純和風お宿を異世界で

白いモフモフ

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初級者は色々大変

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 それから2週間、僕らは同じことを繰り返しある程度の貯金が出来た。冒険者ギルドの上の部屋は最長で2ヶ月居られるらしいので目一杯利用予定だ。

「とは言っても、僕らが安心して泊まれる宿は限られてるから次の候補も探さないとね。」

「うん、ギルドの人に聞いてみたらこの向かいの小兎亭も良いらしいけど何時も一杯らしくてねぇ。」

「あ、あの肉屋の隣は?」

「あの奥は売春宿があるから酔っぱらいが出やすいよ。」

 ウーンと2人で頭を悩ませつつ今日も採集に勤しんでいる。今日の採集次第になるがそろそろ最低の冒険者レベルから一つ上になれそうなのだ。まぁ、上がれたとしても魔獣討伐は危険なので無理だろう。



「予約が取れたよ!」
午前中は各々自分の時間として出かけていたのだが、午後森で合流したフェインの開口一番がこれだ。

「ここから2日の距離にある冒険都市のダンジョンで未踏破部が見つかったんだって! 初級から中級ダンジョンだから僕らの少し上のレベルの人達がごっそり移動するって聞いたから駄目元で聞いてみたの!そうしたら5日後からなら良いって!!」

 なんとなく町が騒がしかった理由がこれでわかった。今僕らがいるこの街は冒険者になろうと思った人が集まって来る場所だから初級者がとても多い。しかしある程度体格に恵まれていたり年齢的に育ってしまうと意外と中級くらいにはすぐなれるらしい。だからこの街には初級から中級が溢れているのだ。
 それがごっそりと移動する。初級からなかなか離脱出来ない僕らにとってはすごく有り難い事だ。

 予約が取れた宿は『クマの寝床』という僕らにとっては最も安全な場所だった。そこはなんと警備団の2階にあり食堂は警備団の食堂でもある。場所がら飲酒厳禁、怪しい人の出入りもなしと最高の場所に思えるが、大抵……80%以上の冒険者は泊まらない。だが残りの20%からの人気が非常に高く、絶対に無理だと思っていたのだ。

 「本当?!フェイン、よく聞いてみようって思ったね。」

 探してみようと言ってはいても絶対無理だと思っていたから名前さえ会話に出てこなかった宿だ。

「……ぇへへへ~。実はさ~、パンを買いに行ったらそこに『クマの寝床』を定宿にしてるパーティが買い物に来てて、堅焼きパンを買ってるから『例のダンジョンに行くの?』って聞いてみたんだ。そうしたら、そうだって言うんで更に突っ込んで色々聞いたの。3日後に別のパーティと一緒に向かうらしくてその日と次の日でだいたいのパーティが一斉に動くんだって。」

 「ヘぇ~、皆一緒に行くんだ?」

 「うん、だって僕らは初級からちょっと上くらいの人間ばかりでしょ?冒険都市はここから離れてるしこの噂のせいで盗賊達にも初級者が街から遠く離れるって知られてるもん。だから明日と明後日くらいでこの街に上級パーティが2.3個来てその後に初級者達が移動するんだ。」

 上級パーティが来る時に危険な獣や人間を討伐しながら来て、比較的安全になった道を団体で移動するらしい。そして上級パーティはこの移動にすら行けない僕らの様な初級者と街を守るために冒険者ギルドからの要請で来るらしい。……ご苦労さまです。
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