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王妃主催のお茶会には第二王子と年齢が近い令嬢達が数名集められる。
家柄はもちろん、マナーや教育面、性格などを見て王子妃の婚約者を決めていくために。
どの家も娘がこのお茶会に参加して王子の婚約者となる事を夢見ている。
だから、物心つく前から各家で必死に娘の教育を行い、王家はその中から婚約者を決めていく。
このお茶会で王子の婚約者となると王子妃の教育の始まる。優秀な者を選ばなければ王子妃教育についていけないのに…
あの時は何も考えてはいなかったわ。
だけど、私がアルフード様に一目惚れをしてお父様にお願いしたのが間違っていたのよ…
幼い時のアメリアは自分は優秀で美しい少女だと疑わなかった。
アメリアが大好きな両親と使用人からの言葉でひいき目があったと後から気づく。
実家ではいつも褒められていたから勘違いしてしまった自分が恥ずかしい。
物語の中のお姫様に憧れていた。
アルフード様と一緒に幸せになれるとあの時は信じていた。
でも…
王子の婚約者となって妃教育が始まると自分がどれだけできない人間なのかわかってしまった。
どれだけ頑張ってもなかなかできない。
元々優秀でもない、家柄が良いだけの凡人には王子妃教育は辛いものだった。
周囲の呆れや蔑む視線。
当たり前よ、公爵令嬢のわがままでアルフード様の婚約者になったのだから。
必死でアルフード様の横に立とうと頑張っていた優秀な令嬢たちから蔑まれるのも仕方がないわ。
どうしてお父様にアルフード様の婚約者となりたいなんてお願いしたのだろう。
いくら後悔してもどうしようもできなかったけど…
今は違う。
今なら婚約者にならなくても済む。
アルフード様に似合う婚約者はきっとこの中にいる。
お父様に恥をかかせることになるけれど、アルフード様に他の婚約者ができたら、すぐにやめますから許してくださいね。
お茶会の場に来られるだけあって皆、マナーも綺麗だ。
皆アメリアを見て驚いている。
同類と思われたくないのか近づいて挨拶する者もいない。
遠巻きにチラチラと見られる視線だけを感じていた。
いい感じでみんな避けてくれているわ。
一番端で大人しくしていましょう。
この場で婚約者として相応しくないと判断されれば、アルフード様から離れられる。
皆の様子を見ると大丈夫そうね。
令嬢が談笑していると王妃様とアルフード様がやってきた。
「今日はよく来てくれました。楽しんでくれると嬉しいわ。」
王妃様が微笑みながら令嬢達に挨拶をする。
アルフード様とよく似たその笑顔に引き込まれそうになる。
立っているだけなのに本当にいつ見ても綺麗。
アメリアは前回王妃様からも教育を受けていた。厳しくも優しい王妃様が大好きだった。
「アメリア嬢がそんな顔で見つめるなんて例え母だとしても嫌なものですね。」
ポーと王妃様を見ていたアメリアは、背後で聞こえるアルフードの声に驚いて慌てて振り返った。
「アルフード様…」
そこには8歳のアルフード様がニコニコと笑いながら立っていた。
今、アメリア嬢と呼ばなかった?
今日が初対面なはず…
どうしてここに来ているの?
そんな私の戸惑いなど気にしていないようにアルフード様は上機嫌だ。
「アメリア嬢は何を着ても綺麗ですが、今日は私の為に着飾ってくれたのですね。嬉しいです。」
何を着ても?このお茶会で初めて出会ったんじゃないの?
