わがまま妃はもう止まらない

みやちゃん

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「お母様!ごめんなさい!お母様、お母様!」

カミーラが血まみれで倒れている。
ミルアージュはそんなカミーラに抱きついて泣いている。

ミルアージュはまだ4歳…

暗殺者はカミーラではなくミルアージュに狙いを定めて襲ってきた。
それをカミーラが身を呈してミルアージュを守った。

目の前で大好きな母親が自分を守った。自分のせいで母親が死んでしまう。
ミルアージュの衝撃は大きかった。

そんなミルアージュを見て血まみれの手でミルアージュを撫でた。

「そんな顔をしないで。私は幸せよ。」

ミルアージュの中に芽生えた悲しみや恨み。
大好きな母親を死に追い詰めた者への怒り。
ミルアージュはそんなドス黒い感情を持った事がなかった。

「お母様、ごめんなさい!絶対、絶対許しません!」
ミルアージュはカミーラの横で泣くしかなかった。

「この事はもう忘れなさい。私は病気で死ぬの。誰も悪くない。恨みや憎しみなどの私情で動く事は王族として許されない。あなたが動くのは国や民のためだけよ。」

「何でそんなこと言うの!お母様は病気じゃない!」
ミルアージュには母が何を言っているのかわからなかった。

「今はわからなくてもいいの。いずれわかるから。ミルアージュともう少し一緒にいたかったわ…ごめんね。」

カミーラはそのまま亡くなった。

母の言っている意味がわかるのはもう少し大きくなった時だ。
王妃が殺害されたとなると国の威信をかけて犯人の特定と罰を与えなければならない。

それまでずっとレンラグスに攻められてアンロックは苦しめられていた。不満も大きくなっていた。

レンラグスの犯行だとわかれば、確実に大規模な戦争が始まる。今までのような小競り合いでは済まされない。

母の言葉でミルアージュは、レンラグスへの恨みを向ける事ができなくなり、その怒りは自分に向かった。
自分が母を死なせた。そんな後悔から抜け出せなかった。

まだ目の前で母親が殺された恐怖、ぬるっとした血の感触が拭えないミルアージュだが、レンラグスとの戦争に出る事になった。

元々体の弱かったミルアージュの父アンロック王はカミーラを亡くし、余計に体調を崩していた。
幼いミルアージュを心配しながらも母の死から立ち直るまで次期王となるミルアージュを待つことはできなかった。

次期アンロック王を育てる。国を守る。それが王の大優先事項なのだから。


目の前で死んでいく兵士たちを前にミルアージュは母や兵士達を死なせたのは自分が弱いからだ、自分を責め続けた。

ミルアージュが自分を責め続け、寝る時間も削り、自分の体調など無視をし死ぬ気で剣の腕を上げ軍事も勉強した。

それが今のミルアージュに繋がっている。
今でもミルアージュは夢に見る。
自分が不甲斐ないために大勢の人が死ぬのを。

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