スーパー忍者・タカシの大冒険

Selfish

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第95話: 羊(メエリーヌ)のモフモフ布地騒動

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タカシとユウジは、次なる12支「羊」の力を得るため、山岳地帯「フワモコパラダイス」へと向かっていた。そこは地面が雲のようにふわふわしており、足を踏みしめるたびに「ぽよん」と跳ね返ってくる不思議な土地だった。

「なんだよこの土地!歩くだけで筋肉痛になるだろ!」
タカシが跳ねまくりながら文句を言うと、ユウジも同意した。
「いや、俺たち忍者がここで忍び歩きとか不可能だろ。どうやって羊を見つけるんだよ。」

その時、遠くから甲高い声が聞こえた。

「モフモフの最高峰へようこそ!私こそが伝説の羊、メエリーヌよ!」

メエリーヌ登場

声の方向を振り返ると、そこには真っ白でふわふわした羊が立っていた……いや、ふわふわしすぎて羊というより、巨大な綿菓子に足が生えたように見える。

「おいおい、どこまでが羊でどこまでがモフなんだよ!」
タカシがツッコむと、メエリーヌは自信満々に自分の毛を撫でた。

「このモフモフこそ、私の誇りなのよ!私の毛は最高級の布地として伝説になっているの!」

「え、それ本当?」
ユウジが興味津々で触ろうとするが――触った瞬間、手がチクッと刺さった。

「イテッ!なんだこれ!めっちゃ痛ぇじゃねえか!」
「ええ、私の毛はただのモフモフじゃないのよ。**『チクチクモフ』**と呼ばれる最高に高級感ある素材なの!」
メエリーヌは自慢げに胸(の辺り)を張った。

メエリーヌの困った技

「で、その『チクチクモフ』って何に使えるんだ?」
タカシが尋ねると、メエリーヌは「ふふん」と笑って説明を始めた。

「まず、この毛を巻くと敵は猛烈な痒みに襲われるの。あまりの痒さで戦うどころじゃなくなるわ!」

「ただの地味な嫌がらせじゃねえか!」
「さらに、この毛を燃やすと――」

そう言った瞬間、メエリーヌは自分の毛を一本ちぎり、火をつけてみせた。すると、物凄い勢いで毛が爆発し、あたり一面が煙に包まれた。

「ゲホゲホ!お前、危険すぎだろ!」
タカシが煙を払いながら叫ぶと、メエリーヌは平然と微笑んだ。

「この煙で敵の目をくらませるのも私の得意技よ。名前は**『スモークモフモフ』**。」

「いや、それ味方も巻き込まれるだろ!」
ユウジが咳き込みながら突っ込むが、メエリーヌは一切気にしていない様子だった。

山を襲うモフ泥棒たち

そんなやり取りをしている最中、遠くからバサバサという音が聞こえてきた。見ると、巨大な鳥のような生物たちがメエリーヌの毛を狙って飛んできた。

「出たわね!あいつらはモフ泥棒団・ポヨーズよ!」
メエリーヌが叫ぶと、鳥たちは口ばしでメエリーヌの毛をむしろうとしてきた。

「助けてちょうだい!私の毛が全部抜かれたら、ただの細い羊になっちゃう!」

「いや、お前その状態も見てみたいけどな!」
タカシが言いつつ、忍者道具を構える。

チクチクモフの逆襲

ポヨーズは次々とメエリーヌに突進してくるが、タカシとユウジの忍術では鳥たちの素早い動きを捉えきれない。

「ダメだ、速すぎる!」
ユウジが諦めかけたその時、メエリーヌが叫んだ。

「こういう時こそ、私のチクチクモフの出番よ!」

そう言って自分の毛を勢いよく振り回すと、毛が細かい針のように飛び散り、ポヨーズたちに直撃した。鳥たちは猛烈な痒みに襲われ、空中でバタバタと暴れた末にどこかへ飛び去っていった。

「すげぇ……あの毛、意外と使えるのか?」
タカシが感心すると、メエリーヌは得意げに答えた。

「そうよ!この毛は攻撃にも防御にも役立つの!あなたたちにもこの力を授けてあげるわ!」

モフの力を受け継ぐ

メエリーヌは自分の毛を小さな袋に詰めて渡した。袋には「特製・痒みMAXモフ」と書かれている。

「これを敵に投げつければ、一瞬で痒み地獄よ!」

「ありがとな。まぁ……使うタイミングがあればいいけどな。」
タカシは袋を受け取ると、次なる目的地のヒントを聞いた。

「次は猿の力を探すのね。場所は……バナナカンカン山脈よ。」

「また名前からして変な場所だな……」
タカシは呟きつつ、ユウジとともにフワモコパラダイスを後にした。

後ろでメエリーヌが「またモフモフが必要になったらいつでも来てね!」と叫ぶが、二人とも二度と来る気はなかった。

こうして、タカシたちは次なる猿「モンキーノ」を目指し、新たな冒険に踏み出すのだった。
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