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しおりを挟む「そこまでしなくてもよかったんじゃないですか?」
「いえ、商人にとっては信用が一番の商品でございます。これを失えば商いなどできないも同然です。」
キースはにっこりしながらそう言った。
「それでは、アキラ殿のスキルのことがわかったので私から提案させてください。」
キースからいくつかの提案をされた。
・キースの従業員を雇わないか
・他の店舗も出さないか
・経営などは専門家に委託するべき
「どうでしょうか?」
「そうですね、キースさんの話を聞いてたらやはり他の店舗は必要ですよね。それは、いい場所があれば。」
「では、私の商会で扱っている店舗をお貸ししますよ。」
「いいんですか?」
「はい、私もそろそろお金稼ぎにも飽きてきたところですしね。」
「それと従業員の件についてもお願いしたいです。自分では今いるうちの従業員に大した指導もできませんから、お願いしたいです。専門家の件については考えさせてください......。」
「アキラ殿、必ずこうしろと言いたい訳では無いですが、私の好きな言葉で「一流の剣士でも弓を持てばただの人」と言う言葉があります。剣士は剣を振ることで輝きます。弓を使っていては本当の力というのは見えないのです。」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「みんなに伝えたいことがあるんだ。ベン、アリサ、ロン。今日からここは他の人に店長を任せたいと思う。」
「..........。」
3人とも黙っていた。
「なんで黙るんだ?」
「いや、だってアキラさんの決めたことなんですよね?別にそれなら自分たちが何かを言うことは無いですよ。」
「アキラさんが誰よりも優しいのは知ってますから。」
「多少寂しくはありますけど、まああの時の寂しさと比べれば全然余裕です!!」
3人はアキラの提案についてあっさりと受け入れた。
「私がこれからこの「シタッケ」の経営、運営を任しされたレーニです。よろしくお願いします。」
派遣されたのは眼鏡をかけたいかにもインテリのような20代半ばくらいの男だった。
「今日からはレーニさんの指示で動いて欲しい。大丈夫?」
「はい!」
3人のやる気はとてもあるようだ。
「では、後はお願いしていいですか?」
アキラは少し不安もありながらもレーニに「シタッケ」のことを任せることにした。
一方、アキラはというと1つの目標を決めた。
「ネットショッピング」を完全に使いこなす。
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