わがまま妃はもう止まらない

みやちゃん

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「何を勝手なことをしている!」
領主が領地に数年ぶりに戻ってきて最初の一言がそれだった。

ここまで放置していたくせに…
自分たちがどれだけ助けを求めても何もしてくれなかったのに。
自分たちが生き残るために行動した。

それを「勝手なこと」と言った。

そこにいる皆は領主の言葉に怒りを覚えた。
何のために自分たちが飢えてまで税を納めている?
自分たちを守ってもくれない領主のためか?

そんな空気を感じて無視しているのか全く感じていないのか領主は怒鳴る。

「お前は誰のおかげでこの領に住む事ができていると思っているのだ。まともに税も払えないグズたちのくせに!」

「…」
領主に言い返したかったが、領主の後ろには私兵が控えており下手な言動をすれば捕まるか最悪斬り殺される可能性もあり誰も発言する事ができなかった。

「おまえたちが勝手なことをしたばかりに私が目をつけられる羽目になった。」

「?」
目をつけられる?
皆は意味がわからなかった。
領主は何に怒っているのか…

「それはどういう意味でしょうか?」
ダミアンが皆を代表して聞いた。

「お前は…」
領主は治安部隊長すら把握していなかった。
報告に年に数回は領主に会いに王都に行っていたのに。

「治安部隊長のダミアンです。領主、この街が活性化すれば誰に目をつけられるのですか?」
活性化をしたと言っても大都市の繁栄に比べればわずかな賑わいだ。
どの領だってこのくらいの繁栄はある。
王都まで何度も行っていたダミアンは他の街のことも詳しかった。

「お前、楯突くのか?」

「楯突いているわけではありません。なぜ領主がお怒りになっているのかを聞いているのです。」

「お前たちに説明する必要はない!私のいう通りにしておけば良いのだ。バカな頭で考えるとなロクなことにならない。」
領主が大声で言った。

ダミアンは拳を握りしめていた。
殴りたい。
こんな奴のために自分たちは…

そんなダミアンは肩をポンと叩かれた。

「よく我慢したわ。あとは任せて。」

ミルアージュだった。
だがいつもの彼女と雰囲気が全く違っている。

なんだこの存在感…いつものミアじゃない。
隙が全くない。

「なんだお前は…さてはお前が領民たちを惑わせたのか?」

「惑わせた?人聞きが悪いわね。感謝してもらいたいくらいなんだけど。あなたがまともに管理できないから手伝ってあげたのに。」

「この私に向かって何を言う!この女を捕まえろ!」
領主は顔を真っ赤にしながら叫んだ。
領主の後ろには控えていた私兵が領主の前に立ちミルアージュに近づいた。

ミルアージュはフゥとため息をついた。
「バカ決定ね。」

ミルアージュの事を知らなくてもすぐ後ろに立つクリストファーに気づかないとは本当にこの国の貴族?
見えていないのならどれだけ視野が狭いのか。

しかもミルアージュに剣を突きつけた瞬間、クリストファーの殺気が強くなっている。

クリス、殺すつもりはないわよね…
そうなる前に私が早く解決しないといけない。

クリストファーの殺気には私兵たちも気づいて後ずさりしている。
気づいていないのは領主だけのようで怒鳴り続けている。

「クリス、手を出さないで。今ここで約束して。」
ミルアージュはクリストファーに小さな声で言った。

「…わかった。だが、ミアに危険があれば手を出すぞ。」

クリストファーは殺気を殺し、一歩後ろに下がった。
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