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クリストファーはゆっくりとミルアージュに近づいた。
「この者の上官として謝罪しよう。このような場で申し訳なかった。」
「クリストファー様、なぜ謝罪などするのですか!」
キュラミールは納得がいかない様子でクリストファーにも抗議をした。
「だまれ、これ以上何も言うな。」
クリストファーは後ろを振り返り、冷たい視線と口調でキュラミールを見下ろした。
「クリストファー殿下、状況がよくおわかりではないようですね。お下がりください。」
クリストファーは後ろから聞こえるミルアージュの声にビクッと体を強張らせた。
ゆっくり振り返りミルアージュを見る。
「ミア…」
クリストファーは悟った。
もう事態をおさめるには遅すぎたと…
ミルアージュは微笑みを浮かべてはいる。
だが…
それはそれは見たものを死なせる悪魔のような美しい微笑みだった。
「クリストファー殿下、聞こえませんでしたか?お下がりくださいと言いましたが。」
ミルアージュの微笑みと敬称、敬語。
どれをとってもクリストファーには恐怖しかない。
だが、ここで引き下がればミルアージュの立場はさらに悪くなる。
貴族上位主義のこの国で平民をたててキュラミールを退場させれば、他の貴族たちも黙っていない。
「ミア、話し合おう。」
「あなたと話す事などありません。」
取りつく島もないミルアージュの態度にクリストファーはゴクリと唾を飲み込んだ。
フゥと息を吐き、ミルアージュを見つめた。
「私も下がるわけにはいかない。」
「…そうですか。ではクリストファー殿下、あなたも一緒に退場してください。」
パーティー会場が騒ついた。
第二部隊隊長キュラミールだけではなく王太子であるクリストファーをも退場させると言うことに驚きを隠せない。
キュラミールはともかくクリストファーはミルアージュより立場は上であり、命令などできるはずがないのだから。
「ミアの願いは何でも聞きたいが、今はだめだ。」
クリストファーはミルアージュの不敬ではなく、願いと言った。
後からこの事が問題とならないようにクリストファーは言葉を選ぶ。
この二人の様子に周囲の者達はハラハラしながら見守るしかなかった。
「私はあなたに守られるほど弱くはありませんよ、殿下。」
ミルアージュはクリストファーを見返す。
決して譲る事はないという決意した強い視線を向ける。
「ミア…」
ミルアージュがキュラミールと対立することを選んだ。
キュラミールだけではなく、その後ろに付いている貴族達と争うと宣言している。
「どうして、そこまで…」
祖国でもないこの国を命をかけてまで守る必要があるのかとクリストファーは言いたかった。
それをミルアージュも感じ取っていた。
それでもクリストファーの思いにミルアージュは応えることはできない。
「殿下、あなたに嫁いできた時からここは私の国です。国と民を守る。それは私の役割です。」
ミルアージュはクリストファーにも宣言した。
そんな役割という名の義務を押し付ける為に私の妃にしたのではない。
ただ、幸せになってもらいたかったんだ。
クリストファーはそう叫びたかった。
ミルアージュを守る力がない。
アンロック前王と同じ。
ミルアージュ自身も守られる事を望んでいない。
クリストファーは自分とミルアージュの思いがもう交わらない事を自覚するしかなかった。
「この者の上官として謝罪しよう。このような場で申し訳なかった。」
「クリストファー様、なぜ謝罪などするのですか!」
キュラミールは納得がいかない様子でクリストファーにも抗議をした。
「だまれ、これ以上何も言うな。」
クリストファーは後ろを振り返り、冷たい視線と口調でキュラミールを見下ろした。
「クリストファー殿下、状況がよくおわかりではないようですね。お下がりください。」
クリストファーは後ろから聞こえるミルアージュの声にビクッと体を強張らせた。
ゆっくり振り返りミルアージュを見る。
「ミア…」
クリストファーは悟った。
もう事態をおさめるには遅すぎたと…
ミルアージュは微笑みを浮かべてはいる。
だが…
それはそれは見たものを死なせる悪魔のような美しい微笑みだった。
「クリストファー殿下、聞こえませんでしたか?お下がりくださいと言いましたが。」
ミルアージュの微笑みと敬称、敬語。
どれをとってもクリストファーには恐怖しかない。
だが、ここで引き下がればミルアージュの立場はさらに悪くなる。
貴族上位主義のこの国で平民をたててキュラミールを退場させれば、他の貴族たちも黙っていない。
「ミア、話し合おう。」
「あなたと話す事などありません。」
取りつく島もないミルアージュの態度にクリストファーはゴクリと唾を飲み込んだ。
フゥと息を吐き、ミルアージュを見つめた。
「私も下がるわけにはいかない。」
「…そうですか。ではクリストファー殿下、あなたも一緒に退場してください。」
パーティー会場が騒ついた。
第二部隊隊長キュラミールだけではなく王太子であるクリストファーをも退場させると言うことに驚きを隠せない。
キュラミールはともかくクリストファーはミルアージュより立場は上であり、命令などできるはずがないのだから。
「ミアの願いは何でも聞きたいが、今はだめだ。」
クリストファーはミルアージュの不敬ではなく、願いと言った。
後からこの事が問題とならないようにクリストファーは言葉を選ぶ。
この二人の様子に周囲の者達はハラハラしながら見守るしかなかった。
「私はあなたに守られるほど弱くはありませんよ、殿下。」
ミルアージュはクリストファーを見返す。
決して譲る事はないという決意した強い視線を向ける。
「ミア…」
ミルアージュがキュラミールと対立することを選んだ。
キュラミールだけではなく、その後ろに付いている貴族達と争うと宣言している。
「どうして、そこまで…」
祖国でもないこの国を命をかけてまで守る必要があるのかとクリストファーは言いたかった。
それをミルアージュも感じ取っていた。
それでもクリストファーの思いにミルアージュは応えることはできない。
「殿下、あなたに嫁いできた時からここは私の国です。国と民を守る。それは私の役割です。」
ミルアージュはクリストファーにも宣言した。
そんな役割という名の義務を押し付ける為に私の妃にしたのではない。
ただ、幸せになってもらいたかったんだ。
クリストファーはそう叫びたかった。
ミルアージュを守る力がない。
アンロック前王と同じ。
ミルアージュ自身も守られる事を望んでいない。
クリストファーは自分とミルアージュの思いがもう交わらない事を自覚するしかなかった。
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