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「王太子様より強いのですか?」
ルービオは驚いて目を見開いた。
「ああ、剣の腕も、そして政治力もな。ミアに勝る者はいない。この国ではなかなか認められないがな。」
そう言ってクリストファーは苦笑いを浮かべた。
ルービオの質問に答えているような…自分への苦言のような…どちらともつかない小さな声だった。
「…クリス、今は城内に入るのが優先よ。」
ミルアージュはクリストファーを止めた。
王太子であるクリストファーがこのような場で弱気な発言をする事は許されない。
国情に絡んだものに関しては特に注意がいる。
この一言が揚げ足を取られかねないからだ。
新婚旅行を邪魔されたという愚痴とは訳が違う。
クリストファーだってわかっているはずなのに、なぜ今その事を口に出したのだろうか…
クリストファーはミルアージュやアビーナルの前で弱音を吐く事はあっても対外的には王族としての威厳を保っていた。
いや、実際に誰からも王になる事を望まれ、クリストファー自身もそれを当たり前として捉えていた。
ミルアージュから見たってクリストファーは優秀な王太子なのだ。
自分さえ絡まなければという制約はつくが。
ミルアージュはいつもと様子が違うクリストファーを心配そうに見つめた。
それに気づいたクリストファーはわざと真剣な顔を作って大丈夫だというように相槌を入れる。
「では、ルービオ、城の造りについて教えてもらおうか。」
クリストファーはいきなりルービオに話題を振った。
一瞬ビクッとクリストファーの視線に怯えたが、ルービオもすぐに気持ちを立て直し返答した。
「あっ、はい。見取り図などはありませんが、頭の中に全て入っています。ですが…」
それから先はなかなか口に出さない。
言っても良いのかという戸惑いがありありと表情に出ていた。
「私達が信用できないか?」
クリストファーは少しイラついたように低い声を出す。
「そんな事はありません!!」
ルービオは頭を横にブンブンと大きく振ったが、クリストファーの冷たい視線にルービオが視線を下に向けた。
「クリス、そんな事で責めないの!ごめんなさい、あなたに対して配慮が足りなかったわ。内部を教えられる訳ないわよね。クリスだってルーマン王城について誰にも言えないでしょう。」
ミルアージュはルービオを見かねて助け舟を出す。
それと同時にミルアージュはルービオの立場も考えず、話を進めてしまった事を反省した。
にしても…
元々クリストファーはミルアージュ以外には優しくない。
だが、ルービオに対してはいつも以上に突っかかる気がするのをミルアージュは少し気になっていた。
「ミアになら言えるぞ。」
クリストファーは少し拗ねたように言う。
「それとこれは話が別。私はそこに住んでるじゃない。私はあなたにアンロック城については教えられないわ。」
ミルアージュは呆れたようにため息をついた。
「…ミアは自分には厳しいのにどうして他人にはそう甘いんだ?まぁ、ここの城には何度か呼ばれた事があるし、侵入は容易い。ルービオから話を聞かずに侵入するか?」
城主やその家族の部屋の位置は公にはしない。
暗殺や夜這いのトラブルを避ける為だ。
従者やメイド達も厳選されている。
安全上の問題であり、王家にも報告義務がない。
それをいくらミルアージュ達が悪用しない、外部に漏らさないといった所で教えた事自体が問題となる。
バレればルービオは追求される可能性があった。
「ルービオを裏切り者にはしたくないわ。」
クリストファーの問いにミルアージュは頷く。
そんなミルアージュを見てクリストファーがため息をついた。
「そんなのは危険です!中に入った事があると言ってもお客様に見せるところは限られています。不法侵入なんですよ?捕まったら終わりです!」
ルービオの顔は青ざめている。
「だから、教えろと言っているだろう。お前が拒否するからだ。」
クリストファーはイライラしながらルービオに答える。
「もう、クリス。どうして、そんな風に言うの?ルービオ、気にしないで、本当に大丈夫だから。ちょっとあなたのお父様を診てくるだけだからね。」
ミルアージュはルービオにニッコリと笑う。
「ですが、父の寝室の場所も知らないのに…」
ルービオはオロオロしながら言うが、教えるとは言わなかった。
「探す手間が省けるから見取り図を教えろと言ってるじゃ…」「気にしないで。その辺りはクリスが解決するから!」
ミルアージュがクリストファーの言葉を遮った。
クリストファーがこんな状況になって城に探りを入れていない訳がない。
護衛として連れていた影を数人、城内に入れてるだろう。
ここに来てから影達の気配がなくなった事はミルアージュも気づいていた。
ルービオの情報より正確性には欠けるが、情報を得る手段がある。
それにも関わらず、クリストファーがどうしてルービオに突っかかるのか。
その意図がミルアージュにはわからなかった。
「今晩、あなたのお父様の様子を見たらすぐに戻ってくるわ。ここで待ってて。」
ミルアージュはルービオの手をギュッと握って問題ないと微笑んだ。
