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聖女暗殺未遂の罪
しおりを挟むついに来た‥
聖女暗殺未遂に間接的に関わった人を罰する会‥
一番悪い私が裁かれるべきなんだと思うけれど。
ミルダさんに連れられて行かれた部屋には、レオさんを中心に5人のおじ様達が椅子に座っていた。
私に椅子が用意されており、座る。
全体を見渡せる端っこに構えられていた。
私は見守り的な役目なのだろうか。
レオさんの周りの人達はこの国の偉い人達らしい。
「国王は国外の為、私がこの議会を仕切る。始めよう。」
レオさん堂々と宣言。
一人ずつ名前を呼ばれ罪状を言われる。
驚いた事にその中にルイードも入っている。
議決権持ってるって言ってなかったっけ?裁かれながらも裁くの?
意味わかんない‥
ルイードの罪状は私への説明責任を果たさなかった事、会場から一人で外に出した事だ。
まぁ、重要機密だとアーリア姫の事を隠したのはまぁ、傷ついたけど本当に話せない事だったんだろうし‥
会場を出たのは私の意思だし‥
「異議のあるものは?」
罪状を言い終えた後、レオさんは聞く。
「はい!」
手を挙げる。
レオさんがこちらを向く。
「聖女様‥」
口を開いてもらいたくなさそうだ。
「それら全ては私の責任です。皆が罰を受けるならまずは私ですよね?」
シーン‥
今日の会は波乱に満ちる‥
めちゃくちゃそんな空気を皆が出している。
「聖女様、国王が国内にいない現状ではあなたがこの国のトップです。あなたを罰する事ができる者などいません。」
レオさんは困りながら丁寧に答える。
えっ、おかしくない?
偉い人は悪いことしても罪に問われないの?
「それって‥」
おかしくないと言いかけて皆の視線を感じ言えなかった。
それ以上言うなという念を感じた。
「わたくしも納得できません。どうして聖女暗殺未遂に関わった事になるのですか?何もしておりません。」
アーリア姫は凛という。
やっぱり美少女。
「何をいう、あなたが聖女を騙して呼び出さなければこんな事にはならなかった。」
ルイードは冷たくいう。
ルイード‥あなたも罰せられる側なんですよね?
なんでそんな偉そうなの?
「騙していないわ。夜会に連れてきてほしいとお願いしただけよ。」
「何のために?」
ルイードは詰め寄る。
「それは‥」
少し困ったように目をそらしたアーリア姫。
「聖女に恥をかかせようとするのはこの国に対する不敬だ。」
ルイードはアーリア姫を責め立てる。
「わたくしはただ、あなたに認めもらいたくて‥」
「認めるわけないだろう。本当にしつこい。そんな風に想われるのは昔から迷惑だった。」
ため息をつくルイード。
涙目で下を向くアーリア姫。
なんかムカつく!
受け入れられないのを断るのは仕方ない。
アーリア姫が私にやった事も腹がたつ‥
だけど‥
私と歳も変わらない女の子をこんな公衆の面前で責める?
私だって恋に夢見る女子高生だった。
酷すぎる!
私はムカつきを前面に出ながらルイードに向かって怒鳴る。
「ただ自分をアピールしたかっただけでしょ!想われているルイードが迷惑だとこんな場で言うのはおかしい。アーリア姫に謝って。恋する乙女に対する冒瀆だよ!」
「は?何の話だ!聖女が命を狙われたんだ。その原因を作った。それが直接命を狙った訳でなくとも」
ルイードは苛立つように言った。
「じゃあ、私は何の罪に問われるの?勝手な事をし、周囲をこんな風に巻き込んで、護衛さんも危険に晒した。」
ルイードは大きく息を吐いた。
呆れている‥
その態度をみたらわかる。
「聖女を守るのが護衛の仕事だ。お前の盾になり、命をかけても守る。それが護衛だ。」
ルイードにとっては当たり前の事なのだろう。
当然だという顔をしている。
はぁ?バカじゃない?
命をかけて守る?
死ねってこと?
あの時の恐怖がこみ上げてくる。
人の命が軽いこの世界への怒りがこみ上げてくる。
ルイードのその当然という態度が許せない。
いつも優しかったルイードだからこそ、余計に許せない。
立ち上がって、ツカツカとルイードの側まで行き、睨んだ。
「聖女様、お座りください!」
レオさんの声がする。
パンッ!!
ルイードの頬を思いっきり叩いた。
ルイードは思ってもみない私からの攻撃に目を見開いた。
レオさん、アーリア姫、その場にいた人達、皆ただただ呆気にとられている。
「何をする‥」
ルイードは、唇が切れて出た血を拭った。
「もう一度言ってみて。命をかける?護衛さんの命は私より軽いというの?人の命を何だと思ってる?」
「お前は聖女だ。代わりなどいない。」
「護衛さんにだって代わりはいない!命は一つしかないんだよ?私も死にたくないけど、私のために誰かが死んでもいいなんて言うな!」
人の命を軽く扱うこんな世界やっぱり大嫌いだ‥
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