でもそれなら前回のアルフード様がお見舞いに来たのも納得ができる。
お茶会にも参加していないのにお見舞いに来たり、トントンと進んでしまった婚約。
最初からアルフード様は私を知っていた。
そう考えると説明がつく。
周囲の令嬢達はアメリアに向けたアルフード様のとろけた笑顔を見てざわついた。
どう見たってアメリアの服装はこの場にあったものではないし、香水臭くて近くにいるのも辛いほどなのに…
アルフード様は女性の趣味が悪い。
皆そう思った。
家柄はもちろん、マナーや教育面、性格などを見て王子妃の婚約者を決めていくために。
どの家も娘がこのお茶会に参加して王子の婚約者となる事を夢見ている。
だから、物心つく前から各家で必死に娘の教育を行い、王家はその中から婚約者を決めていく。
このお茶会で王子の婚約者となると王子妃の教育の始まる。優秀な者を選ばなければ王子妃教育についていけないのに…
あの時は何も考えてはいなかったわ。
だけど、私がアルフード様に一目惚れをしてお父様にお願いしたのが間違っていたのよ…
幼い時のアメリアは自分は優秀で美しい少女だと疑わなかった。
アメリアが大好きな両親と使用人からの言葉でひいき目があったと後から気づく。
実家ではいつも褒められていたから勘違いしてしまった自分が恥ずかしい。
物語の中のお姫様に憧れていた。
アルフード様と一緒に幸せになれるとあの時は信じていた。
でも…
王子の婚約者となって妃教育が始まると自分がどれだけできない人間なのかわかってしまった。
どれだけ頑張ってもなかなかできない。
元々優秀でもない、家柄が良いだけの凡人には王子妃教育は辛いものだった。
周囲の呆れや蔑む視線。
当たり前よ、公爵令嬢のわがままでアルフード様の婚約者になったのだから。
必死でアルフード様の横に立とうと頑張っていた優秀な令嬢たちから蔑まれるのも仕方がないわ。
どうしてお父様にアルフード様の婚約者となりたいなんてお願いしたのだろう。
いくら後悔してもどうしようもできなかったけど…
今は違う。
今なら婚約者にならなくても済む。
アルフード様に似合う婚約者はきっとこの中にいる。
お父様に恥をかかせることになるけれど、アルフード様に他の婚約者ができたら、すぐにやめますから許してくださいね。
お茶会の場に来られるだけあって皆、マナーも綺麗だ。
皆アメリアを見て驚いている。
同類と思われたくないのか近づいて挨拶する者もいない。
遠巻きにチラチラと見られる視線だけを感じていた。
いい感じでみんな避けてくれているわ。
一番端で大人しくしていましょう。
この場で婚約者として相応しくないと判断されれば、アルフード様から離れられる。
皆の様子を見ると大丈夫そうね。
令嬢が談笑していると王妃様とアルフード様がやってきた。
「今日はよく来てくれました。楽しんでくれると嬉しいわ。」
王妃様が微笑みながら令嬢達に挨拶をする。
アルフード様とよく似たその笑顔に引き込まれそうになる。
立っているだけなのに本当にいつ見ても綺麗。
アメリアは前回王妃様からも教育を受けていた。厳しくも優しい王妃様が大好きだった。
「アメリア嬢がそんな顔で見つめるなんて例え母だとしても嫌なものですね。」
ポーと王妃様を見ていたアメリアは、背後で聞こえるアルフードの声に驚いて慌てて振り返った。
「アルフード様…」
そこには8歳のアルフード様がニコニコと笑いながら立っていた。
今、アメリア嬢と呼ばなかった?
今日が初対面なはず…
どうしてここに来ているの?
そんな私の戸惑いなど気にしていないようにアルフード様は上機嫌だ。
「アメリア嬢は何を着ても綺麗ですが、今日は私の為に着飾ってくれたのですね。嬉しいです。」
何を着ても?このお茶会で初めて出会ったんじゃないの?
でもそれなら前回のアルフード様がお見舞いに来たのも納得ができる。
お茶会にも参加していないのにお見舞いに来たり、トントンと進んでしまった婚約。
最初からアルフード様は私を知っていた。
そう考えると説明がつく。
周囲の令嬢達はアメリアに向けたアルフード様のとろけた笑顔を見てざわついた。
どう見たってアメリアの服装はこの場にあったものではないし、香水臭くて近くにいるのも辛いほどなのに…
アルフード様は女性の趣味が悪い。
皆そう思った。
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