わがまま妃はもう止まらない

みやちゃん

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人の苦しみや悲しみも全部自分のことのように考えるミアに任せてはおけない。
どうせ、関わらないといけないのなら自分が中心に関わり、さっさと終わらせる。
ミアに負担をかけない為には、それが1番良い方法だ。

クリストファーはそう自分に言い聞かせ、しばらく新婚旅行を忘れ、この案件に集中する事にした。

「じゃあ、さっさと片付けて新婚旅行の続きをするぞ。」
クリストファーの表情が変わる。
そのクリストファーの表情にミルアージュはドキッとする。

気持ちの切り替えの速さと集中力。
クリストファーは人一倍優れていた。

「で、お前達は何があったのか私達に話せるか?この主人の許可が必要か?」

クリストファーはジロリとルーマとアンマを見る。
ルービオと2人の関係性について探りを入れているのだ。

「…」

ルーマとアンマが顔を見合わせる。
どうするべきかを視線を合わせ打ち合わせしているようだったが、結論が出ないようだった。

「ルーマ、助けをもらおう。ルービオ様の命まで狙ったのならもう俺たちの手には負えない。」

「ですが、このような領の話を外の人間に話すなど…」

「できるだけ早く新婚旅行に戻りたい。どちらの結論でもいいから早めに決めろ。」
いつまでも平行線の2人の意見にクリストファーはイライラしながら言った。

ルーマとアンマは顔を見合わせ、ルーマがアンマの視線に頷いた。
「全ては話せませんが、この領で起こっている事実なら話せます。」
アンマがそう言った。

「じゃあ、できる範囲で話せ。後はこの主人が目覚めてから聞く。」

「はい。何を知りたいのでしょう?」

いくら主人の恩人といえど、この二人組は怪しすぎだろう。
その怪しい者に藁をもつかむ思いでこの2人は話している。

後から処罰される事だってあるはずだ。
それでもルービオを守る事を優先したとわかってしまうミルアージュは複雑な心境だった。

クリストファーはそんなミルアージュの表情に気付きながら話を進める。
「3年前にこの領に来た事があるが街の雰囲気がかなり変わっている。この街は今、何の問題があるんだ?」

「半年前に領主様が病に倒れ、今ご長男であるアドルフ様が領主代行を行っております。その頃から色々と変わりました。」
アンマが言いにくそうに言う。

「…領民の税の引き上げ、露天商の商人の管理と場所代の要求、そして税が払えない、異議を申し立てる領民はを全て逮捕されます。」

「税の引き上げ?収入を上げる必要があったのか?」

「わかりません…何の説明もなく突然変わりました。ルービオ様は領民と領主側の間に立ち交渉を取り持ったり、逮捕された者達を救っていました。だから…」

領民から人気のあるルービオは邪魔だった…






「ここからは僕が説明します。」
小さな声が聞こえた。

皆が一斉にルービオを見る。
ルービオはベットから上半身を起こした。

「まだ起き上がらない方がいいと思うわ。」
ミルアージュが心配そうにルービオに声をかけるが、ルービオは首を横に振る。

「いいえ、のんびりする訳にはいけません。お薬ありがとうございました。助かりました。」
まだ青白い顔でルービオはニコリと笑う。
そのルービオの手を取り胸に顔を近づけ、ミルアージュは脈と呼吸の確認をした。

「それなら何があったのか説明してもらおうか。」
クリストファーはミルアージュとルービオの間に入りミルアージュが握っている手を外した。

「医者として見てるだけよ。」
ミルアージュの眉間に皺が寄った。

しかも女の子とわかっているのに…

ミルアージュの表情でクリストファーは不満を感じ取っていた。

「そんな事はわかっている。邪魔をしてすまない。」
そう言いながらもミルアージュとルービオの間に割り込んで離れない。
さっきのドキリとしたクリストファーへのときめきを返して欲しいと思うミルアージュだった。


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