わがまま妃はもう止まらない

みやちゃん

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「いい加減にしてくれないか?まともな説明ができる奴はいないのか?」

自分の不利な発言はしたくない。
ただでさえ、そう思っているのに‥
クリストファーの圧に怯え、皆が支離滅裂な発言を繰り返してまともな答えなど返ってこなかった。

クリストファーも本当ならこんな茶番に付き合いたくはないがミルアージュの手前、手荒な真似もできない。
クリストファーは苛つきが増し余計に怯えるという負のループに陥っていた。

クリストファーの質問はシンプルだ。
「領主に毒を盛ったのか?」
「領主を地下牢に閉じ込めたのか?」
この二つだけだ。

これだけなら「はい」「いいえ」
それだけで済む質問である。

それすらまともに答える者がいなかった。

はいと言った時点で有罪は確定するし、いいえと答えても他の者からばれて虚偽の返答で余計に罪が重くなるのを嫌がっているのがバレバレだ。

「本当に救い所のない奴らだな。」
全員、領主代理と一緒に地下牢にぶち込みたい。

こんな小心者達が毒を盛る程の度胸はない。
領主代理に怯え、地下牢に閉じ込めるのを静観していただけだろう。

今回の尋問で得たのはそのくらいだ。
時間の無駄。
クリストファーは限界を迎えていた。

ミルアージュもそんなクリストファーの様子を見てため息をついた。

そう、綺麗事だけでは国は治められない。
それはミルアージュだってわかっている。

だが、拷問で引き出した情報にどれほどの真実が引き出されたのかわからない。
それにミルアージュ自身恐怖を感じるのだ。

極限に陥った人はしてもいない罪も自白する。
虚偽の自白をすむ者もいる。
どこまでが信用できるのか。
その自白を鵜呑みにして皆を巻き込む決断をしても良いのか‥

ミルアージュは客観的な情報をいくつも組み合わせて結論を出したいといつも思っているのだ。

「クリス、もう一旦休憩しましょう。意味ないわ。」
ミルアージュはクリストファーを止めた。
クリストファーの尋問はただの八つ当たりになっていたから。

「‥あぁ。」
クリストファーもすぐに同意する。

ミルアージュはベッドに寝かせている領主に近づいた。

「良かった。落ち着いてきてるわね‥」
領主の脈や呼吸をみながらミルアージュはホッと胸を撫で下ろした。

執事やメイドもミルアージュの表情が緩んだのをみて安心した。

脈をはかる際に領主の手を握ったのをクリストファーがみて殺気が出ているのを感じだが、無視をした。
相手をしていたらキリがない。

ミルアージュは紙に何かを書くとメイドに渡した。

「ねぇ、この城にも薬草や薬はあるわよね?これとってきてくれない?」

「わかりました!すぐにとってきます!」
メイドは部屋から出ていき、またシンと静まり返った。

「待っている間、お茶でも入れましょうか?」
執事はクリストファーとミルアージュに声をかける。

その話を聞いていたクリストファーは大声で怒鳴った。
「領主が毒を盛られたのにお茶を出すなんて何を考えているんだ!」

部屋の中にいた者達はあまりの剣幕にビクついた。

「すみません、そんなつもりはありませんでした。」
執事が慌てて頭を下げる。

執事が悪いわけではない。
こんな状況であっても毒への警戒心があまりない。
毒味もおり、毒に対して常に警戒しているクリストファー達とは根本的に違うのだ。

「‥いい案ね。お願いしようかしら。」
ミルアージュは満面の笑みで答えた。

「ミア?」
クリストファーがそんなミルアージュの表情を見て固まった。

嫌な予感がする‥
クリストファーはそう思った。

「領主が口にしていたものを全部持ってきて。毒が検出される物があるかもしれないわ」
ミルアージュは荷物から検査に必要な物品を出した。

「‥ミア、約束してくれ。検査するのはいいが、絶対に口にしないでくれ。」

「そんなことしないわ、大丈夫よ。」
ミルアージュは笑うが、全く信用ができない笑顔だった。





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