スーパー忍者・タカシの大冒険

Selfish

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第92話: リュウタロ・ドラゴンの大誇張

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タカシとユウジは、次なる伝説の支「龍」に会うため、「ドラゴンボーン山脈」へと向かった。この山脈は、雲よりも高く、至るところで炎が吹き上がる危険地帯として知られていた。しかし、なぜかそこら中に「ドラゴン・リゾート」という観光地の案内板が立っている。

「おいユウジ、ここ観光地か?伝説の龍がいる場所って感じしねえぞ。」
「確かに……でも龍って強そうだし、これくらい派手でもいいんじゃないか?」

案内板をたどっていくと、「ドラゴンの巣窟」なる建物にたどり着いた。ところが、そこには「営業中」と書かれた看板があり、横にはなぜかフワフワの着ぐるみドラゴンが来場者を出迎えていた。

リュウタロ・ドラゴンの登場

「伝説の龍、リュウタロ・ドラゴンはここにいるのか?」
タカシが尋ねると、突然「ドラゴンの巣窟」の扉が爆音とともに開いた。

「フハハハハ!我こそが伝説の龍、リュウタロ・ドラゴンだ!」

現れたのは、確かに大きな羽を持つドラゴン――のように見えるが、よく見ると羽が明らかに紙でできている。そして胴体はただの巨大なトカゲそのものだった。

「……ただのデカいトカゲじゃねえか。」
タカシが呆れると、リュウタロ・ドラゴンは胸を張って言い返した。

「失礼なことを言うな!これでも立派な龍だ!ほら、羽もあるだろう!」

「それ、工作用紙で作ったやつだろ!」

「フン、素人にはこの高貴な雰囲気が分からないのだな。まあいい、何用だ?」

ドラゴンの試練?

タカシとユウジは、リュウタロ・ドラゴンに「龍の力」を求めに来たことを告げた。するとリュウタロ・ドラゴンはニヤリと笑い、突然派手に火を吹き上げた――が、その火はなぜか線香花火のようにショボショボしていた。

「……あの、弱くない?」
ユウジが指摘すると、リュウタロは慌てて言い訳を始めた。

「今日は調子が悪いだけだ!いつもはもっとドカンと来るんだ!本当だぞ!」

「お前、本当に龍なのかよ。」
タカシが疑いの目を向けると、リュウタロ・ドラゴンは怒りを露わにし、大声で叫んだ。

「ならば試練を受けるがよい!私の炎を浴びきれるか試してみろ!」

そう言って再び火を吹いたが、結果はさっきと同じショボショボの線香花火であった。

「おい、全然熱くねえぞ!」
「むしろ涼しいな、これ。」

真の力を証明せよ

リュウタロ・ドラゴンはさすがに自分のショボさに気づき始めたのか、「本気を出す」と宣言した。そして洞窟の奥に引っ込むと、大きな金属製のボンベを引きずってきた。

「見よ、これがドラゴンの秘宝『ガスボンベX』だ!」

「おい、それただのガスボンベだろ!」

リュウタロはそれを背中に装着し、再び火を吹こうとした。しかし、予想通り火は勢いよく吹き上がりすぎて洞窟全体が燃えそうになり、慌てて消火器を使う羽目に。

「ちょ、ちょっと調整が難しいだけだ!次は成功する!」

「もういいよ!お前、本当に龍じゃなくてただの危ないトカゲだろ!」

ドラゴンの力を授かる

なんだかんだでリュウタロ・ドラゴンはタカシたちに力を授けることにした。

「これが龍の力『ミニドラゴンリング』だ!これをつければ君たちも炎を操れる!」

「どうせまた線香花火程度なんじゃねえのか?」
タカシが文句を言うと、リュウタロは焦った様子で言い返した。

「ち、違う!これは本当に強力だ!でも、使うときはちゃんとガスを補充するんだぞ!」

「補充が必要な時点でおかしいだろ!」

別れと次なる支の予告

力を手に入れたタカシとユウジは、次なる支「蛇」へ向かうことにした。別れ際、リュウタロ・ドラゴンは意味深な言葉を残した。

「次に会う蛇のヘビコ・カーネルには気をつけろ。彼女は美しいが、かなりのナルシストだ。そして、何よりも……自撮りが異常に多い!」

「何それ、忍術関係あるのか?」

「それは会ってみてのお楽しみだ!」

こうして、タカシたちは再び旅路へと向かったが、リュウタロ・ドラゴンのトカゲ感が頭から離れず、彼らの会話はそのことばかりだった。
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