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「この国は腐り切っているな。立て直すより滅ぼす方が早そうだ。」
クリストファーがボソリとつぶやいた独り言に皆が真っ青になった。
しばらく沈黙が続く。
沈黙を破ったのは国王だった。
「クリストファー…いくらお前でも言っても良いことと悪いことがあるぞ。」
「事実だろう。ミアを苦しめるこんな国なんか無くなればいい。」
クリストファーは真顔で言った。
本気ではないよな?
いや、本気かもしれない。
クリストファーの真意がわからず、皆は反応できず固まっていた。
「アルト、お前はどう思う?」
クリストファーがアルトを見た。
クリストファーがこの国を滅ぼすというのなら、その争いの先頭に立つのはアルトだろう。
アルトがクリストファーについて行くのかを聞きたいのか?
皆がアルトの返答を待った。
「私は姫の望まない事をするつもりはありません。」
アルトはクリストファーには従わないと真っ直ぐに見つめ返した。
「私の命令よりもミアを優先するのか?」
クリストファーの声が低くなる。
「私の主人はミルアージュ王太子妃だけです。」
アルトも一歩も引く気配がない。
そんな2人の様子を周囲の者たちは呆気に取られていた。
国を滅ぼすという王太子。
その王太子の部隊長が王太子ではなく、その妃の命令を優先し、挙句にその妃を主人だと言い放つ。
どちらもおかしい。
言っていることがまともじゃない。
アビーナルもルンバードも異様な2人をただ見つめていた。
アビーナルはアルトを甘く見ていた。
ミルアージュ様への想いがこれほど強いものだとは思わなかった。
いつか、この国の軍トップに立つ男として教育して来たつもりだったが、根本的に間違っていた事に気づく。
「いい加減にしろ、アルト!お前が仕えるべきお方はクリストファー様だ!」
アビーナルはアルトを怒鳴る。
「いいえ、私が敬愛し、従うべきお方はミルアージュ王太子妃様です。ミルアージュ王太子妃様がクリストファー王太子に従えといえば、それに私は従います。」
あくまでミルアージュの命令がなければ、クリストファーに従わないとはっきりと言ってのけた。
王の間違った言動を諌める役目はあるからクリストファーが世界滅亡をしようとすれば、止める義務はある。
だが、別の人間に従うというのは全く意味が違う。
軍を分裂させる原因になる。
軍のトップどころか、今クリストファーの指揮下にいる隊長の地位も降りるべきだ。
アビーナルはそう思い、クリストファーを見た。
「アルト、お前の覚悟はよくわかった。」
クリストファーが怒っていないのに少しアビーナルはホッとした。
アルトと決して仲は良くないが、長い時間を共にすれば情もわく。
アルトの立場を心配するくらいの関係性にはなっていた。
クリストファーもアビーナルと同意見だと思ったが、クリストファーの考えは違うことがすぐにわかった。
「アルト、すぐとは言わないが、将来的に軍部トップになりミアを支えろ。」
クリストファーはアルトにそう言った。
「クリストファー様?それはダメです!軍部長は王に従うべきなのです!そうしなければ…」
軍の統率が取れない。
アビーナルがそう言おうとする前にクリストファーはギロリと睨んだ。
「そんな事はお前よりよく知っている。その上で言っているのだ。」
クリストファーの声は低い。
怒っている。
「申し訳ありません…」
アビーナルはクリストファーに謝るが、理解はできなかった。
補佐官のアビーナルより軍の指揮を実際にしているクリストファーの方が知識も経験もある。
そのクリストファーがどうして、そんな無茶を言うのか。
王より王妃に従う軍などあってはならない。
例え、王妃の方が優れた政治感覚や軍指揮があったとしてもだ。
「アビーナル、心配する様な事にはならない。アルトは王に従うのだから。」
感情が表に出ないアビーナルを見透かす様にクリストファーが言った。
「王に従う?ミルアージュ様に従うとアルトは言っているではありませんか。矛盾しています、ミルアージュ様が王にはならないのですから。」
そこまで言ってアビーナルはクリストファーの言葉を思い出した。
「…お前が私の元に戻る事はない。」
「王の補佐から外すつもりはない。」
クリストファーはそうアビーナルに言っていた。
「まさか、ミルアージュ様を女王にするつもりなのですか?」
アビーナルは恐る恐る聞いた。
自分の間違いであって欲しいと願いながら…
「正解だ、アビーナル。」
クリストファーは満足げに笑った。
クリストファーがボソリとつぶやいた独り言に皆が真っ青になった。
しばらく沈黙が続く。
沈黙を破ったのは国王だった。
「クリストファー…いくらお前でも言っても良いことと悪いことがあるぞ。」
「事実だろう。ミアを苦しめるこんな国なんか無くなればいい。」
クリストファーは真顔で言った。
本気ではないよな?
