わがまま妃はもう止まらない

みやちゃん

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「ミア、そっちの人は?」
ダミアンの怪しむような視線の先にはアビーナルが立っていた。

「あー、前の職場の人…かな?」
ミルアージュはアビーナルを治安部隊に連れてきていた。
それがミルアージュを見逃す条件だったから。

「前の職場?同僚か?」

「アビーナルと言って同僚ではないけど、一緒に仕事をしていたわ。優秀な人だから色々と助けてくれるはず。」
ミルアージュがアビーナルを治安部隊のメンバーに紹介した。

「アビーナルです。よろしくお願い致します。」
アビーナルはダミアンに握手を求めた。

「はぁ。」
出された手を無下にはできずダミアンも握手に応じた。

「私もここで働きたいのですが、よろしいですか?」
握手をしたまま、ニコニコとアビーナルはダミアンに話しかけている。

ミルアージュはその様子をただただ呆気にとられていた。
アビーナルが握手をし、笑顔を向けているその異様な光景を。

こんな風に笑えるんだ。
気持ち悪いものをみるかのようにアビーナルを見つめていた。

「えっ、まぁミアの知り合いだし、人手不足だから良いけど給金は良くないよ?」
ダミアンはアビーナルの服装を見ながら言った。
普段より質は落としていてもアビーナルの着ている衣服はここの領民達よりはずっといい物だった。

「構いません。この領の再生が見られるのならば給金は必要ないです。それ以上の価値がありますから。」
アビーナルは真剣な面持ちで答えた。

「それ以上の価値ってなんだ?この地にはこれといって価値のあるものはないぞ。」
ダミアンはよくわからんといった表情を浮かべた。

「私にとってはとても価値があるものです。」
アビーナルは返答したが、ダミアンの納得できる答えではなかった。

アビーナルがクリストファーの意向に反してまでミルアージュについたのはただミルアージュの希望を叶えたかっただけではない。

アビーナルは自分がそばで見たかった。
ミルアージュがこの領をどのように変えていくのか興味があった。

ミルアージュもアビーナルの思いに気づいていた。
この国を変えるためには多くの力が必要となる。
優秀な人材を育てていく、それもミルアージュの役目だ。

「ダミアン、アビーナルの優秀さと人間性は私が保証するから使ってやって。」

「ミアがそこまでいうならわかった。何ができる?」
ダミアンはアビーナルに聞いた。

「私は文官なので書類仕事などでしょうかね。」
アビーナルが答えるとミルアージュがブンブンと顔を横にふる。

「何いっているの?あなたにはしてもらいたい事があるの。」
ミルアージュがニタっと笑ったのをアビーナルは見逃さず、一瞬ひるんだ。

「えっ…私は補佐では…」

「違うわ、あなたがメインで動くのよ。私の体調もあまり良くなかったし、後任が欲しかったの。」
こんな時だけ体調不良を堂々と使うミルアージュをアビーナルは呆気にとられていた。
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