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避ける理由は、ひとつだけ。
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「おい、ちょっと待て」
あ、呼ばれたの私?え、待って怖いすごい怒った目してるし、何よりオーラがやばい。
「え、…なに?」
「なんで俺の事を避けるんだ?」
いや即答されると気まずいんですけど、え、なんで、って…避けてることに気付かれてたことにも驚いたが、それより何か答えなきゃこの人は掴んだ手を話してくれない。
「え…えっと…アンタのことが嫌いだからに決まってるじゃない、」
咄嗟に口をついて出たのは、自分が思ってるのと全く反対の言葉だった。不本意ではあるが、この人は相当鈍いから、まさか好きすぎて緊張して避けてるなんて、嘘だなんてバレるはずは絶対にな…、
「お前、それ嘘だろ」
「え…?」
クラスの一軍女子が告白した時はそれが告白だということにさえ気付かれなかった(らしい)というのに。なんで私だけ、
ふとそいつの顔を見上げると、なにか死ぬほど面白いことがあったようなニヤニヤした顔で私を見下ろしてた。目が合う瞬間ふいっと逸らされたけど。
「ごめんなさい、?」
「ごめんで済むなら警察要らんよなぁ」
嫌な予感。こいつと絡むとロクな事がない。今までも何度トラブルに巻き込まれてきたか。それなのに、なんで私はこんな傍迷惑な奴のことが好きなんだろうか。
「ちょっと付き合え」
いや、、え?
…どゆこと?
何故かどこかへ引っ張られていく(引きずられていく)私を周りの女子がじとっとした目で睨んでいた。いやこれは不本意なんです逆に助けてーーー!
とりあえず周りの目の無いところで話を聞いたところ、なんでも最近いろんな女子に毎日のように連れ去られかけているらしい。
「いや知るかよなんで私がそんな話」
「お前俺のこと好きなんだってな」
うぐっ、、
いやいやそれより大事なこと聞かなきゃ、
「え、それどこから聞いたのよ、誰にも言ってないのに…」
「…勘?」
恐るべしこいつの勘。
「いや勘で『いかにも知ってますよ』っていう言い方するなし
…詐欺師かよ」
「へっ」
「…で?だから何だって言うのよ」
「俺にそれ知られて告らないやつとかいるんだな」
「…はぁ?」
そんなん言えるわけないじゃん。今強がってるので精一杯なんだよ?
「…その…俺も、お前のこと好きなんだよ」
「へーー」
いやえ?何て言った?俺も好き??いやないないないない気の所為だな妄想…あれ、今までそんな妄想したことないや。
「いやその、それで、あの、……」
「で?何?」
自分が意地悪してる自覚はある。こいつがほんとに私のこと好きならね?嘘告かもしれないじゃない?真に受けて良いことなんてないもんねーだ。
「付き合って、くれないか?」
「…やだ。」
「え?」
「私から言おうと思ってたのに…」
私今何言ってんだろ…何で素直に喜べないのかな…だから嫌われるんだよね…可愛げがない、って。
「あっ…ごめん、、」
どうしよう、えっ待ってどうしよう空気凍ったああああっっ
我儘言っちゃった…また悪い癖だ…
「じゃあさ、お前が言いたくなるまで待つから、…楽しみにしてるからなー!またな!」
「えぇぇぇ……行っちゃった、、どうしよう、いつまで経っても言える気がしないよ……」
***
彼らが晴れて結ばれたのは、結局それから2ヶ月も経ってからだったそうな。
あ、呼ばれたの私?え、待って怖いすごい怒った目してるし、何よりオーラがやばい。
「え、…なに?」
「なんで俺の事を避けるんだ?」
いや即答されると気まずいんですけど、え、なんで、って…避けてることに気付かれてたことにも驚いたが、それより何か答えなきゃこの人は掴んだ手を話してくれない。
「え…えっと…アンタのことが嫌いだからに決まってるじゃない、」
咄嗟に口をついて出たのは、自分が思ってるのと全く反対の言葉だった。不本意ではあるが、この人は相当鈍いから、まさか好きすぎて緊張して避けてるなんて、嘘だなんてバレるはずは絶対にな…、
「お前、それ嘘だろ」
「え…?」
クラスの一軍女子が告白した時はそれが告白だということにさえ気付かれなかった(らしい)というのに。なんで私だけ、
ふとそいつの顔を見上げると、なにか死ぬほど面白いことがあったようなニヤニヤした顔で私を見下ろしてた。目が合う瞬間ふいっと逸らされたけど。
「ごめんなさい、?」
「ごめんで済むなら警察要らんよなぁ」
嫌な予感。こいつと絡むとロクな事がない。今までも何度トラブルに巻き込まれてきたか。それなのに、なんで私はこんな傍迷惑な奴のことが好きなんだろうか。
「ちょっと付き合え」
いや、、え?
…どゆこと?
何故かどこかへ引っ張られていく(引きずられていく)私を周りの女子がじとっとした目で睨んでいた。いやこれは不本意なんです逆に助けてーーー!
とりあえず周りの目の無いところで話を聞いたところ、なんでも最近いろんな女子に毎日のように連れ去られかけているらしい。
「いや知るかよなんで私がそんな話」
「お前俺のこと好きなんだってな」
うぐっ、、
いやいやそれより大事なこと聞かなきゃ、
「え、それどこから聞いたのよ、誰にも言ってないのに…」
「…勘?」
恐るべしこいつの勘。
「いや勘で『いかにも知ってますよ』っていう言い方するなし
…詐欺師かよ」
「へっ」
「…で?だから何だって言うのよ」
「俺にそれ知られて告らないやつとかいるんだな」
「…はぁ?」
そんなん言えるわけないじゃん。今強がってるので精一杯なんだよ?
「…その…俺も、お前のこと好きなんだよ」
「へーー」
いやえ?何て言った?俺も好き??いやないないないない気の所為だな妄想…あれ、今までそんな妄想したことないや。
「いやその、それで、あの、……」
「で?何?」
自分が意地悪してる自覚はある。こいつがほんとに私のこと好きならね?嘘告かもしれないじゃない?真に受けて良いことなんてないもんねーだ。
「付き合って、くれないか?」
「…やだ。」
「え?」
「私から言おうと思ってたのに…」
私今何言ってんだろ…何で素直に喜べないのかな…だから嫌われるんだよね…可愛げがない、って。
「あっ…ごめん、、」
どうしよう、えっ待ってどうしよう空気凍ったああああっっ
我儘言っちゃった…また悪い癖だ…
「じゃあさ、お前が言いたくなるまで待つから、…楽しみにしてるからなー!またな!」
「えぇぇぇ……行っちゃった、、どうしよう、いつまで経っても言える気がしないよ……」
***
彼らが晴れて結ばれたのは、結局それから2ヶ月も経ってからだったそうな。
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