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女王の登場
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「女王陛下??どうしてこちらに??」
「女王陛下はやめてちょうだい。ここには非公式できたのよ。」
ミルラレティーは冷たい視線を妹であるローズミナに向けた。
とある貴族が中心となり起こったクーデターで王女ミルラレティーはフィルランダ国に残り、妹である王女ローズミナは国外に出ていた。
王族の血筋を残すという使命のため、2人は離れ離れになっていたのだ。
「あなたを迎えにきたのよ。」ミルラレティーは吐き捨てるように言った。
「えっ‥」
ミルラレティーの言葉をローズミナは理解できなかった。
確かに国から宰相補佐が迎えがくると連絡はきていた。
それに女王がついてくるなどあり得ないことで想像もしていなかったからだ。
「我が国の王位継承権二位のあなたに帰国許可がおりたわ。だからわたくしが迎えに来たのよ。」
「女王陛下自らですか?」
「女王陛下と呼ぶのは臣下達だけで十分よ。」
ミルラレティーはふぅとため息をついた。
確かにフィルランダ王国でミルラレティーはほかの呼び方をするものはいないだろう。
クーデターで両親である国王夫妻は殺されているのだから。
「お姉さま」
ローズミナはフィルランダ王宮にいた頃の呼び名でミルラレティーを呼んだ。
クーデターから5年ぶりに姉妹は会えた。
にも関わらず感動の再会とはいえないギスギスした雰囲気が流れている。
現在、隣国の公爵領で保護をされていたローズミナを姉である女王自らが迎えに来ているのだ。
宰相補佐も公爵もローズミナに秘密で迎えに行きたいと聞いた時、感動させたいという女王のサプライズかと思い、ローズミナには伝えていなかった。
女王のお供としてついてきていた宰相補佐もローズミナを保護していた公爵もミルラレティーの態度に驚いた。
ミルラレティーはフンと鼻で笑う。
「わたくしが大変だった間にあなたはそんな風に笑いながら過ごしていたのね。国王達に愛された可愛らしい王女様」
ローズミナの名前さえ言いたくないといった様子のミルラレティー。
その一言で宰相補佐も公爵もミルラレティーがローズミナに秘密でここに来たのは、ローズミナの現状をみて皮肉を言いたかったのだと気づいた。
ローズミナは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに悲しそうな顔になった。
「あなたは選ばれた王女ですものね。危険が迫ると真っ先に国外に逃がされ、逃亡先の国でもしっかりと守られてそんな風に笑って過ごせる。愛された王女は幸せになりました‥物語のようね。」
冷たく笑うミルラレティーがローズミナを憎んでいることが誰の目にも明らかだった。
「女王陛下はやめてちょうだい。ここには非公式できたのよ。」
ミルラレティーは冷たい視線を妹であるローズミナに向けた。
とある貴族が中心となり起こったクーデターで王女ミルラレティーはフィルランダ国に残り、妹である王女ローズミナは国外に出ていた。
王族の血筋を残すという使命のため、2人は離れ離れになっていたのだ。
「あなたを迎えにきたのよ。」ミルラレティーは吐き捨てるように言った。
「えっ‥」
ミルラレティーの言葉をローズミナは理解できなかった。
確かに国から宰相補佐が迎えがくると連絡はきていた。
それに女王がついてくるなどあり得ないことで想像もしていなかったからだ。
「我が国の王位継承権二位のあなたに帰国許可がおりたわ。だからわたくしが迎えに来たのよ。」
「女王陛下自らですか?」
「女王陛下と呼ぶのは臣下達だけで十分よ。」
ミルラレティーはふぅとため息をついた。
確かにフィルランダ王国でミルラレティーはほかの呼び方をするものはいないだろう。
クーデターで両親である国王夫妻は殺されているのだから。
「お姉さま」
ローズミナはフィルランダ王宮にいた頃の呼び名でミルラレティーを呼んだ。
クーデターから5年ぶりに姉妹は会えた。
にも関わらず感動の再会とはいえないギスギスした雰囲気が流れている。
現在、隣国の公爵領で保護をされていたローズミナを姉である女王自らが迎えに来ているのだ。
宰相補佐も公爵もローズミナに秘密で迎えに行きたいと聞いた時、感動させたいという女王のサプライズかと思い、ローズミナには伝えていなかった。
女王のお供としてついてきていた宰相補佐もローズミナを保護していた公爵もミルラレティーの態度に驚いた。
ミルラレティーはフンと鼻で笑う。
「わたくしが大変だった間にあなたはそんな風に笑いながら過ごしていたのね。国王達に愛された可愛らしい王女様」
ローズミナの名前さえ言いたくないといった様子のミルラレティー。
その一言で宰相補佐も公爵もミルラレティーがローズミナに秘密でここに来たのは、ローズミナの現状をみて皮肉を言いたかったのだと気づいた。
ローズミナは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに悲しそうな顔になった。
「あなたは選ばれた王女ですものね。危険が迫ると真っ先に国外に逃がされ、逃亡先の国でもしっかりと守られてそんな風に笑って過ごせる。愛された王女は幸せになりました‥物語のようね。」
冷たく笑うミルラレティーがローズミナを憎んでいることが誰の目にも明らかだった。
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