【完結】身体の入れ替わり先は聖女様で第二王子の婚約者⁉︎

みやちゃん

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アイーダ改コトミの目覚め

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目の前が明るい。ここはどこ?
うっすらと目を開ける。

「アイーダ様?目を覚まされたのですか?」
覗き込む知らない顔‥めちゃくちゃ美人だけど、誰、この人‥言葉はわかるけど。

「すぐにルイード様と侍医をお呼びして!」
テキパキ指示を飛ばす。
「あぁ、もう一週間も目を覚まさなかったのですよ‥良かったです。本当に良かった。」
涙をハラハラ流している。

うん、美女は泣いても美女だ。私のベットの側で泣き崩れている。

「あなたはだれ?」

私の質問に目を大きく見開く。

「私はアイーダ様付きの侍女ミルダです。覚えておられないのですか?」

私はベットから体を起こした。

「ミルダさん?」
私も名前を繰り返す。

「いつものようにミルダと呼びすてにしてくださいませ。」
ミルダさんは傷ついたように涙を流す。

うーん、アイーダじゃないし、初対面の人にそんなこと言うのは本人の許可があっても言いにくい。

「ごめんなさい、ミルダさんでいい?私、何も覚えていないの。」

アイーダと打ち合わせた通り記憶喪失で通そう。

「アイーダ!目を覚ましたのか!」
とびきりの美形が扉をバンと開け、飛び込んできた。
こんなかっこいい人、テレビとかでしか見たことがない。
私の視線を感じ、顔をしかめる美形。

「ルイード様‥アイーダ様がその‥」
ミルダさんは説明することができない。
この人がアイーダの恋人さんなんだ。最初が肝心っていうし、悪い印象は与えたくない。

「あなたは誰?」
何も覚えていません感を出してみた。
私なりにだけど。疑われたらどうしよう。今ここを追い出されたら、どうやって生きていけばいいか‥

「アイーダ?」
傷ついた顔をする美形さん。
疑っている様子はなくてホッとしたけど、騙している罪悪感もこみ上げてくる。

ルイードから全てを聞いた。
急に倒れ、一瞬心臓が止まったと‥
その後、一週間意識不明だった事、ルイードはアイーダの婚約者であること。

ってただの女子高生だった私がこんなキラキラ美形の婚約者になるの?
んなの聞いてない!
恋人かと聞いたらちゃんと答えなかったのはこういうわけだったのか。
その上、あり得ない言葉が聞こえてきた。
この国の王と同じ地位にいる聖女アイーダなのだと。
アイーダってそんなすごい人だったの。
そもそも聖女って何?仕事?
国を治めてる人と同じ地位っておかしいでしょ!
ねぇ、誰が嘘だと言って!その代わりが私なんて‥

こんな訳わからない世界で生きていけそうな気がしない。
目覚めて一時間は経っていないと思う。にも関わらず、先の不安しかなかった。

私は聖女でもアイーダでもないと言いたい。
今すぐここから出ていきたい。

でも‥私はアイーダじゃありません。違う世界から来ましたと言って誰が信じるんだろう。

下手したら頭がおかしな奴で病院送りだ。
やっぱり記憶喪失は継続していこう‥

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