スーパー忍者・タカシの大冒険

Selfish

文字の大きさ
96 / 157

第96話: バナナカンカン山脈と猿(モンキーノ)の罠

しおりを挟む
タカシとユウジが次に向かったのは、その名も**「バナナカンカン山脈」**。その名の通り、山全体がバナナ色をしており、道端にはバナナの皮が散乱していた。

「おいユウジ、なんだよこの場所。歩くだけで滑りそうになるじゃねえか。」
「しかもバナナ臭がすげぇ。もう食べたくなくなるレベルだな。」

二人が文句を言いながら進むと、突然、どこからともなくけたたましい笑い声が響いてきた。

「ヒャッハッハッハ!ようこそ我が縄張りへ!」

モンキーノ登場

声の主は、岩の上に仁王立ちしている一匹の猿だった。だが、普通の猿とは違い、頭には王冠をかぶり、手にはバナナを持っている。全体的に偉そうだが、どこか抜けている雰囲気がある。

「俺こそ伝説の猿、モンキーノだ!ここは俺のバナナ王国だぜ!」

タカシは呆れ顔でツッコんだ。
「いや、バナナが散らばってるだけだろ!どこが王国なんだよ!」

「なんだとぉ!?このバナナ畑は俺が何百年もかけて育てた特産品なんだぞ!」
モンキーノが言うが、タカシは足元に転がる腐りかけのバナナを指差す。

「こんな腐ったやつが特産品かよ!」

モンキーノは慌てて腐ったバナナを蹴り飛ばし、咳払いした。
「ま、まぁいい!お前たちには試練を受けてもらうぜ!」

モンキーノの試練

「試練ってなんだ?」
タカシが警戒していると、モンキーノは得意げにバナナを掲げた。

「このバナナを食べろ!」

「え、それだけ?」
ユウジが怪訝な顔をする。

「甘いな!これはただのバナナじゃない!食べたら……食べたら……」
モンキーノが言葉に詰まっていると、後ろの岩陰から別の猿が小声でアドバイスをした。
「腹壊すって言えばいいんだよ!」

「あ、そうだ!腹が壊れるぜ!」
モンキーノが慌てて訂正したが、タカシとユウジはすでに呆れていた。

「いや、それただの嫌がらせだろ!」
「試練っていうか、単なるイタズラじゃねぇか!」

バナナ爆弾の恐怖

するとモンキーノは急に真剣な表情になり、手に持っていたバナナを空中に投げた。バナナは宙で光を放ち、突然爆発した。

「どうだ!これが俺の必殺技、バナナボム!」

「バナナが爆弾になるとか聞いてねえよ!」
タカシは慌てて身を伏せたが、ユウジが冷静に指摘した。

「でもさ、そのバナナボム、威力ショボくね?」

たしかに爆発は派手だったが、周囲には焦げたバナナの香りが漂うだけで、大した被害はなかった。

「うっ……まぁ、お前たちには十分効くだろう!」
モンキーノは負け惜しみを言いつつ、次々とバナナを投げ始めた。

タカシの逆転

「こんなふざけた試練、終わらせてやる!」
タカシはポケットから、メエリーヌからもらった「チクチクモフ」を取り出し、モンキーノに向けて投げた。

「くらえ!チクチクモフ爆弾!」

モンキーノは爆弾だと思って逃げようとしたが、袋が破裂して大量のチクチク毛が猿たちに降り注いだ。

「イテテテ!なんだこれ!めっちゃ痛ぇ!」
「痒い!痒いぃぃぃ!」

モンキーノも他の猿たちも、チクチク毛の痒みに耐えきれず山を駆け回った挙げ句、バナナの皮で滑って転んでいった。

モンキーノの力を得る

痒みが治まったモンキーノは泣きながらタカシに力を授けた。

「くそっ、俺に勝ったお前たちに、この力を授けるよ……これだ!」

モンキーノは一房のバナナを差し出した。

「これをどうすんだよ?」
ユウジが聞くと、モンキーノは真顔で言った。

「敵に向かって投げろ。相手が全力で滑るぜ。」

「ただの嫌がらせじゃねーか!」
タカシとユウジはまたしてもツッコミを入れるが、結局バナナをありがたく受け取り、次の目的地へ向かうことにした。

次の目的地: コケーリオンの朝鳴き峠

「次は鶏の力か……」
タカシが地図を見ながら呟くと、ユウジが不安そうに言った。

「どうせまた変な試練が待ってるんだろうな。」

「まぁいいさ。俺たちはもう何でも乗り越えられる忍者だ!」

二人は爆発するバナナの山を背に、新たな冒険へと歩き出した。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様

あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。 死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。 「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」 だが、その世界はダークファンタジーばりばり。 人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。 こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。 あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。 ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。 死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ! タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。 様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。 世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。 地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

処理中です...