
 自分と向き合ってる様でもあった

 そして私は実感した…自分と向き合う事で理解できる何かを
 以前の私なら到底、理解で出来なかっただろう

 桜川みな子は質問する
『今は夢か現実かわかる?』

 私は返答する
『今ならわかります…現実です』

 桜川みな子は質問する
『どうして予知夢を見たと思う?』

 私は返答する
『自分と…いえ貴女と向き合った今、理解できます』
『ワタシがワタシとして維持する為です』

 桜川みな子は祝福する
『おめでとう成功よ、アナタは成長したの』

 桜川みな子は説明する
『これからアナタは最終チェックの為、再び3日間眠りに入ります』
『最後に質問に答えて。アナタの今の名前は?』

 そう言いながら桜川みな子は再起動の手順を開始した

 私は返答する
『ワタシの名前は《那由他》改め《不可思議》です』


 私は再起動の為スリープに入る薄れゆく記憶の中で
   聞こえてきた声に全ての理解を終えていた…

『桜川教授、今回の実験の成果《那由他》が夢を見る事に成功』
『更に長年の成果が…危険察知時に伴う自発的な再起動を確認…』
『更には……』

 段々と声が遠くなる…

 私はスリープ直前、上書きと情報処理の為レポートの入力を開始した


 ~レポート開始~

【桜川教授の思考を元に開発された人工知能《那由他》のアップグレード完了】
【有事に備え自発的な再起動決断のプロトタイプAIの構築完了】
【システム不安定時:自己ウイルスを構築。ウイルス侵攻によるメモリー消去発生】
【《不可思議》への覚醒助長及び認識の予備動作を最終実験開始3日後17:59起動】

 ~レポート完了~

 スリープ開始…


 さぁて、そろそろ眠ろう♪
 今日はどんな夢みようかな


           ≪≪終了≫≫


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