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「私は国や民よりミアを選ぶ。」
あまりにキッパリと言い切るクリストファーに王族の自覚はあるのかと問いたかった。
「そう言い切るのもどうかと思いますが…」
ルンバードはつぶやいた。
独り言ではあったが、静まり返った部屋だったため、クリストファーやアビーナル、アルトにも聞こえていた。
アビーナルは苦笑いをし、アルトは頷いていた。
「私はミアを幸せにする為に王太子になったんだ。その信念は生涯、変わらない。」
クリストファーはドヤ顔で言う。
クリストファーの横からアビーナルが口を挟む。
「クリストファー様は極端ですが、私もミルアージュ様の言動は王族としてもいき過ぎたものを感じます。自身の欲がなさすぎるのです…」
アビーナルはルーマンに来てからのミルアージュの様子、言動をルンバードに説明した。
「私達がミルアージュ様を王にしようとするのは間違いだと思いますか?」
アビーナルは恐る恐る聞いた。
「…それは誰にとってですか?」
ルンバードはアビーナルに聞いた。
「私に対し敬語は不要です。ルンバード様の功績は私も知っております。質問の返答ですが、ミルアージュ様にとってです。」
アビーナルはルンバードに頭を下げる。
「わかった、では敬語はやめよう。では、国の為になっても姫様の為にならなければ諦めるのか?」
「当たり前です。ミルアージュ様が王となれば、今よりずっと良い国となるのは間違いないでしょう。ですが、1人の犠牲の上に成り立つ国などあってはならない。そんな事をするくらいならミルアージュ様を王とするのを諦めます。」
アビーナルはそう言い切った。
クリストファーといい、アビーナルといい、これからルーマン王国を支えていく存在なはずだ。
それなのに、個人を尊重しようなんて。
「姫様が嫁いだ国がここでよかった。」
ルンバードは少しホッとした表情を浮かべる。
国をより強く、より豊かに。
ミルアージュにはそれができる力を持っている。
ミルアージュを手に入れたら、その力を国の為に利用できる。
強制しなくてもミルアージュの意思で動くのだから。
アンロックでさえ、心配はしてもミルアージュを止める事はなかった。
国の為という大義名分があったから。
ルンバード自身も罪悪感は抱きつつも止めなかった1人だ。
だが、国の為になろうとそれを良しとしない。
ルンバードにとって衝撃的な答えだった。
アンロックの考え方がわからないというのは当たり前だ。
根本的に国や個人に対する考え方が違うのだ。
そんな考えを持つ者達が姫様のそばにいる。
この国に姫様が来られて本当に良かった。
「姫様が抱え込む事は止められません。王族として以外にも…病的なものも絡んでおります故に。それ以上は言えません。」
ルンバードは頭を下げる。
ミルアージュの自己犠牲の背景はかなり複雑だ。
一つの要因を取り除けば良いというものではないし、王族としても生きていく以上解決するのも難しいだろう。
ルンバードがそれ以上ミルアージュの状態を話さないため、クリストファーは怒ると思っていた。
誰よりもミルアージュに心を砕いているのをルンバードも認めていた。
しかし、クリストファーは冷静だった。
「ならば、王とするのを諦めるしかないと言うことか。王妃の責務はどこまでなら負担なくこなせるかわかるか?」
クリストファーはそう聞いた。
ルンバードはポカンとしてクリストファーを見た。
そんな重大な決定に理由も聞かず、ルンバードの言う事を信じたのだ。
「私をそんな風に信じて良いのですか?」
ルンバードは不思議に思い質問した。
「なぜ疑う必要がある?ミアにとってお前は信頼できる医師であり、師匠だ。ミアは見る目がある。何よりお前のそれが証明しているだろう?」
クリストファーはルンバードの顔をジッと見ている。
アビーナルから差し出されたハンカチを見て、ルンバードが涙を溢れている事に気づいた。
あまりにキッパリと言い切るクリストファーに王族の自覚はあるのかと問いたかった。
「そう言い切るのもどうかと思いますが…」
ルンバードはつぶやいた。
独り言ではあったが、静まり返った部屋だったため、クリストファーやアビーナル、アルトにも聞こえていた。
アビーナルは苦笑いをし、アルトは頷いていた。
「私はミアを幸せにする為に王太子になったんだ。その信念は生涯、変わらない。」
クリストファーはドヤ顔で言う。
クリストファーの横からアビーナルが口を挟む。
「クリストファー様は極端ですが、私もミルアージュ様の言動は王族としてもいき過ぎたものを感じます。自身の欲がなさすぎるのです…」
アビーナルはルーマンに来てからのミルアージュの様子、言動をルンバードに説明した。
「私達がミルアージュ様を王にしようとするのは間違いだと思いますか?」
アビーナルは恐る恐る聞いた。
「…それは誰にとってですか?」
ルンバードはアビーナルに聞いた。
「私に対し敬語は不要です。ルンバード様の功績は私も知っております。質問の返答ですが、ミルアージュ様にとってです。」
アビーナルはルンバードに頭を下げる。
「わかった、では敬語はやめよう。では、国の為になっても姫様の為にならなければ諦めるのか?」
「当たり前です。ミルアージュ様が王となれば、今よりずっと良い国となるのは間違いないでしょう。ですが、1人の犠牲の上に成り立つ国などあってはならない。そんな事をするくらいならミルアージュ様を王とするのを諦めます。」
アビーナルはそう言い切った。
クリストファーといい、アビーナルといい、これからルーマン王国を支えていく存在なはずだ。
それなのに、個人を尊重しようなんて。
「姫様が嫁いだ国がここでよかった。」
ルンバードは少しホッとした表情を浮かべる。
国をより強く、より豊かに。
ミルアージュにはそれができる力を持っている。
ミルアージュを手に入れたら、その力を国の為に利用できる。
強制しなくてもミルアージュの意思で動くのだから。
アンロックでさえ、心配はしてもミルアージュを止める事はなかった。
国の為という大義名分があったから。
ルンバード自身も罪悪感は抱きつつも止めなかった1人だ。
だが、国の為になろうとそれを良しとしない。
ルンバードにとって衝撃的な答えだった。
アンロックの考え方がわからないというのは当たり前だ。
根本的に国や個人に対する考え方が違うのだ。
そんな考えを持つ者達が姫様のそばにいる。
この国に姫様が来られて本当に良かった。
「姫様が抱え込む事は止められません。王族として以外にも…病的なものも絡んでおります故に。それ以上は言えません。」
ルンバードは頭を下げる。
ミルアージュの自己犠牲の背景はかなり複雑だ。
一つの要因を取り除けば良いというものではないし、王族としても生きていく以上解決するのも難しいだろう。
ルンバードがそれ以上ミルアージュの状態を話さないため、クリストファーは怒ると思っていた。
誰よりもミルアージュに心を砕いているのをルンバードも認めていた。
しかし、クリストファーは冷静だった。
「ならば、王とするのを諦めるしかないと言うことか。王妃の責務はどこまでなら負担なくこなせるかわかるか?」
クリストファーはそう聞いた。
ルンバードはポカンとしてクリストファーを見た。
そんな重大な決定に理由も聞かず、ルンバードの言う事を信じたのだ。
「私をそんな風に信じて良いのですか?」
ルンバードは不思議に思い質問した。
「なぜ疑う必要がある?ミアにとってお前は信頼できる医師であり、師匠だ。ミアは見る目がある。何よりお前のそれが証明しているだろう?」
クリストファーはルンバードの顔をジッと見ている。
アビーナルから差し出されたハンカチを見て、ルンバードが涙を溢れている事に気づいた。
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