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2人の進む道
しおりを挟むサバントの国の方針でSランク以上のスキルを保有するものは高等教育を受けさせ、国の戦力として育てるという規則があるため、リクはサバントの中心都市である「ミザリー」に行くこととなった。
ラオは昔からの夢だった冒険者になるべく冒険者ギルドに行き、冒険者としての登録をして本格的に活動を始めようとしていた。
ガタンガタン
「本当に乗せてもらってよかったのかな?」
「いいんだよ、ラオ。行く場所は同じなんだから、1人も2人も変わらないだろ。」
リクをミザリーに連れてくる馬車へとラオも乗っていた。ミザリーでは国1番の冒険者ギルドがあるため、そこでラオは冒険者ギルドに登録するとのことで、同席しているのである。
「リクのスキルはSランクとSSランクなんでしょ?すごいよね!」
「あぁ、本当に運が良かったよ。全ての能力値があがるSSランクの「英雄の眼光」と剣の扱いが上手くなるSランクの「剣鬼」。これがあれば、俺も勇者になれるぜ!」
「それなのに僕は……」
「ラオ、お前のスキルもいいじゃねぇか。」
「相手の攻撃をそのまま跳ね返すEランクの「カウンター」、相手に与えたダメージの半分を回復させるFランク「ダメージ回復」、どんな一撃でも一度耐えることが出来るFランク「根性」。どれも低級スキルだよ……。」
「そうか?俺からしてみればどんな強敵も倒せる最高の組み合わせだと思うけどな。」
リクは真っ直ぐな瞳でラオにそういった。
「え?」
「だってそうだろ。根性があればどんな攻撃も耐えられて、受けたダメージを相手にも与えられて、尚且つ体力も回復出来るんだろ?永遠に戦えられるじゃねぇか。」
「……確かに。」
「神父様も言ってただろ?「スキルは使い方次第ではFランクでもAランク以上の力が出ることもある」ってよ。」
「……僕、頑張ってみるよ!!」
こうして2人は希望を抱き、ミザリーへと到着した。
「じゃ、ラオ。次会うときはお互い強くなって会おうぜ!」
「そうだね、リク。僕も負けないからね!」
こうして、リクは学校へ、ラオは冒険者ギルドへと向かった。
チリーン
ラオは冒険者ギルドへと入った。
中には屈強な男たちが沢山いた。ラオは圧倒されていたが、堂々と歩き受付へと向かった。
「すみません、冒険者としての登録をしに来ました。」
「わかりました。では、こちらにお名前と保有するスキルをお書きください。」
冒険者ギルドでは保有しているスキルを記載することが義務付けられている。これは持っているスキルによって依頼を受けれるか受けれないかという判断が下される場合があるからである。
死亡率を減らすための策である。
「はい、出来ました。」
「ありがとうございます……スキル3つもお持ちなんですね……珍しいですね。」
「まぁ、どれも低級ですけどね。」
「いえいえ、低級といえど冒険者向きのスキルですから、大丈夫ですよ。」
こうしてラオは無事、冒険者としての登録が完了した。
「あの、早速なんですけど、何か依頼があれば受けたいんですけど。」
「わかりました。では、こちらの依頼はどうでしょうか?ドラゴン討伐なんてのは。」
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