92 / 157
第92話: リュウタロ・ドラゴンの大誇張
しおりを挟む
タカシとユウジは、次なる伝説の支「龍」に会うため、「ドラゴンボーン山脈」へと向かった。この山脈は、雲よりも高く、至るところで炎が吹き上がる危険地帯として知られていた。しかし、なぜかそこら中に「ドラゴン・リゾート」という観光地の案内板が立っている。
「おいユウジ、ここ観光地か?伝説の龍がいる場所って感じしねえぞ。」
「確かに……でも龍って強そうだし、これくらい派手でもいいんじゃないか?」
案内板をたどっていくと、「ドラゴンの巣窟」なる建物にたどり着いた。ところが、そこには「営業中」と書かれた看板があり、横にはなぜかフワフワの着ぐるみドラゴンが来場者を出迎えていた。
リュウタロ・ドラゴンの登場
「伝説の龍、リュウタロ・ドラゴンはここにいるのか?」
タカシが尋ねると、突然「ドラゴンの巣窟」の扉が爆音とともに開いた。
「フハハハハ!我こそが伝説の龍、リュウタロ・ドラゴンだ!」
現れたのは、確かに大きな羽を持つドラゴン――のように見えるが、よく見ると羽が明らかに紙でできている。そして胴体はただの巨大なトカゲそのものだった。
「……ただのデカいトカゲじゃねえか。」
タカシが呆れると、リュウタロ・ドラゴンは胸を張って言い返した。
「失礼なことを言うな!これでも立派な龍だ!ほら、羽もあるだろう!」
「それ、工作用紙で作ったやつだろ!」
「フン、素人にはこの高貴な雰囲気が分からないのだな。まあいい、何用だ?」
ドラゴンの試練?
タカシとユウジは、リュウタロ・ドラゴンに「龍の力」を求めに来たことを告げた。するとリュウタロ・ドラゴンはニヤリと笑い、突然派手に火を吹き上げた――が、その火はなぜか線香花火のようにショボショボしていた。
「……あの、弱くない?」
ユウジが指摘すると、リュウタロは慌てて言い訳を始めた。
「今日は調子が悪いだけだ!いつもはもっとドカンと来るんだ!本当だぞ!」
「お前、本当に龍なのかよ。」
タカシが疑いの目を向けると、リュウタロ・ドラゴンは怒りを露わにし、大声で叫んだ。
「ならば試練を受けるがよい!私の炎を浴びきれるか試してみろ!」
そう言って再び火を吹いたが、結果はさっきと同じショボショボの線香花火であった。
「おい、全然熱くねえぞ!」
「むしろ涼しいな、これ。」
真の力を証明せよ
リュウタロ・ドラゴンはさすがに自分のショボさに気づき始めたのか、「本気を出す」と宣言した。そして洞窟の奥に引っ込むと、大きな金属製のボンベを引きずってきた。
「見よ、これがドラゴンの秘宝『ガスボンベX』だ!」
「おい、それただのガスボンベだろ!」
リュウタロはそれを背中に装着し、再び火を吹こうとした。しかし、予想通り火は勢いよく吹き上がりすぎて洞窟全体が燃えそうになり、慌てて消火器を使う羽目に。
「ちょ、ちょっと調整が難しいだけだ!次は成功する!」
「もういいよ!お前、本当に龍じゃなくてただの危ないトカゲだろ!」
ドラゴンの力を授かる
なんだかんだでリュウタロ・ドラゴンはタカシたちに力を授けることにした。
「これが龍の力『ミニドラゴンリング』だ!これをつければ君たちも炎を操れる!」
「どうせまた線香花火程度なんじゃねえのか?」
タカシが文句を言うと、リュウタロは焦った様子で言い返した。
「ち、違う!これは本当に強力だ!でも、使うときはちゃんとガスを補充するんだぞ!」
「補充が必要な時点でおかしいだろ!」
別れと次なる支の予告
力を手に入れたタカシとユウジは、次なる支「蛇」へ向かうことにした。別れ際、リュウタロ・ドラゴンは意味深な言葉を残した。
「次に会う蛇のヘビコ・カーネルには気をつけろ。彼女は美しいが、かなりのナルシストだ。そして、何よりも……自撮りが異常に多い!」
「何それ、忍術関係あるのか?」
「それは会ってみてのお楽しみだ!」
こうして、タカシたちは再び旅路へと向かったが、リュウタロ・ドラゴンのトカゲ感が頭から離れず、彼らの会話はそのことばかりだった。
「おいユウジ、ここ観光地か?伝説の龍がいる場所って感じしねえぞ。」
「確かに……でも龍って強そうだし、これくらい派手でもいいんじゃないか?」
案内板をたどっていくと、「ドラゴンの巣窟」なる建物にたどり着いた。ところが、そこには「営業中」と書かれた看板があり、横にはなぜかフワフワの着ぐるみドラゴンが来場者を出迎えていた。
リュウタロ・ドラゴンの登場
「伝説の龍、リュウタロ・ドラゴンはここにいるのか?」
タカシが尋ねると、突然「ドラゴンの巣窟」の扉が爆音とともに開いた。
「フハハハハ!我こそが伝説の龍、リュウタロ・ドラゴンだ!」
現れたのは、確かに大きな羽を持つドラゴン――のように見えるが、よく見ると羽が明らかに紙でできている。そして胴体はただの巨大なトカゲそのものだった。
「……ただのデカいトカゲじゃねえか。」
