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ビーストアカデミー編
奇襲
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新しい命の誕生。どこか儚い気持ちを感じる。ニックの頬を一筋の涙が伝った。
それから、神鶏の呼び出しで順番に贈り物は進んでいった。
ガヤガヤ…
みんな初めて出会うパートナーとのコミュニケーションを楽しんでいた。神鶏の贈り物で授かるパートナーは基本的に何か法則があるものとはされていない。しかし、それを理由にパートナー破棄という問題が存在する事がここしばらくの問題となっている。
ゴゴゴゴゴ…
出入り口の巨大な扉が開いた。
ニック達はこれからまたクラスに戻るために扉が開いたのだと、そう思った。
「どうやら、無事〝神鶏の贈り物〟は終わったようですね。」
部屋からの光を正面に受けたその姿ははっきりと確認できた。
その人物の正体は戦闘学部主席、タイガ・バオウであった。
一瞬空気がピリついた。しかしニックがその変化を感じ取るのはあまりにも遅すぎた。
校長の手足はすでに拘束され、パートナーであるライオンはコブラに巻きつかれていた。
頼りのスネイク先生も、同じような状況である。そしてニック達生徒は2人とハイエナ2匹によって囲まれていた。〝神鶏の贈り物〟。それを見守ることができるのは校長と担任のみと決まっている。そこを狙われたのだ。
「お前ともあろうものがどういうつもりじゃ、タイガ・バオウ!言い訳によっては厳しい処分をせねばなるまい。」
憤怒の声で校長は問いかける。
「処分?冗談やめてくださいよ校長。いつまで俺の上にいるつもりなんだ?動けばすぐにでもコブラの毒を刺す。」
昂った声が部屋に、脳に響く。
「なにが目的なんだ?」
スネイク先生が問いかける。
「新しい世界の形ですよ。先生。」
そう言いながらタイガ・バオウは大きく腕を広げた。
「この世界はあまりにも残酷だ。動物の殺処分、売り買い、野生化。パートナーとの出会いが容易になりすぎた。よって、私達は〝神鶏を強奪〟する。そして私が新世界のキングビーストとなる。全てはこのために築いた地位だ!」
神鶏はすでに鳥籠の中であった。
「ああ、今日はもう一つ目的があるんだ。ハイ、エナ。2人で古代種のドラゴンを奪え。」
「こ、この中にドラゴンの持ち主が…!?」
ハイエナ二人組は露骨に動揺していた。
「安心しろ、まだ成熟してない。早くやれ!」
「はい!」
2人はドラゴンを抱きかかえるニックに近づいていく。
「お前がドラゴンの持ち主か…。思ったより貧弱そうで安心した。〝共有〟、ドラゴンを奪うぞ!」
2匹のハイエナはニックに飛びかかってきた。
「おいニック!あいつらの攻撃まともに受けたらお前が死んじまうよ!俺のこと庇うんじゃねぇ!」
ドラゴはニックに訴える。
「…〝共有〟。」
ザシュッッ!!!!
