【完結】猫になったら怖い上司の愛に気付きました

みやちゃん

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親友に愚痴る

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「もう、思いつめすぎよ!」

ケラケラと楽しそうに笑う親友のアミルダ。
王城で魔導師をしているアミルダとご飯を食べにきている。

アミルダはグリーンの綺麗なロングヘアと大きなピンクの瞳を持つ美女だ。
今もこちらを男性達からチラチラと見られている。
アミルダと出かければいつものこと。
性格はさっぱりしていて社交的、モテまくっており王城でも有名だ。

私は外見は地味でモテた事はないし、内向的で部屋の中で読書をしたりして過ごすことが好き。
アミルダの性格に憧れている一人だった。

私と全く性格も職種も違うアミルダが仲良くなったきっかけは王城で働き出した時、同部屋だったから。
今では何でも話せる親友だ。

ナーバンから受けるストレスが限界にさしかかり、発散のためアミルダをご飯に誘ったのだ。

「ナーバン様の怖さを知らないからそんな事言えるのよ!」
私は荒れている。
アミルダは悪くないのに八つ当たりをしてしまう。

「女嫌いなのにどうして私が補佐官なの?毎日私といるのが苦痛なのか、いつも機嫌悪いし。ちょっと触れただけですごい目で睨まれるし。」

お酒の力も借りて普段言えない愚痴を親友に話す。

「本当に女が嫌だったら配属前に拒否されてるわよ。気にしすぎだって。」
アミルダがなぐさめてくれる。

そう、配属先の責任者は配属拒否の権限を持つ。

そりゃ知ってるけど。
公私混同を嫌がったの?
いやいや、それなら今理不尽に当たられているのは何?

ナーバン様の機嫌の悪さは自分の仕事ができないせいとか悩んだ時期もあったけど‥
さすがに配属初日の会った瞬間からだから、それはないだろうと思いなおした。

ただ、私といると機嫌が悪いのだ。
嫌いなら嫌いでいい。
私を別部署へ出して欲しい。
王城内でも力を持つナーバン様の希望ならすぐ通るだろう。

「ハァ」
ため息が漏れる。

「で、サーチェが出した異動届はどうなったの?」
アミルダが聞く。

お酒を一気に飲んでドンと机にコップを置く。
「私のは却下された。今空いている部署がないって人事部が言ってた。」

私を動かすために他の人も異動させるとか、そんな自分勝手な事はできないから泣く泣く諦めた。

「変ね?騎士団の方の補佐官が足りないって聞いたけど‥」

アミルダは顔が広い。
他の部署の話も入ってきているのだろう。

「でも、ないものはないって言われたの!」
涙が溢れる。

何でこんな思いをして仕事をしなくちゃいけないのか‥
頑張って勉強してやっと王城で働くことができたのに、やめるしかないのかとまで考えてしまう。

毎日ナーバン様から向けられる圧と不機嫌さに私の精神はもう限界を迎えてようとしていた。

そんな私の頭をヨシヨシとアミルダが撫でる。

「ねぇ、そんなに辛いならちょっと仕返しをしてみない?」
親友はニヤッと笑った。

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