スーパー忍者・タカシの大冒険

第80話 スイーツアイランドの崩壊！

タカシとユウジが「こけしの塔」の試練を乗り越え、次なる目的地へ向かおうとしていた矢先、スイーツアイランド全体が突然揺れ始めた。

「おい、なんだこの揺れ！？」ユウジが叫ぶ。

「地震か？いや…これは普通の揺れじゃない！」タカシが警戒する。

すると、空が真っ赤に染まり、まるで地獄の門が開いたかのような不吉な雰囲気が漂い始めた。その瞬間、どこからともなく不気味な声が響き渡った。

「破壊の王、ヤン・シンが目覚めた…甘き者たちよ、震えて眠れ。」

ヤン・シンの恐怖

「破壊の王…ヤン・シンって誰だよ！」タカシが驚きつつも構える。

「名前からして絶対やばい奴だろ！俺たち、こんなとこで死にたくないぞ！」ユウジが半泣きになる。

すると、地面が割れ、島中のスイーツが次々と崩壊を始めた。アイスクリームの山は溶けて川となり、マカロンの橋は粉々に砕けていく。

「おい、俺の足元が溶けてるんだが！？甘い匂いがするけど死にそうだ！」ユウジが叫びながら跳びはねる。

「待て！何か巨大な影が近づいてきてるぞ！」タカシが指差した先には、異様に大きな影が見えた。

その影は、スイーツの残骸を蹴散らしながら進んでくる巨人だった。赤いオーラをまとい、全身が鋼鉄のような質感を持つ。その頭には、燃え上がる炎の冠が乗っている。

「我こそはヤン・シン…破壊の王。スイーツなどという甘ったるいものは不要だ！」

「なんでそんなに甘いもの嫌ってんだよ！？」タカシが叫ぶ。

「確かに甘いの食いすぎたら気持ち悪くなるけど、それ理由に島ぶっ壊すなよ！」ユウジが怒る。

ヤン・シンの恐怖の一撃

ヤン・シンが拳を振り上げると、その一撃でスイーツアイランドの中心にあった巨大なケーキ城が粉々に砕けた。その破片が飛び散り、島全体に甘い香りを放つ。

「おい、あいつの破壊力ヤバすぎだろ！？」ユウジが震える。

「とにかく逃げるぞ！こんなの勝てるわけない！」タカシが叫び、二人は全速力で逃げ出す。

ヤン・シンの後ろには無数の怪しい影が蠢いていた。彼の配下と思われる謎の軍勢が、スイーツアイランドを侵略している。

「なんだあいつらは！？全員チョコの鎧着てるぞ！」ユウジが振り返る。

「いや、あれチョコじゃない！燃えたカカオ豆だ！」タカシが恐怖で顔を青くする。

謎の助っ人登場

絶体絶命かと思われたその瞬間、どこからともなく笛の音が聞こえてきた。

「誰だ！？こんな時に笛なんか吹いてるのは！」ユウジがキョロキョロと辺りを見回す。

すると、崩壊しかけたチーズケーキの山の上に現れたのは、一人の男だった。青いマントを翻し、笛を口元に当てている。

「お前たち、甘き心を失うな！スイーツアイランドは我々が守る！」

その男は優雅にジャンプして、二人の前に降り立った。

「誰だ、お前！？」タカシが警戒する。

「私はブルーマー一族の末裔、ジュン・ブルーマーだ。」

「ブルーマー？初めて聞いた名前だな！」ユウジが首をかしげる。

「ブルーマー一族はスイーツアイランドの守護者だ。私たちは甘き調和を保つために生きている…だが、ヤン・シンのような者はその調和を壊そうとしている！」

ジュンは鋭い目でヤン・シンの方を見据える。

ブルーマー一族の奇妙な技

ジュン・ブルーマーが笛を吹くと、空から青い光の粒が降り注ぎ、崩壊していたスイーツの建物が少しずつ元に戻り始めた。

「すごいぞ！何やってるんだ？」ユウジが感動する。

「これがブルーマー一族の力、『スイートリペア』だ。」ジュンが胸を張る。

「お前の技名、なんかそのまま過ぎないか？」タカシがツッコむ。

「文句を言う暇があったら手を貸せ！ヤン・シンを止めるぞ！」

ジュンの指示で、二人は崩壊する島の中を走り回り、残されたスイーツアイランドの住人たちを助け始めた。

謎を残して消える影

ヤン・シンが再び拳を振り上げようとしたその時、遠くから別の青い光が放たれ、彼を直撃。ヤン・シンは苦しそうな声を上げ、次第にその姿が薄れていった。

「なんだ！？消えたのか！？」ユウジが驚く。

「いや、逃げただけだ。ヤン・シンはまだ完全に滅んではいない。」ジュンが険しい顔をする。

「結局どうすればいいんだ？俺たち、ただのお菓子好きな忍者だぞ！」タカシが愚痴をこぼす。

「ヤン・シンを倒すには、伝説の三忍の力が必要だ。」

ジュンの言葉を聞き、二人は再び旅立つ決意をした。スイーツアイランドは無事ではないが、まだ救いの希望は残されている。

こうして、タカシとユウジはさらなる冒険の中で伝説の三忍を追うこととなる――。