ルービオは驚いて目を見開いた。
「ああ、剣の腕も、そして政治力もな。ミアに勝る者はいない。この国ではなかなか認められないがな。」
そう言ってクリストファーは苦笑いを浮かべた。
ルービオの質問に答えているような…自分への苦言のような…どちらともつかない小さな声だった。
「…クリス、今は城内に入るのが優先よ。」
ミルアージュはクリストファーを止めた。
王太子であるクリストファーがこのような場で弱気な発言をする事は許されない。
国情に絡んだものに関しては特に注意がいる。
この一言が揚げ足を取られかねないからだ。
新婚旅行を邪魔されたという愚痴とは訳が違う。
クリストファーだってわかっているはずなのに、なぜ今その事を口に出したのだろうか…
クリストファーはミルアージュやアビーナルの前で弱音を吐く事はあっても対外的には王族としての威厳を保っていた。
いや、実際に誰からも王になる事を望まれ、クリストファー自身もそれを当たり前として捉えていた。
ミルアージュから見たってクリストファーは優秀な王太子なのだ。
自分さえ絡まなければという制約はつくが。
ミルアージュはいつもと様子が違うクリストファーを心配そうに見つめた。
それに気づいたクリストファーはわざと真剣な顔を作って大丈夫だというように相槌を入れる。
「では、ルービオ、城の造りについて教えてもらおうか。」
クリストファーはいきなりルービオに話題を振った。
一瞬ビクッとクリストファーの視線に怯えたが、ルービオもすぐに気持ちを立て直し返答した。
「あっ、はい。見取り図などはありませんが、頭の中に全て入っています。ですが…」
それから先はなかなか口に出さない。
言っても良いのかという戸惑いがありありと表情に出ていた。
「私達が信用できないか?」
クリストファーは少しイラついたように低い声を出す。
「そんな事はありません!!」
ルービオは頭を横にブンブンと大きく振ったが、クリストファーの冷たい視線にルービオが視線を下に向けた。
「クリス、そんな事で責めないの!ごめんなさい、あなたに対して配慮が足りなかったわ。内部を教えられる訳ないわよね。クリスだってルーマン王城について誰にも言えないでしょう。」
ミルアージュはルービオを見かねて助け舟を出す。
それと同時にミルアージュはルービオの立場も考えず、話を進めてしまった事を反省した。
にしても…
元々クリストファーはミルアージュ以外には優しくない。
だが、ルービオに対してはいつも以上に突っかかる気がするのをミルアージュは少し気になっていた。
「ミアになら言えるぞ。」
クリストファーは少し拗ねたように言う。
「それとこれは話が別。私はそこに住んでるじゃない。私はあなたにアンロック城については教えられないわ。」
ミルアージュは呆れたようにため息をついた。
「…ミアは自分には厳しいのにどうして他人にはそう甘いんだ?まぁ、ここの城には何度か呼ばれた事があるし、侵入は容易い。ルービオから話を聞かずに侵入するか?」
城主やその家族の部屋の位置は公にはしない。
暗殺や夜這いのトラブルを避ける為だ。
従者やメイド達も厳選されている。
安全上の問題であり、王家にも報告義務がない。
それをいくらミルアージュ達が悪用しない、外部に漏らさないといった所で教えた事自体が問題となる。
バレればルービオは追求される可能性があった。
「ルービオを裏切り者にはしたくないわ。」
クリストファーの問いにミルアージュは頷く。
そんなミルアージュを見てクリストファーがため息をついた。
「そんなのは危険です!中に入った事があると言ってもお客様に見せるところは限られています。不法侵入なんですよ?捕まったら終わりです!」
ルービオの顔は青ざめている。
「だから、教えろと言っているだろう。お前が拒否するからだ。」
クリストファーはイライラしながらルービオに答える。
「もう、クリス。どうして、そんな風に言うの?ルービオ、気にしないで、本当に大丈夫だから。ちょっとあなたのお父様を診てくるだけだからね。」
ミルアージュはルービオにニッコリと笑う。
「ですが、父の寝室の場所も知らないのに…」
ルービオはオロオロしながら言うが、教えるとは言わなかった。
「探す手間が省けるから見取り図を教えろと言ってるじゃ…」「気にしないで。その辺りはクリスが解決するから!」
ミルアージュがクリストファーの言葉を遮った。
クリストファーがこんな状況になって城に探りを入れていない訳がない。
護衛として連れていた影を数人、城内に入れてるだろう。
ここに来てから影達の気配がなくなった事はミルアージュも気づいていた。
ルービオの情報より正確性には欠けるが、情報を得る手段がある。
それにも関わらず、クリストファーがどうしてルービオに突っかかるのか。
その意図がミルアージュにはわからなかった。
「今晩、あなたのお父様の様子を見たらすぐに戻ってくるわ。ここで待ってて。」
ミルアージュはルービオの手をギュッと握って問題ないと微笑んだ。
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