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「転売や」
しおりを挟む「ブルブルブルッ…君に合いたくて今日も震える配信者のPIKARU(ピカル)ですー!どうもよろしくお願いします!」
出店が多く立ち並び提灯の灯りが煌々としている中に前髪を分け左右に対照的な色合いの髪色をしている関西弁の男が笑顔でスマートフォンに向かって話している。
ピカル「えぇ~…ね、皆さんわかってると思うんやけどここ最近SNSで話題になってるインチキしてるおみくじ屋さん…ありましたよね?…あのおっちゃん…動画で見たけどひどかったなー…ホンマ…やから…ね…見つけましたわ…この店です!…ねー……もう許しませんわ僕」
そう、彼、ピカルは配信者なのだ。
このようにSNSの炎上やテレビやマスコミが社会問題として取り上げたネタを配信し収入を得ている
「おい、待て兄ちゃん何しとんねん!おみくじ触るなや!」
突然おみくじ屋を仕切る50代くらいの男が叫んだ
ピカル「ほら見て下さい!これ、ヤ・ラ・セですよ!ね!なんやホンマSNS見た通りやわ!」
ピカルは声を上げスマートフォンに中高年を映し醜く徹底して晒した_
日が暮れ辺りは暗い夜道、電灯に照らされた四人の男の姿、そこにはピカルがいた。
ピカルは三人の自分の動画配信仲間と打ち上げに向かっていたのだ。
夜道に漂う橙色の街灯に照らされ、彼らは暗い影となって足早に歩いていた。
ピカル「あぁーホンマ良かった今日はええ撮れ高や…つかちょっとコンビニ寄ってくからお前ら先行っとけ後で話そや」
深い夜空には星もなく、暗闇が広がっている。静かな中で、彼の足音が重く踏ん張る音が響く。
ピカルが交差点の道を歩こうとしたその時…
大型トラックが突然、ピカルに向かってきた。
ピカルはトラックとの接触は避けることができずトラックはバンプを乗り越え、大きな音を立てながら衝突した。
キキー…ドーーン
衝突音と共に、空気が荒々しく揺れ動き、トラックは幾重にも横転、破片やガラスの音が近くで鳴り響き、トラックからは煙と火花が噴き出していた…
ピカルは全身の体に激痛が走る…
顔色が青ざめ、呼吸が浅く息を吸い込むこともできず、苦しそうに呻く…意識を保とうともがくが…やかて視界が暗くなり…
--
小鳥の囀り…風が髪にあたり
やけに涼しかった。重い上げ瞼を目を見開くとそこには…
異世界…全く違う景色があった
そこは中世ヨーロッパのような煉瓦造りの家々が立ち並び馬車や人が行き交う街だった
ピカルは身の回りを見渡し、自分が通常の世界とは大きく異なる場所にいることを理解した。ピカルは何が起こっているのかと、混乱と焦燥感に包まれる_
ふと顔を見上げると目の前には一人の女性が立っている 金髪碧眼で整った顔立ち、白い肌、背丈は高くスタイルが良い美女だ
「これ…何?」
ピカルは驚愕の表情を浮かべ、美女をじっと見つめた。彼は何が起こっているのか理解できず、驚きで声を上げるのを堪えるのに精一杯だった。
彼女は彼の驚きを察し、優しく微笑んでピカルに近づいた。
彼女はピカルの胸ポケットの中にあるおみくじの景品を手にする。
「こんなん…ただのカードやで」
ピカルは冷めた目で言い放つ。
しかし、彼女は_
嬉しそうな表情を浮かべた。
「私の名はセシリア、質屋を営んでるの」
ピカル「し、質屋…ね」
ピカルはセシリアの尊い容姿に魅了され、緊張し目が離せなかった。
セシリア「そ、このミザリア王国の
三番目に有名な質屋」
ピカルはカードを見つめ遠い目をした。
ピカル「これ、いくらになるんや?」
セシリア「そりゃ質屋に行かなきゃ完璧な査定は出来ないわ」
ピカル「高く売れるか?」
セシリア「…かもね」
実はピカル…わざとおみくじ屋と手を組み動画の再生数と金目的で視聴者を騙す小金稼ぎだったのだ_
金の話を聞き異世界での疑問より先に金のことが頭を巡る
ピカルの頭の中では、異世界で金持ちになるという発想と、自分の世界に戻るという現実的な決断の間で葛藤などしなかった。
彼の性格は、過去に戻って、家族や友人と再び会いたいという思いより異世界で得た財宝や名声によって、未来に向かって輝かしい人生を送れるという魅力的な可能性の方が優位に立ってしまう性格なのだ。
「行くで!行くで質屋に!」
こうしてピカル達は質屋に向かうことになった_
道中、ピカルは街を歩くと異世界の美しさに感動した。
まるで幻想のように美しく、景色はピカルを圧倒した。
美しい花壇や噴水に囲まれた建物が印象的でそして、街を歩く人々は、美しい服を着ていたり、カラフルな食べ物を持っていた。
質屋についた。
質屋の外観は古い看板が風化し入り口には、古びた玄関ドアがあった。
引き戸がギシッと音を立てながら開くと、マフラーのような埃臭い空気が出迎える。
店内にはたくさんの品々が置かれ懐かしい時計やアンティークの食器類が並べられていたり、古い本やレコードが山積みになっていたりした。
質屋の奥へ行くとそこにはテーブルがあった。
二人はテーブル越しに向かい合って座った セシリアは言う セシリアは鑑定スキルを持っているのだと この世界では魔法という概念が存在する。その力の一つにアイテムを鑑定する能力があるらしい。
ピカルは先程入手したカードをセシリアに手渡す セシリアは鑑定を始めた セシリアの手から淡い光が放たれカードの情報を読み取り始める
セシリア「この魔法はね質屋でやるとより強い効果があるの。
質屋の中にかかってる父の特別な魔法のおかげよ」
するとカードの情報が表示された。
セシリアは目を大きく見開き困惑し驚いた様子で口を開く
セシリア「これを転売すると王国を買い取れるかもって」
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