いや、本気かもしれない。
クリストファーの真意がわからず、皆は反応できず固まっていた。
「アルト、お前はどう思う?」
クリストファーがアルトを見た。
クリストファーがこの国を滅ぼすというのなら、その争いの先頭に立つのはアルトだろう。
アルトがクリストファーについて行くのかを聞きたいのか?
皆がアルトの返答を待った。
「私は姫の望まない事をするつもりはありません。」
アルトはクリストファーには従わないと真っ直ぐに見つめ返した。
「私の命令よりもミアを優先するのか?」
クリストファーの声が低くなる。
「私の主人はミルアージュ王太子妃だけです。」
アルトも一歩も引く気配がない。
そんな2人の様子を周囲の者たちは呆気に取られていた。
国を滅ぼすという王太子。
その王太子の部隊長が王太子ではなく、その妃の命令を優先し、挙句にその妃を主人だと言い放つ。
どちらもおかしい。
言っていることがまともじゃない。
アビーナルもルンバードも異様な2人をただ見つめていた。
アビーナルはアルトを甘く見ていた。
ミルアージュ様への想いがこれほど強いものだとは思わなかった。
いつか、この国の軍トップに立つ男として教育して来たつもりだったが、根本的に間違っていた事に気づく。
「いい加減にしろ、アルト!お前が仕えるべきお方はクリストファー様だ!」
アビーナルはアルトを怒鳴る。
「いいえ、私が敬愛し、従うべきお方はミルアージュ王太子妃様です。ミルアージュ王太子妃様がクリストファー王太子に従えといえば、それに私は従います。」
あくまでミルアージュの命令がなければ、クリストファーに従わないとはっきりと言ってのけた。
王の間違った言動を諌める役目はあるからクリストファーが世界滅亡をしようとすれば、止める義務はある。
だが、別の人間に従うというのは全く意味が違う。
軍を分裂させる原因になる。
軍のトップどころか、今クリストファーの指揮下にいる隊長の地位も降りるべきだ。
アビーナルはそう思い、クリストファーを見た。
「アルト、お前の覚悟はよくわかった。」
クリストファーが怒っていないのに少しアビーナルはホッとした。
アルトと決して仲は良くないが、長い時間を共にすれば情もわく。
アルトの立場を心配するくらいの関係性にはなっていた。
クリストファーもアビーナルと同意見だと思ったが、クリストファーの考えは違うことがすぐにわかった。
「アルト、すぐとは言わないが、将来的に軍部トップになりミアを支えろ。」
クリストファーはアルトにそう言った。
「クリストファー様?それはダメです!軍部長は王に従うべきなのです!そうしなければ…」
軍の統率が取れない。
アビーナルがそう言おうとする前にクリストファーはギロリと睨んだ。
「そんな事はお前よりよく知っている。その上で言っているのだ。」
クリストファーの声は低い。
怒っている。
「申し訳ありません…」
アビーナルはクリストファーに謝るが、理解はできなかった。
補佐官のアビーナルより軍の指揮を実際にしているクリストファーの方が知識も経験もある。
そのクリストファーがどうして、そんな無茶を言うのか。
王より王妃に従う軍などあってはならない。
例え、王妃の方が優れた政治感覚や軍指揮があったとしてもだ。
「アビーナル、心配する様な事にはならない。アルトは王に従うのだから。」
感情が表に出ないアビーナルを見透かす様にクリストファーが言った。
「王に従う?ミルアージュ様に従うとアルトは言っているではありませんか。矛盾しています、ミルアージュ様が王にはならないのですから。」
そこまで言ってアビーナルはクリストファーの言葉を思い出した。
「…お前が私の元に戻る事はない。」
「王の補佐から外すつもりはない。」
クリストファーはそうアビーナルに言っていた。
「まさか、ミルアージュ様を女王にするつもりなのですか?」
アビーナルは恐る恐る聞いた。
自分の間違いであって欲しいと願いながら…
「正解だ、アビーナル。」
クリストファーは満足げに笑った。
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