わがまま妃はもう止まらない

みやちゃん

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「じゃあ、どうすればいい?何が正解だ?」
クリストファーはアビーナルに聞く。

クリストファーは普段、誰の言うことも聞かない。
全て自分で決定し、悩む姿を臣下に見せる事もない。

人の上に立ち、それが当たり前だと思っていた。
クリストファーも臣下もルーマン国民も。

そんなクリストファーがどうして良いのかわからないとオロオロし、臣下に聞くほどに参っていた。

そんなクリストファーの弱りきった姿にアビーナルは少し驚きながらも、人間らしく悩む姿に少しホッとしていた。

クリストファー様も普通の人なのだと。

「私たちよりもミルアージュ様をよく知っているルンバード様に相談してみましょう。アンロックの考え方もよく知っているでしょうし。」

クリストファーも頷いた。
クリストファー、アビーナル、アルトもルンバールの人間だ。

いくら考えてもアンロックで育ったミルアージュ考え方を理解できないのだから。

「今すぐルンバードをここに呼んでくれ。」





コンコン。
クリストファーの執務室の扉がノックされる。

「どうぞ。」
中からクリストファーとは別の声がした。
ルンバードは一礼をして部屋に入った。

「クリストファー様、何がご用でしょうか?」
ルンバードは頭を上げるとそこには険しい顔をした男が3人いた。

ルンバードは嫌な予感しかしなかった。
ルーマンに来たばかりなのに、厄介な事に関わりそうだとため息がでた。

「ルンバード、ここで話す事を内密にしてくれ。口外は許さない。」
クリストファーはルンバードを睨みつけ脅すように命令した。

「…わかりました。」

聞きたくないと拒否はできないのだろうなとルンバードはため息をついた。

シンと静まる部屋の中。

クリストファーはなかなか口を開かない。
後ろでアビーナルとアルトがルンバードを見つめるが、言葉を発しなかった。

こんなに言いにくい内容ならルーマンに関係する機密事項…ではないだろうか…
ルンバードはゴクッと唾を飲み込んでクリストファー達の発言を待った。

「…ルンバード、お前の知恵を借りたい。」
クリストファーが重い口を開いた。

「知恵?」

私を利用して王家に害をなすものの除去しようとする?

そんな最悪な考えしか浮かばない。

「…私は医者は辞めていますが、道徳に反するような事はしません。誰かを陥れたり、害したりするような内容ならば拒否します。」

ルンバードは、はっきりと答えた。
たとえそれで自分の命を失うとしてもだとクリストファーをギロリと睨み返した。

クリストファーが助けを求めるのはそれ以外にない。

「いや、違う。ミアの事だ。」
クリストファーはルンバードの勘違いに気付き、慌てて訂正した。

「姫様の事?」

「そうだ。」
クリストファー、アビーナル、アルトも頷き、すがるような目でルンバードを見た。

「我々はルーマンで生まれ育った。だから、ミアの生き方や考え方がわからない時がある。」

「何がわからないのですか?」

「どうして王族というだけであれ程、献身的に民に尽くせるのか。どうすれば、ミア自身の幸せを考えられるようになるのか。」

ルンバードはクリストファーの表情を見て、姫様の生き方を本当に理解できないのだと思った。

自身の幸せはともかく、クリストファーもルーマンの王族であり、次期国王なのに民に尽くすのが理解できないのはどうなのか。

そんなルンバードの心の声が表情に出ていたのだろう。

「私は国や民よりミアを選ぶ。」
クリストファーはそう言い切った。

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