タカシが呆れると、リュウタロ・ドラゴンは胸を張って言い返した。
「失礼なことを言うな!これでも立派な龍だ!ほら、羽もあるだろう!」
「それ、工作用紙で作ったやつだろ!」
「フン、素人にはこの高貴な雰囲気が分からないのだな。まあいい、何用だ?」
ドラゴンの試練?
タカシとユウジは、リュウタロ・ドラゴンに「龍の力」を求めに来たことを告げた。するとリュウタロ・ドラゴンはニヤリと笑い、突然派手に火を吹き上げた――が、その火はなぜか線香花火のようにショボショボしていた。
「……あの、弱くない?」
ユウジが指摘すると、リュウタロは慌てて言い訳を始めた。
「今日は調子が悪いだけだ!いつもはもっとドカンと来るんだ!本当だぞ!」
「お前、本当に龍なのかよ。」
タカシが疑いの目を向けると、リュウタロ・ドラゴンは怒りを露わにし、大声で叫んだ。
「ならば試練を受けるがよい!私の炎を浴びきれるか試してみろ!」
そう言って再び火を吹いたが、結果はさっきと同じショボショボの線香花火であった。
「おい、全然熱くねえぞ!」
「むしろ涼しいな、これ。」
真の力を証明せよ
リュウタロ・ドラゴンはさすがに自分のショボさに気づき始めたのか、「本気を出す」と宣言した。そして洞窟の奥に引っ込むと、大きな金属製のボンベを引きずってきた。
「見よ、これがドラゴンの秘宝『ガスボンベX』だ!」
「おい、それただのガスボンベだろ!」
リュウタロはそれを背中に装着し、再び火を吹こうとした。しかし、予想通り火は勢いよく吹き上がりすぎて洞窟全体が燃えそうになり、慌てて消火器を使う羽目に。
「ちょ、ちょっと調整が難しいだけだ!次は成功する!」
「もういいよ!お前、本当に龍じゃなくてただの危ないトカゲだろ!」
ドラゴンの力を授かる
なんだかんだでリュウタロ・ドラゴンはタカシたちに力を授けることにした。
「これが龍の力『ミニドラゴンリング』だ!これをつければ君たちも炎を操れる!」
「どうせまた線香花火程度なんじゃねえのか?」
タカシが文句を言うと、リュウタロは焦った様子で言い返した。
「ち、違う!これは本当に強力だ!でも、使うときはちゃんとガスを補充するんだぞ!」
「補充が必要な時点でおかしいだろ!」
別れと次なる支の予告
力を手に入れたタカシとユウジは、次なる支「蛇」へ向かうことにした。別れ際、リュウタロ・ドラゴンは意味深な言葉を残した。
「次に会う蛇のヘビコ・カーネルには気をつけろ。彼女は美しいが、かなりのナルシストだ。そして、何よりも……自撮りが異常に多い!」
「何それ、忍術関係あるのか?」
「それは会ってみてのお楽しみだ!」
こうして、タカシたちは再び旅路へと向かったが、リュウタロ・ドラゴンのトカゲ感が頭から離れず、彼らの会話はそのことばかりだった。
11
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様
あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。
死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。
「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」
だが、その世界はダークファンタジーばりばり。
人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。
こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。
あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。
ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。
死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ!
タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。
様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。
世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。
地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います
ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。
懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる