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82話 ガルーン
しおりを挟む「最初の相手はどこの国だ?」
「最初はスペクトルの東に位置するサパナっていうところだよ。」
「強いのか?」
「まあ、弱くはないよね。砂漠地帯で彼らのホームだったら勝てる軍も少ないと言われている。だけど、平地では普通の兵と同じ力しか出せないみたい。」
「そうなのか。では、メンバーは若手5人でいくか。」
「そうだね。若いのの力を存分に見せておいた方がいいもんね。ジュニアとセイはどうする?」
「任せる。一番派手なラインナップにしてくれ。」
「わかったよ。」
健はキングにそう伝え、それを聞いたキングは騎士団長にオーダーを言いに行った。
「今回、当たりそうな強豪は次のジャマンドと決勝のガルーンだけだね。」
「そうなのか?」
「うん、さっき観客の人に聞いて歩いてだいたいがそう言ってたから間違いないと思うよ。」
「観客といっても一般市民だろうが。なんで、そんなことを知ってるんだよ。」
「一応、軍服みたいなのを着てたから軍隊の人なんだと思うよ。その手には詳しいんじゃないかなぁ。」
「お前はよくそんないかついやつに話をかけたもんだな。」
「まあ、優しそうだったからね。」
タッタッタッ
健と相斗が座っている関係者席の方に一人の男が歩いてきた。
トントン
そして、相斗の肩をたたいた。
「はい?あ、先程の。」
声をかけたのは健に話していた軍隊を来ていた男性である。
その男は服の上からでもわかるようなはち切れんばかりの大胸筋、上腕二頭筋、三角筋、とりあえず、めちゃくちゃマッチョであった。
「いやはや、さっき話をかけてきた青年がまさかスペクトルのトップだとは思いませんでしたよ。先程は子ども扱いしてしまい悪かったです。」
男は相斗が関係者席にいることから、スペクトルのお偉いさんだと思っていた。
「いやいや、僕は全然偉くないですよ。今回の大会の選手のコーチ的な存在で戦略とか指示に関してはめっぽう弱いですから。」
「なんと、その華奢な身体でなんと.......。」
「(いや、あんたに比べれば小さいけど筋肉割とあるぞこいつ。)」
思わず健も心の中でつっこんでしまった。
「私も見た目通り軍隊のリーダーをやっていてな。今回の大会にはうちの兵たちも出るのだが、当たるのを楽しみにしている。」
「こちらこそ。うちは言っておきますけど強いですよ?」
相斗は強気にでて、握手を求めた。
グッ
男は相斗と握手を交え言った。
「あぁ、当たった時はよろしく頼む。うちも強いぞ。」
「いやぁ、それにしてもああいう感じの服ってのはこっちでもあったんだね。」
今までは鎧や麻の服が多かったが、先程の男が着ていた服はしっかりとした絹のようにも見えた。
「そうだな。俺らもその日その日で綺麗にしているが、さすがに酷使しすぎてるかもしれないから、服を買うのもありだな。」
こう見えて健は服にはこだわっていた。
「そういや、あの人やっぱり強かったよね。」
「あぁ、そうだな。セレスよりかは強いだろうな。」
「ブリオンナイトを抑えるほどの強さってことはあの人は国のトップの戦力なんだろうね。」
「そうだな。そう言えば、あいつはどの国のやつなんだ。」
「そういえば、名乗らずに話しかけてしまったな。」
「どうした、そんな困った顔して。ガルーン最強の武人 シャガール」
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