肉を切り裂く音がした。
「ぐああああっ!!!」
叫び声をあげたのはニックではない。
ハイエナの二人組であった。
「入学式の威勢はどうした?雑魚がよ。」
目の前に立ち塞がったのはウルフ・シオウであった。
「クソッ!シオウ家だ。負けてらんねぇぞ!いくぞエナ!」
ハイエナの1人が声を荒げる
「〝融…!〟」
「やめろ!!」
ハイエナが何かを発動する瞬間をタイガは止めた。
「俺たちの大目標は達成された。無駄に戦力を見せる必要はない。帰るぞ。」
ゴゴゴゴゴ…
タイガ達は扉を出て閉めていった。
「校長!スネイク先生!あいつらを追わないんですか!?」
ニックは何もできなかった悔しさから、先生にあたる。
「無理だ。パートナーと感覚と意識を共有させる力、〝共有〟。お前達はまだ知らないだろうが戦闘に特化するためにここビーストアカデミーではさらにその上の段階が存在する。名を〝融合〟校内で2人ものキングビースト級が戦えばたとえ神鶏を奪えたとしても損害はそれ以上のものになる。」
スネイク先生は淡々と話した。
「くそっ!!!くそぉっ!」
ニックは振り上げた右の拳で地面を思い切り殴った。
それから、神鶏の呼び出しで順番に贈り物は進んでいった。
ガヤガヤ…
みんな初めて出会うパートナーとのコミュニケーションを楽しんでいた。神鶏の贈り物で授かるパートナーは基本的に何か法則があるものとはされていない。しかし、それを理由にパートナー破棄という問題が存在する事がここしばらくの問題となっている。
ゴゴゴゴゴ…
出入り口の巨大な扉が開いた。
ニック達はこれからまたクラスに戻るために扉が開いたのだと、そう思った。
「どうやら、無事〝神鶏の贈り物〟は終わったようですね。」
部屋からの光を正面に受けたその姿ははっきりと確認できた。
その人物の正体は戦闘学部主席、タイガ・バオウであった。
一瞬空気がピリついた。しかしニックがその変化を感じ取るのはあまりにも遅すぎた。
校長の手足はすでに拘束され、パートナーであるライオンはコブラに巻きつかれていた。
頼りのスネイク先生も、同じような状況である。そしてニック達生徒は2人とハイエナ2匹によって囲まれていた。〝神鶏の贈り物〟。それを見守ることができるのは校長と担任のみと決まっている。そこを狙われたのだ。
「お前ともあろうものがどういうつもりじゃ、タイガ・バオウ!言い訳によっては厳しい処分をせねばなるまい。」
憤怒の声で校長は問いかける。
「処分?冗談やめてくださいよ校長。いつまで俺の上にいるつもりなんだ?動けばすぐにでもコブラの毒を刺す。」
昂った声が部屋に、脳に響く。
「なにが目的なんだ?」
スネイク先生が問いかける。
「新しい世界の形ですよ。先生。」
そう言いながらタイガ・バオウは大きく腕を広げた。
「この世界はあまりにも残酷だ。動物の殺処分、売り買い、野生化。パートナーとの出会いが容易になりすぎた。よって、私達は〝神鶏を強奪〟する。そして私が新世界のキングビーストとなる。全てはこのために築いた地位だ!」
神鶏はすでに鳥籠の中であった。
「ああ、今日はもう一つ目的があるんだ。ハイ、エナ。2人で古代種のドラゴンを奪え。」
「こ、この中にドラゴンの持ち主が…!?」
ハイエナ二人組は露骨に動揺していた。
「安心しろ、まだ成熟してない。早くやれ!」
「はい!」
2人はドラゴンを抱きかかえるニックに近づいていく。
「お前がドラゴンの持ち主か…。思ったより貧弱そうで安心した。〝共有〟、ドラゴンを奪うぞ!」
2匹のハイエナはニックに飛びかかってきた。
「おいニック!あいつらの攻撃まともに受けたらお前が死んじまうよ!俺のこと庇うんじゃねぇ!」
ドラゴはニックに訴える。
「…〝共有〟。」
ザシュッッ!!!!
肉を切り裂く音がした。
「ぐああああっ!!!」
叫び声をあげたのはニックではない。
ハイエナの二人組であった。
「入学式の威勢はどうした?雑魚がよ。」
目の前に立ち塞がったのはウルフ・シオウであった。
「クソッ!シオウ家だ。負けてらんねぇぞ!いくぞエナ!」
ハイエナの1人が声を荒げる
「〝融…!〟」
「やめろ!!」
ハイエナが何かを発動する瞬間をタイガは止めた。
「俺たちの大目標は達成された。無駄に戦力を見せる必要はない。帰るぞ。」
ゴゴゴゴゴ…
タイガ達は扉を出て閉めていった。
「校長!スネイク先生!あいつらを追わないんですか!?」
ニックは何もできなかった悔しさから、先生にあたる。
「無理だ。パートナーと感覚と意識を共有させる力、〝共有〟。お前達はまだ知らないだろうが戦闘に特化するためにここビーストアカデミーではさらにその上の段階が存在する。名を〝融合〟校内で2人ものキングビースト級が戦えばたとえ神鶏を奪えたとしても損害はそれ以上のものになる。」
スネイク先生は淡々と話した。
「くそっ!!!くそぉっ!」
ニックは振り上げた右の拳で地面を思い切り殴った。
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