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5話 語り人の囁き
しおりを挟む「じゃあ、次はレオとシュトロームな。」
レオの相手は200cmほどの高身長の筋肉ムキムキの髪型がブレイズの男が相手だった。
「おいてめぇ、俺が相手なんだ覚悟しろよ。」
シュトロームはレオをかなり敵対視していた。
「…………。」
「てめぇ、うじ虫のくせに無視とは舐めてんじゃねぇぞ。」
「…………。」
レオは無視をしていたのではなく、怖すぎて声が出なかっただけなのである。
しかし、その行動がシュトロームの怒りを買ってしまった。
2人は位置につき、ベガスは始まりの合図を出した。
「てめぇ!!ぶっ殺す!!」
シュンッ
シュンッ
シュンッ
一気に間合いを詰めてきたシュトロームの攻撃を簡単にレオは交わした。
「(見える、攻撃がちゃんと見える。)」
「ちょこまかと、ちっ、うっぜぇ!!!」
シュンッ
シュンッ
シュンッ
シュンッ
シュンッ
レオは体力を使わないために紙一重で最小限の動きで避けていた。
「こんな雑魚に使いたくなかったんだけど、仕方ねぇな。」
キンッキンッ
ミシッミシッ
シュトロームの身体の色が変わり、光沢が出ていた。
「さぁ、処刑の時間だぜ。」
ブンッ
シュンッ
ドンッ
レオはシュトロームの攻撃を先程のように交わすと、シュトロームの拳の風圧で吹っ飛ばされた。
「ガハッ……。」
シュトロームのスキルは【鋼体】である。身体の一部、全身を自由に鋼に変えることができる。また、その身体を自由に操作することができるというスキルだった。
「はっ、やっぱりただの羽虫じゃねぇか。次で殺してやるよ!!」
ブンッ
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「レオ、主に新たなスキルが与えられておるぞ。」
「え?本当ですか?」
「といっても、副スキルじゃがな。」
「副スキル?」
スキルとは2種類に分けられており、生まれ持って手にできる選定的スキル「主スキル」、生まれた後に手に入る後天的スキル「副スキル」である。
副スキルは主スキルと違い、人外的な強さを手にすることは出来ないが、所持制限などはないためもっていて損はないものである。
「スキルは<急所突き>じゃな。極低確率で相手に与えるダメージを100倍に出来るというものじゃな。」
「100倍?!?!それのどこが副スキルなんですか???」
「極低確率じゃからな、数字にすると0.00001%と言われておる。」
「それって……出来ないって事じゃないですか……。」
「なくて困らんのじゃから文句を言うな。それにしても、なんで急に副スキルなんかが手に入ったのじゃろう……。もしかして、レオの【課金】の力なんじゃろうか……。研究させるのじゃ!!!」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
『(おい、シュトロームの脇の下を狙え。ここなら、30%の確率で<急所突き>が発動するだろうな。)』
「(頭の中からなにか声が……。)」
ドンッ
「ガハッ……ゴホッ……」
バタッ
「へぇ、レオやるじゃん。」
バタッ
シュトロームが倒れた直後、レオも倒れた。
『(ったく、困難でへばりやがってよ。俺だったらもっと上手くやったぜ。まあ、でも及第点だな。よく飛び込んだ。)』
「はぁぁ!!ここは……どこ……。」
「起きたかい、レオ。」
「マルコ、どうして……。」
勇者育成学校は寮制度で生徒は2人は1組で部屋を割り振られる。
レオとマルコは同室だったことから、マルコはレオを介抱すると言って部屋へ連れてきたのだと言った。
「ありがとう。」
「いいんだよ。それにしても、シュトロームを倒すとは大したもんだね。」
「俺は勝ったの?」
「あぁ、大勝だよ。あの防御力と攻撃力ではトップクラスのシュトロームを拳一つで倒すなんて本当にたいしたもんだ。」
「あの時は頭に誰かが囁いてきたんだよ。『脇の下を狙え』って。」
「もしかして、君は語り人なのかい?」
「うん、そうだよ。」
「なるほどね。本当に面白いね。」
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