スーパー忍者・タカシの大冒険

Selfish

文字の大きさ
91 / 157

第91話: ウサピョンXとの遭遇、会話の限界

しおりを挟む
タカシとユウジは、次なる支「兎」に会うために、「ぴょんぴょん高原」へ足を踏み入れた。この高原は、地面全体がトランポリンのようにふわふわしており、一歩踏み出すたびに勝手に跳ねる。

「ちょっ、ユウジ!おい、これどうやって進むんだよ!」
タカシは跳ね上がりながら叫ぶが、ユウジは楽しそうにぴょんぴょん跳ね回っている。

「これ楽しいぞ!修行も悪くないな!」

「お前は楽しんでるかもしれないけど、俺は目が回りそうなんだよ!」
タカシが頭を抱える中、突如目の前に白い影が現れた。

「……誰だ!」

影は高速で跳ね回りながら、奇妙な声を発した。
「ぴょんぴょん!ウサピョンX、参上だぴょん!」

兎の超絶スピード

目の前に現れたのは、一見普通のウサギのように見えるが、よく見るとバンダナを巻き、サングラスをかけた謎の存在だった。

「お前が伝説の兎、ウサピョンXか?」
タカシが尋ねると、ウサピョンXは驚異的なスピードで跳ね回りながら答える。

「ぴょんぴょんぴょん!そうだぴょん!僕がぴょん!」

「なんだ、全然話が聞き取れねえ!」
タカシが頭を抱える横で、ユウジが勢いよくウサピョンXに近づいた。

「おい、ウサピョンX!落ち着いて話してくれ!」

しかし、ウサピョンXはさらなるスピードを見せつけ、もはやどこにいるのか分からないほどだ。声だけが高原中に響いていた。

「ぴょんぴょん!早く追いついてこいぴょん!」

「いや、無理だって!お前、普通に話せよ!」

ウサピョンXの試練

どうやらウサピョンXの力を得るには、彼のスピードに追いつかなければならないらしい。

「おいユウジ、これ絶対無理だろ!」
タカシが不満を漏らすと、ユウジは真剣な表情で頷いた。

「いや、俺たちには忍術がある!影分身の術で追いつくんだ!」

「そんな都合よく行くわけねえだろ!」

とはいえ、ウサピョンXが止まる気配はない。そこでタカシたちは仕方なく地道に跳ねながら追いかけることにした。

兎の罠、そしてギブアップ

ウサピョンXが仕掛けた試練は、単に速さだけではなかった。途中には様々な罠が仕掛けられており、例えば「足元に仕込まれた高跳びバネ」や「突然飛び出す巨大人参模型」など、全てが無駄に凝っている。

「タカシ!気をつけろ、そこにバネが……」
ユウジが言い終わる前に、タカシはバネで10メートル上空へ跳ね飛ばされた。

「ぎゃあああ!俺、兎じゃねえんだからこんなジャンプできねえよ!」

さらに巨大人参が突然転がってきて、タカシは見事に人参に巻き込まれた。

「なあ、これ修行じゃなくて嫌がらせだよな!」

ウサピョンXとの直接対決

なんとかウサピョンXを追い詰めたタカシとユウジ。しかしウサピョンXは笑いながら跳ね続けていた。

「ぴょんぴょんぴょん!ここまで来れるなんてすごいぴょん!」

「もう跳ねるのやめろ!話を聞け!」
タカシが叫ぶが、ウサピョンXは興奮してますます速く跳ねる。

「分かったぴょん!僕の力を分け与えるぴょん!」

兎の力を得る

ウサピョンXは跳ねながら何かを差し出した。それは、ピンク色のスプリングの形をしたペンダントだった。

「これが兎の力、『スプリングジャンプペンダント』ぴょん!」

「いや、こんなのどこで使うんだよ!」
タカシが文句を言うが、ウサピョンXはニヤリと笑って言った。

「これをつけると、誰でも跳ねられるぴょん!」

「それもうこの高原で十分跳ねてるだろ!」

ウサピョンXの別れ

力を授かったタカシとユウジだったが、結局ウサピョンXの真意は分からないままだった。ウサピョンXは最後に意味深な言葉を残して去っていった。

「次は真の龍、リュウタロ・ドラゴンのところへ行くぴょん!彼はただのトカゲだけどぴょん!」

「いや、トカゲって言っちゃってるじゃねえか!」

こうして、次なる試練に向けて2人は再び旅立つのだった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様

あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。 死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。 「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」 だが、その世界はダークファンタジーばりばり。 人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。 こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。 あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。 ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。 死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ! タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。 様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。 世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。 地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

処理中です...